MLBスタープロファイル第二弾は、2010年代を代表する大エース マックス・シャーザーです。
マックス・シャーザー(36)
経歴
大卒だった2006年にダイヤモンドバックスから全体11位で指名され入団。
メジャーデビューは2008年の4月で、この年はロングリリーフや先発投手として登板。
翌2009年からは先発投手として1年間先発ローテーションを守り9勝11敗 防御率4.12。
この年のオフにタイガースとヤンキースを含めた三角トレードにてタイガースへ移籍します。そしてこの2010年から、シャーザーの黄金期は始まります。
タイガースには既に前年最多勝と奪三振で二冠投手となっていたジャスティン・バーランダーがおり、シャーザーはバーランダーと強力な剛球投手デュオを築くことになります。
タイガース一年目となった2010年には初の二桁勝利となる12勝をあげ、その翌年も成績は悪化したものの15勝9敗でチームに貢献。
2012年にはついにその奪三振力が開花し、16勝&231奪三振でバーランダーに次ぐ奪三振2位に輝きます。
そして2013年には最多勝とサイ・ヤング賞を獲得する自身最高の活躍。
2014年には二年連続となる最多勝でオフにはFAとなります。
2015年のシーズン前にナショナルズと7年総額2億1000万ドルという巨額契約で合意。
非常にリスキーな契約に見えますが、シャーザーは最終的にこれに見合うだけの活躍をしました。
2015~2019年まで5年連続で二桁勝利&防御率2点台&240奪三振以上とこれ以上ない安定感をみせ、その間に2016年と2017年の2度サイ・ヤング賞を受賞しています。
両リーグでサイ・ヤング賞を受賞したのは彼が史上6人目で、近年ではあの大投手ロイ・ハラデー以来でした。
2020年の短縮シーズンでは移籍後初めて防御率3点台になるなど衰えを少し感じさせましたが、今季2021年シーズンではオールスターでの先発投手に抜擢されるなど再び全盛期並みのパフォーマンスを見せています。
獲得タイトル・記録
サイ・ヤング賞 3回(2013, 2016, 2017)
オールスター 8回(2013-2019, 2021)
最多勝 4回(2013, 2014, 2016, 2018)
最多奪三振 3回(2016-2018)
ワールドチャンピオン 1回(2019)
ノーヒットノーラン 2回(2015, 2015)
キャリアハイ
2013年
試合 | 勝 | 敗 | 防御率 | 投球回 | 奪三振 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|
32 | 21 | 3 | 2.90 | 214.1 | 240 | 0.97 |
サイ・ヤング賞を3度も受賞しているため、どこがキャリアハイかは意見が分かれるところだと思います。
今回は初めてサイ・ヤング賞を獲得した2013年をキャリアハイとして紹介します。
最多勝、WHIP1位で、防御率5位、奪三振2位でした。
サイ・ヤング賞こそとっていないものの、数字自体は2018年が最も優秀でした。
投球
若い頃は速球が6~7割を占めるような押せ押せスタイルでしたが、投手として成熟するとともに速球の割合が低下し、ナショナルズ移籍後からカッターを取り入れたことで、4シームは5割程度で残りをスライダー、チェンジアップ、カーブ、カッターで投げ分けます。
彼の最も強力な武器はスライダーで、スリークォーター気味の投球フォームから投げ込まれる斜め横に滑るようなスライダーは、現役投手最高のウイニングショットと評されています。
投球内容とは関係のない余談ですが、シャーザーは左右の目の色が異なるオッドアイです。
契約
タイガースで実績を残したシャーザーが2014年オフにFAした際に、ナショナルズと7年2億1000万円という契約を結びました。
今季ここからどういった成績になろうとも、この7年間は史上稀にみる大成功契約だったと言えるでしょう。
2021年成績
試合 | 勝 | 敗 | 防御率 | 投球回 | 奪三振 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|
18 | 7 | 4 | 2.83 | 105.0 | 142 | 0.89 |
5月、6月をそれぞれ防御率1点台で終えるなど非常に安定した投球を見せており、時々炎上はするもののナショナルズのエースとして十分な役割を果たしています。
オールスターの先発投手に選ばれたシャーザーとは逆にナショナルズは低迷しているため、今季で契約が終了するシャーザーがトレードされるのか、その去就が注目されています。