パドレスが最多安打のアダム・フレイジャーを獲得

パドレスがパイレーツからアダム・フレイジャーを獲得 MLB
MLB.comより引用

パイレーツの二塁手であり、現在リーグ最多安打のアダム・フレイジャーが、有望株複数と交換でパドレスへと移籍することになりました。

フレイジャー移籍の可能性については、「今月トレードされそうなスター選手8選」でも解説していたのでご覧ください。

アダム・フレイジャー(29)

フレイジャーは今季突如大ブレイクを果たし、現在安打数でリーグトップにたっている二塁手です。

試合安打本塁打打点打率OPS盗塁
60857139204.283.76625
日本時間2021年7月26日時点での通算成績

彼は現在29歳ですが、ここにきて初めてブレイクした選手です。
これまで規定打席に到達しての最高打率は.278で、元々は打率.280 10本塁打というタイプの打者です。
三振は少なく、その分四球も選ばないため出塁能力もそれほど高くはありません。
ところが今季は弱小パイレーツにあって突然の大活躍。
4月に3割近い打率を残すと、5,6,7月と安定して3割以上の高打率を維持。
本塁打は少ないものの二塁打はよく出ていて、オールスターでは同僚のブライアン・レイノルズと共に先発メンバーに選ばれました。
現在打率はリーグ2位ですが、安打数はリーグ1位。
近代野球でシーズン中盤に最多安打を記録していた選手がトレードされたのは、1990年のウィリー・マギー、1957年のレッド・ショーンディエンスト以来3人目となりました。

試合打率本塁打打点出塁率OPS盗塁
98.324432.388.8365
日本時間7月26日時点での今季成績

トレードの内容

パドレスが獲得した選手:アダム・フレイジャー、金銭

パイレーツが獲得した選手:トゥクピタ・マルカーノ、マイケル・ミリアーノ、ジャック・スインスキ

パイレーツが獲得した選手のうち、ミリアーノとスインスキはプロスペクトランキングで30位以内に入っていないような選手ですが、マルカーノはパドレス5位のプロスペクトです。
マルカーノは21歳の二塁手で、今季既にメジャーデビューを果たしており、25試合に出場しています。
非力ではあるものの、将来像としては3割近い高打率を残せるであろうという、左打の二塁手ということも含めてフレイジャーと近いタイプです。
また、守備位置に関しては今季メジャーでは二塁、三塁、レフト、ライトを守っており、かなりユーティリティ性があります。

パドレスの思惑

今季開幕前はドジャースと優勝を争うと思われていたパドレスですが、一時は地区1位にたったものの現在は失速し、ジャイアンツ、ドジャースの優勝争いから一歩後退しています。
ワイルドカードでのプレーオフ出場の可能性はかなり高いものの、できれば地区優勝を狙いたいところ。
そこで今回はトレードデッドラインに大きなトレード補強を行うと見込まれていましたが、個人的にアダム・フレイジャーは全くの予想外でした。
なぜならパドレスには走攻守全てにおいて優秀なジェイク・クロネンワースがおり、二塁手は補強ポイントになっていなかったからです。
パドレス打線の弱点になっているのは、ライトを守るウィル・マイヤーズと一塁手のエリック・ホズマーです。
どちらも実績ある選手ですが今季は満足いく成績を残せておらず、今回は攻守ともに優秀なライトのジョーイ・ギャロを狙うと思われていました。
ところが、フレイジャーの獲得によってパドレスの考えがあまり読めなくなりました。

現時点の予想では、二塁手だったクロネンワースを一塁にコンバートし、二塁フレイジャー、一塁クロネンワースでいくのだろうと思われます。
今季のパドレス打線は左投手を苦手としており、左打者ながら左投手を苦にしていないフレイジャーは助けにはなると思いますが、それでもクロネンワースをわざわざコンバートするほどのことなのか。

トレード戦線はまだ動きます。
パドレスはさらに投手の獲得に動く可能性が高く、もしかしたらホズマーをトレードの駒にすることもあり得るのでしょうか。
しかしホズマーは2025年まで契約が残っているため、その場合は契約の大部分をパドレスが負担しなければならなくなりそうですが…

パイレーツの思惑

残り1年契約が残っていたフレイジャーをトレードで出したのは既定路線。
29歳のフレイジャーは、数年後を見据えているパイレーツにとっては将来的なロースターから外れる選手であり、最も売り時である今トレードに出すのが正解と言えます。
しかし、現在首位打者争いまでしている選手を放出して得たのがマルカーノで良かったのか、という点は気になります。
おそらくフレイジャーはあまりに今季が出来すぎという感が強く、それほどトレード市場では人気にならなかったのだろうと推察できますが、パイレーツに必要なのはやはり長打力のある選手か、エース級の素材だったのではないでしょうか。
まあそんな素材はどのチームも中々手放さないので仕方ないのですが。
今売れないよりはましということでしょうか。

コメント

  1. […] パドレスにとって最大の補強ポイントであった先発投手にシャーザー獲得を見込んでいましたが、ギリギリのところで同地区ドジャースに奪われた形になりました。パドレスのリリーフは非常に強力で、防御率はリーグ1位を誇る反面先発投手陣はリーグ中位とかなり格落ちです。本来ならエース級投手がずらりとなるはずだった先発ローテーションは怪我や不振によってあまり機能していません。ハドソン獲得は弱点の補強ではなく長所の強化となるわけですが、投手陣強化という意味では物足りなさを感じます。先日のアダム・フレイジャー獲得といい、やや後手に回っている印象があります。おそらくその理由は長期的なチーム作りを見据えているからでしょう。パドレスのプレラーGMは今後3年でワールドシリーズを獲りにいくと宣言しており、そのためにもドジャースのように割り切って球団最高の有望株を放出するような真似は避けたいと考えているはずです。そういったところでの有望株の出し渋りが、今回のシャーザーのトレード破談に繋がったのかもしれません。 […]

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