ダイヤモンドバックスの遅咲きルーキーであるタイラー・ギルバートが偉業を成し遂げました。
ダイヤモンドバックスは同地区パドレスに対して前日サヨナラ勝ちするなど好調。
3連勝したい中で左腕タイラー・ギルバートが先発登板しました。
ギルバートは2015年ドラフト6巡目全体174位の投手で、8月3日のジャイアンツ戦で初めてメジャーデビューを果たしました。
年齢は27歳と、遅いデビューでしたが、マイナーで着実に昇格し続けてようやくここまでたどり着いた投手です。
メジャー初登板で強力ジャイアンツ打線を1回無安打無失点2奪三振と完璧に抑えると、8月5日には自責点0で負け投手になってしまったものの、8月7日にはパドレス相手に敵地で2回無失点に抑えました。
そして満を持して初の先発登板となった今回のパドレス戦で、偉業を達成しました。
相手先発投手は今季4月にノーヒットノーランを達成したジョー・マスグローブでした。
主砲フェルナンド・タティスJr.を欠いているとはいえ、オールスター選手を多数擁するパドレス打線を相手に、ギルバートは打たせて取る投球でノーヒットノーラン。
9回無安打無失点5奪三振3四球でした。
投球数はわずか102球で、パドレス打者はバットには当たるものの打球はことごとく守備に阻まれました。
8回にはノラ、ホズマー、マイヤーズは全員が初球を打って凡退し、なんと3球で終わらせました。
また、この回のノラの打球はあわや本塁打という当たりでしたが、レフトのペラルタがジャンピングキャッチのファインプレーで新人ギルバートを救いました。
初先発でノーヒットノーランを記録するのはMLB史上4人目ということで、今季連敗記録を作るなど最弱のそしりを受けているダイヤモンドバックスファンにとっては、今季最高の出来事になったのではないでしょうか。
これで今季のMLBで達成されたノーヒットノーランは8度目。
これは近代野球(1990年以降)における1シーズンで達成された回数としては、これまでの7度を超えて最多となりました。
1990年以前を含めると、1884年の8度が最多ですから、MLB史上という観点でも今季は史上最多タイということになります。
4月9日にジョー・マスグローブが達成してから、5月までで6度達成されましたが、その後粘着物質の取り締まり強化が行われてからは、6月24日のカブス4投手によるノーヒットノーランが最後でした。
今回のギルバートの記録は、粘着物質取り締まり強化以降初めての単独投手による達成ということになります。