そろそろスプリングトレーニングも間近ということで、ゲームチェンジャーになり得るようなビッグネームはあらかたFA市場から姿を消しました。
まだトレードで勢力図が動く可能性はありますが、ほとんどのチームは今季の戦力が固まったとみていいでしょう。
そこで今回は”30球団投打のキープレイヤーたち”と題し、2023年シーズンを迎える上で特に重要性が高いと私が考える投手と野手をそれぞれ紹介してきます。
*紹介している年齢は2023年開幕時点のもの
*本記事中で紹介しているプロスペクトランキングはMLB Pipelineによるもの
AL東地区
New York Yankees
ルイス・セベリーノ(29)
カタログスペックだけならメジャー最強のローテーションと言ってもいいヤンキースですがなにより怖いのが故障。中でも「故障さえなければ…」の代表格とも言えるセベリーノは、とにかく1年を通して投げられるかどうか。
既にモンタスが故障のため開幕時にはいないことが確定しており、コール、ロドン、セベリーノの三本柱だけは長期離脱のないようにしたいところ。
オズワルド・カブレラ(24)
昨季デビューしたカブレラはマイナーではほとんど内野しか経験していなかったにも関わらずメジャー昇格後主に外野+内野のユーティリティという起用法。しかし、マイナーでも3試合しか経験のなかったRFでDRS+9を叩き出すなど守備の良さが大いに光りました。
昨季はわずか44試合の出場でRF, LF, SS, 1B, 2B, 3Bの6つのポジションを守ったユーティリティ性もさることながら、6HRを放つなど打撃面でもポテンシャルの高さを見せています。
ヤンキースはLFの補強に苦労しており、現状の戦力であればカブレラがその座に収まる可能性もあります。レギュラー定着ならずとも故障者が出れば必ず出番が来る立ち位置にいるため、彼が予想外の活躍をみせればチームの底上げにつながるでしょう。右の強打者が多いヤンキースのラインナップにおいては彼が両打ちであることも魅力的です。
Toronto Blue Jays
ホセ・ベリオス(28)
昨季ブルージェイズの期待を大きく裏切った投手は2人おり、1人はベリオス、もう1人は菊池です。しかし、7年$131Mという高額契約を結んだばかりだったベリオスへの失望感が菊池より大きかったのは言うまでもありません。
球速は例年通り出ていた4シームのパフォーマンスが悪化し、K/9とHR/9が大きく低下したのが成績不振の原因と思われます。もしもベリオスが復活できなければブルージェイズは大きな負債を抱えることになります。
ドールトン・バーショウ(26)
今オフ期待の若手捕手モレノを放出してまで獲得したのが昨季ブレイクしたバーショウ。
大きな対価を払ったのだから活躍してもらわなければ困るのと同時に、彼はブルージェイズ打線における数少ない左打者。元々右の強打者偏重の打線が課題でしたが、バーショウ、ベルト、キアマイヤーの加入により若干バランスが改善されました。
彼にとって追い風になりそうなのは本拠地ロジャース・センターの改修。元々打者有利な球場でしたが改修により狭くなるため本塁打増が期待できます。
Tampa Bay Rays
タイラー・グラスノウ(29)
TJ手術から昨季終盤に復帰し、まだ万全の状態ではない中ポストシーズンでは5回無失点の好投をみせました。
グラスノウとは2024年まで契約を残していますが、2024年は$25Mと一気に年俸が上がります。今オフトレード候補として少し話題に上がったように、チーム状況次第では放出することも考慮しなければなりません。怪我がなければマクラナハンとのデュオはリーグ屈指でしょう。
ワンダー・フランコ(22)
昨ポストシーズンのワイルドカードシリーズでレイズは24回で1得点しか奪えずに敗退。レギュラーシーズンでは主力打者ロウの不振、長期離脱も響いて得点が全体21位と落ち込みました。
チーム全体の得点力の底上げというのは誰か一人でなんとかなるものではありませんが、11年$182Mという巨額契約を結んでいるフランコのブレイクには期待したいところ。
デビューした2021年はセンセーショナルな活躍でしたが、昨季は離脱もあって期待したほどのパフォーマンスは見られず。特に長打力の面でもう一段ステップを上がってほしいのですが、並のプロスペクトならまだマイナーにいてもおかしくない年齢だけに期待しすぎも禁物でしょうか。Steamerによると.286/.348/.453, 16HRと長打力がやや開花の予想。
Baltimor Orioles
グレイソン・ロドリゲス(23)
昨季あわやポルトシーズン進出かという快進撃をみせたオリオールズに足りないのは言うまでもなく投手力。中でも先発陣は防御率が全体21位とふるわず、唯一規定投球回に到達したライルズはオフにFAとなりロイヤルズへ移籍しました。
先発ローテーションのグレードアップがポストシーズンを目指す上で必須なのは間違いなく、今オフはFAでギブソン、トレードでアービンを獲得するなど精力的に補強を進めていますが、彼らは軸となるエース級とまでは言えません。
そんなオリオールズにあって次世代のエースと目されるロドリゲスが台頭することは、今季のみならず来季以降を見据える上でも最重要ポイント。順調に行けばデビューするはずだった昨季はシーズン途中に故障で長期離脱。今季開幕からデビューするかどうかは不明ですが、うまくいけば後述のヘンダーソンと新人王投票ワンツーフィニッシュもあり得るかもしれません。
ガナー・ヘンダーソン(21)
全体1位プロスペクトのヘンダーソンは昨季デビューから約1ヶ月でfWAR0.8を稼ぐなどメジャーに完全にフィット。もし彼が新人王になればPPIプログラムにより2024年のドラフト指名権をオリオールズにもたらす可能性もあります。
Steamerの成績予想では.254/.344/.442, 21HR, 10SBとなっていますが、現実ではもう一段上の成績を期待したいところ。
Boston Red Sox
クリス・セール(34)
今のレッドソックスにはエースと呼べる投手がいませんが、最もそうなる可能性が高いのは故障明けのセールでしょう。
レッドソックス移籍後は毎年仕事量が減っていき、直近2年間合計でわずか11登板。故障歴と年齢を考えても今季いきなり規定投球回到達は難しいでしょうが、せめて140回くらいは投げてほしいところ。契約はオプションを抜きにしてもあと2年残っています。
吉田正尚(29)
今オフのレッドソックス編成が批判された大きな要因の一つが吉田獲得ですが、結果は蓋を開けてみるまではわかりません。
ファンが期待するのは移籍してしまったボガーツに近いレベルの打撃。日本でのパフォーマンスを見る限り守備には期待できないと思われるので、とにかく打つしかありません。Steamerの成績予想は.298/.388/.479, 18HRという非常に好意的なもので、本当にこれくらい打つことができれば外野を黙らせることができるでしょう。
AL中地区
Cleveland Guardians
ジェームズ・カリンチャック(27)
先発ローテーションが粒ぞろいでクラッセという絶対的なクローザーも擁するガーディアンズ投手陣は大きな弱点はありませんが、セットアップを務めるカリンチャックの安定感はやや気になるところ。
昨季は好投を見せてくれましたが2021年には被弾が極端に増えるなど内容が悪化。
元々奪三振も四球も多く安定感のあるタイプとは言い難いのですが、プレーオフを勝ち上がるためにももう少し四球を減らして欲しい。
オスカー・ゴンザレス(25)
ハイレベルな投手陣の反面破壊力に欠けるのがガーディアンズ打線。昨季はHR数MLB29位とワースト級の長打力が課題です。
特に気になるのは外野で、予想される布陣のクワン、ストロー、ゴンザレスの中で二桁HRが期待できそうなのはゴンザレスくらい。
ゴンザレスは昨季はOPS.789という一年目としては優秀な打撃力に加えポストシーズンで2本のサヨナラ打を放つなどチームに欠かせない戦力になっていました。
BB%が3.9%と低かったことなどまだまだ粗さはあるものの、彼にはレイエスの後釜のような打者になって欲しいですね。
Chicago White Sox
ケンドール・グレイブマン(32)
今オフのホワイトソックス投手事情は苦しい状況に追い込まれています。
先発ローテの補強として獲得したクレビンジャーは投げる前にDV規定違反の疑いで今後どうなるか不透明、絶対的クローザーだったヘンドリクスはガンを公表し治療を開始しました。
ヘンドリクスが全快し復帰することを祈るばかりですが、今季は彼抜きのブルペンを考えなければなりません。
とりあえず代役と考えられるのはグレイブマンで、その他の候補はロペス、ケリーあたりでしょうか。
グレイブマンがコケて色んなクローザーを試すような状況だけは避けたいものです。
ヨアン・モンカダ(27)
2019年のモンカダは素晴らしかった。この年彼は打率.315を記録しましたがBABIP.406と相当運に恵まれていたことがわかります。やはり出来すぎの年だったわけです。
しかし、それにしても最近の成績下降には目を覆いたくなるものがあります。2021年にはレギュラーとしては十分なパフォーマンスを見せていましたが昨季はwRC+76と酷いもので、9月に1試合5安打を記録したのが唯一のハイライトでした。
アブレイユを失ったホワイトソックス打線にとって最大の補強はモンカダの復調です。
Minnesota Twins
パブロ・ロペス(27)
首位打者のアラエスを放出してまで獲得したわけですから、ロペスに期待されるのは単なるローテ投手としての役割だけではありません。投球内容としては2021年と同等程度のパフォーマンスを求めたいところ。Steamerでは171.0回、防御率3.77と予想されていますがこれだと少し物足りません。
FAまでは残り2年ですが、今季の投球次第では早めの契約延長も視野に入ってくるかもしれません。
バイロン・バクストン(29)
思わぬ形でコレアとの再契約に成功し、打線のグレードを維持できているツインズ。コレアとデュオを組むバクストンは毎年のように長期離脱している怪我の代名詞のような選手ですが、試合に出ることさえできれば攻守ともに浪漫あふれるパフォーマンスを見せてくれます。
直近2年間の成績を合計すると153試合で.257/.327/.576, 47HRという爆発的な数字。キャリアを通じて100試合以上出場したのが1年しかないバクストンが150試合に出場したらというIFにはもちろん大きな意味はないのですが、今季のツインズは彼がより打撃に集中できそうな環境が整っています。
同地区ロイヤルズからトレードで獲得したテイラーはバクストンと同等以上の守備力を誇る名手であり、これまでCF守備でも頼り切りだったバクストンの守備負担は大きく改善されるはず。ツインズにとってはどんなスターを獲得するよりも彼が年間通して試合に出続けることこそが最大の補強であり、テイラー獲得は単なる成績以上の相乗効果をもたらすかもしれません。
Detroit Tigers
マット・マニング(25)
昨年TJ手術をしたマイズが全休濃厚の中、タイガースの先発ローテーションの中で最もポテンシャルが高く若いのがマニング。
ブレイクできるかどうかはマイナーでは優秀だったK/9がメジャーでも発揮できるか。Steamerの予想では今季のK/9は6.67と変わらず低水準ですが、そろそろブレイクしてほしいところ。
スペンサー・トーケルソン(23)
昨季のタイガースの最大の問題点は得点力。得点数、HR数がMLB最下位に沈むなど打撃力の低さが顕著でした。その要因はバエズの不振など数多くあれど、そのうちの一つは開幕前大きく期待されていたトーケルソンが主砲どころか二桁HRすら打てなかったことでしょう。
新人に過度な期待をかけるのは禁物とは言え、昨季は稀に見る新人当たり年だっただけに彼の不振はタイガースにとって痛かった。特に長打力不足にあえぐ打線の改善にはトーケルソンの活躍が必須です、
Kansas City Royals
ダニエル・リンチ(26)
グレインキーの残留が決まりましたが彼はもういつ引退してもおかしくない選手。再建状態のチーム状況を考えればグレインキー、ライルズ、ヤーブローのようなベテランが繋いでいる間に若手投手が台頭してきて欲しいところ。
昨季はシンガーがエースとして独り立ちする可能性を見せてくれましたが、その他の若手先発投手にブレイクの兆しが見えません。
マイナーでは今季あたりメジャー昇格を目指しているはずだったレイシーが大不振に陥るなどプロスペクトにもあまり期待できないため、ロイヤルズ先発投手陣の未来はあまり明るくありません。
その中にあって既に26歳ではありますが今季は規定投球回も狙えそうなリンチに期待したいと思います。
昨季は防御率5.13で13敗を喫するなど散々でしたが、投球内容は1年目と比較して向上が見られました。Steamerでは防御率4.69という予想ですが、もしかしたらそれ以上の成績を残せるのではないでしょうか。
ヴィニー・パスクアンティーノ(25)
昨季のロイヤルズはウィットJr.を筆頭に若手野手が大量にデビュー。今オフのトレードなどもあって今季予想されるレギュラーのうち半分以上が昨季デビュー組という状況です。
この中で最もハイシーリングな選手はもちろんウィットJr.ですが、打撃だけなら彼を凌ぐポテンシャルを秘めているのがパスクアンティーノです。
昨季AAA/メジャー合わせて145試合で28HRを記録したパワーも魅力ですが、最も素晴らしいのはメジャーでBB/K1.03という驚異的な数字を記録したこと。昨季規定打席到達した中でBB/Kが1.00を超えた選手はソト、ディアス、アラエス、ブレグマン、カーク、クワンの6人しかおらず、パスクアンティーノはマイナーでも同等の数字を出していたことからマグレでもありません、
ここまで高水準の選球眼を持ち合わせている選手は稀で、そこにシーズン20HRを期待できる長打力もついてくるとなれば期待せざるを得ません。
AL西地区
Houston Astros
クリスチャン・ハビアー(26)
ハビアーは昨季は規定投球回にこそ届いていませんが、25試合に先発し3失点以上したのはわずか6試合と抜群の安定感を見せていました。
ワールドシリーズの大舞台で6回ノーヒットの完璧なパフォーマンスを披露したことは記憶に新しく、彼がバーランダーに代わる新たなアストロズのエースになってもおかしくありません。
課題は制球を安定させもう少し長いイニングを投げられるようになることです。
カイル・タッカー(26)
私は2022年シーズンMVP候補にタッカーを推していたのですが、ブレイクしMVP候補になったのは同僚のアルバレスの方でした。
思ったほどの数字は出せなかったとはいえ、30HR&25SBを記録した上にRFでの守備はDRS+14を記録するなど走攻守全てで活躍。総合力ではアルバレス以上のポテンシャルを秘めた選手なのは間違いありません。
私は引き続き彼がALのMVP候補になると推しておきます。
Steamerの予想では33HR/OPS.880というMVPにはちょっと微妙な打撃成績。30HR/30SB/OPS.900狙えると思いますけどね。
Seattle Mariners
アンドレス・ムニョス(24)
ヘルナンデス獲得の際にトレードでスワンソンを放出。昨季57試合投げ防御率1.68と驚異的なスタッツを残した右腕を失った影響は小さくありません。
マリナーズのブルペンにおいてもう一人のセットアップであったムニョスにかかる負担が増すことは想像に難くありません。
昨季のパフォーマンスを見る限りムニョスはリーグ最高のリリーバーになるポテンシャルを秘めており、シーウォルドら他の投手次第ではシーズン終了時にはムニョスがクローザーの座に収まっている可能性もあります。
ジャレッド・ケルニック(23)
マリナーズはレイノルズ獲得を狙わずにケルニックに再度チャンスを与える編成を行いました。
メジャーでは打率2割満たずもAAAでは相変わらず素晴らしい打撃を披露しており、期待されるだけのポテンシャルがあることは証明しています。
現時点ではまだその将来性に期待する意味合いでトレード価値もありますが、今季もメジャーで結果を残せなければかなり厳しい状況になるでしょう。
マリナーズにとってはケルニックのブレイクこそが最大の補強です。
Los Angeles Angels
カルロス・エステベス(30)
デビューした2016年からこれまでロッキーズのブルペンで投げ続けてきましたが今回キャリア初の”下山”。
キャリア通算防御率はホームが5.57、アウェイが3.51という点からもわかる通り、投手に不利なクアーズ・フィールドから離れることで全体的な成績の向上が見込めます。
エンジェルスは先発投手陣が整備されつつあるため、最大の課題はやはりブルペン。クローザーをエステベスで固定することができるかがプレーオフ進出のためのカギを握ります。
アンソニー・レンドン(32)
日本では投手、特にブルペン崩壊のイメージがあるかもしれないエンジェルスですが、実は最大の問題は打撃力。昨季はHRはそれなりに出ていたものの得点力はMLB25位で、投手陣を見殺しにするシーンもよく見られました。
その得点力不振の原因の一端がレンドンにあるのは間違いないでしょう。7年$245Mという巨額契約で加入しながら直近2年は故障による長期離脱が絶えません。出場時のパフォーマンスも良くなく、既に不良債権化しつつある彼の復調が必要不可欠です。
Texas Rangers
ジェイコブ・デグローム(34)
昨季先発防御率がMLB25位だったレンジャーズは今オフも大型補強を敢行しデグローム、イオバルディ、ヒーニーらを獲得。全員に共通する不安点は故障による長期離脱で、特に離脱が順位にまで影響しそうなのがデグローム。
その投球内容が現役最高峰なのは誰もが認めるところですが、直近2年間で先発登板したのは26試合と故障離脱が多くなってきています。とにかく言えることは一つ。1年投げきって欲しい。
ジョシュ・ヤン(25)
レンジャーズは弱点である投手補強は精力的に行ったものの、野手に関しては現有戦力を維持する流れ。手薄な外野補強のためレイノルズ獲得の噂がありましたが現時点ではまだ実現していません。レイノルズ獲得の可否に関わらず、チームが避けたいのは補強の繰り返しによる極端な高齢化。
昨季は1Bのロウがブレイクを果たしましたが年齢的にはもう27歳で、できればもう少し若く軸となる選手が出てきて欲しいところ。
現有戦力で今季レギュラー定着が確実視されているヤンがメジャーレベルにしっかり適応できるかどうかはレンジャーズの将来設計にも影響します。昨季デビューしたヤンは26試合で5HRを放ちパワーは期待通りのものを見せてくれました。Steamerでは今季122試合で20HRが予想されていますが、実際のところはそれだけの試合数の出場できるのか?というのも気になるポイント。マイナーでも故障離脱が多かっただけに、規定打席到達&20HRというのが今季の目標となりそうです。
Oakland Athletics
藤浪晋太郎(28)
アスレチックスの先発ローテーションは相次ぐトレードによりプレーオフに進出した2年前から一変。そんな中今オフはアジアから藤浪とルチンスキーを補強。2年目がオプションのルチンスキーと異なり、藤浪はポスティングでありながら1年契約にとどまりました。
チームは絶賛再建期ということもあって、もし活躍するようならシーズン途中のトレードもあり得るでしょう。見返りにいいプロスペクトをとるためにも是非活躍してもらいたいところですが、FanGraphsのDepth Chartは防御率5.13という厳しい予想。
シェイ・ランゲリアーズ(25)
扇の要マーフィーを放出したことで正捕手の座に収まったランゲリアーズは、特に打撃面において今後の再建の軸になる予定。
昨季メジャーでは粗削りではあったものの長打力は本物で、捕手+DHの出場で20HRを期待したいところ。
NL東地区
Atlanta Braves
マイク・ソロカ(25)
フリード、ストライダー、ライト、モートンと優秀な投手が揃うブレーブスの先発ローテは大きな強みになっていますが、そこには更なる伸びしろがあります。アンダーソンの復調やエルダーのブレイクも期待したいところですが、やはり一番大きいのはソロカの復活。
2019年に若くして素晴らしい活躍を見せたソロカは2020年の開幕投手を務めましたがシーズン途中アキレス腱断裂の重症を負い、そこから公式戦に姿を見せるまで2年の歳月を要しました。
昨季はメジャー復帰こそならなかったもののマイナーで6試合に登板。怪我明けでフル回転というわけにはいかないでしょうが、幸いブレーブスはソロカが無理をする必要のない程タレント揃いです。
今季はまずメジャーでの復帰登板を経験し、シーズン終盤にはチームの重要な戦力になるレベルまで戻したいところ。2021年のワールドシリーズ優勝を経験することができなかった彼は燃えているはずです。
ボーン・グリッソム(22)
ワールドシリーズ優勝メンバーのスワンソンがFAでカブスへ移籍しましたが、現状カブスは内野手の補強を行っておらず、スワンソンの後釜として昨季デビューしたグリッソムがSSのレギュラーに定着する見込み。
グリッソムは昨季は主に2B起用だったためメジャーでSSでの守備がどの程度のものなのかは未知数ですが、そもそもSSが本職の選手。
スワンソン程の守備力をいきなり期待するのは酷ですが、ブレーブスが狙いたいのはコレア移籍後にペーニャが定着したアストロズの再現でしょう。
New York Mets
千賀滉大(30)
大金を投じ今オフの主役となったメッツですが、投手に対して長期契約をオファーしたのは千賀とディアスだけ。既にメジャーのベストクローザーの一人と呼ばれるだけの実績を積み上げたディアスはともかく、千賀に5年契約を出したのはそれだけ期待値が高いということでしょう。
とはいえ千賀にはフィジカル検査はパスしたものの肩肘の不安があり相場より安い総額になったという報道もあり、まずはシーズン通して健康を維持するのが最大の課題になります。
Steamerの予想は156.0回、防御率3.73、178奪三振となっており、これくらいできれば一年目は上出来と言えるでしょう。
フランシスコ・アルバレス(21)
紆余曲折ありコレアとの契約が成立しなかったもののそれが問題にならないくらい充実したラインナップを誇るメッツ。
補強を繰り返しながらもベイティ、アルバレスといったトッププロスペクトは保持しており、特にプロスペクトランキングで全体3位にランクインしたアルバレスは捕手やDHでチャンスを与えられるものと思われます。
コンテンダーとしてしっかり補強しているメッツにとってアルバレスら若手の台頭は必ずしも必要なものではありませんが、捕手はナルバエスやニードも絶対的な存在とは言えないだけにアルバレスが活躍すれば大きなプラスアルファになります。
メジャーで育成する余裕はないだけに全く打てないようだと今季の大半をマイナーで過ごす羽目になる可能性もあり、メッツの長期的な編成プランにも影響が出そうです。
Philadelphia Phillies
ニック・カステヤノス(31)
強力打者が居並ぶフィリーズ打線にあって5年$100Mで加入したカスヤノスの一年目は期待はずれに終わり、昨季のfWAR-0.7はキャリアワーストの出来でした。
ポストシーズンでは打てない代わりに何度か好守備を見せたものの彼に対する批判は多く、一部のフィリーズファンの彼の家族に対する振る舞いに対して彼の妻がSNSで激怒する場面も。
契約は残り4年あるため、今季こそ面目躍如の1年としたいところ。
クレイグ・キンブレル(28)
フィリーズにはドミンゲス、アルバラード、ソト、キンブレルの4人のクローザー候補がおり、トムソン監督も現時点では複数オプションを考慮したい考えを見せています。
しかし、昨季は11人の投手にセーブがつくなどクローザーを固定できない状態はあまり思わしくないもの。上記4人の候補の中で最もクローザー経験豊富なのはキンブレルですが、昨季は球速、奪三振力も低下し信用に欠ける場面も見られました。
フィリーズはキンブレルを1年契約とはいえ$10Mという高額で獲得しており、できることなら彼が1年を通してクローザーとして活躍してくれることを望んでいるはず。彼がコケても替えはきくだけの戦力を用意していますが、2018年のワールドシリーズ制覇を経験した投手でもあるだけに、彼がポストシーズンでも不動のクローザーとして働くシナリオがベストです。
Miami Marlins
マット・バーンズ(32)
先発投手陣はロペスを失ってもなお若きタレント揃いで問題ないでしょう。しかし昨季防御率がMLB22位だったブルペンは改善の余地がありそうです。
昨季のチームで最高の成績を残したバスはブルージェイズへと移籍しブルペンの力が落ちた中、レッドソックスからDFAとなりトレードで移籍してきたバーンズには期待したいところ。
昨季は明らかに投球内容が悪化しており、レッドソックスが年俸の一部を負担する形でのトレード。2024年は球団オプションもついているため、チームがプレーオフを狙えるならキープするも良し、苦しい状況なら売るも良しと、復活してくれれば色んな選択肢をもたらします。
ジャズ・チザムJr.(25)
故障もあってフルシーズンでの成績だけならまだ飛びぬけた域には到達していないものの、存在感は既にスーパースターのそれ。
そんなチザムはチーム事情もあり、今季は志願してCFへとコンバートされます。
マーリンズはレイノルズ獲得も狙っていましたが対価が重く、チザムがCFへと移ってくれることで空いた2Bにはトレードで獲得してきた首位打者のアラエスをいれるというやり方で打線のアップグレードに成功しました。
CFは守備の重要性が高いポジションだけに、これまでキャリアで一度も外野を守ったことのない彼がどこまでやれるのかは未知数。しかし高い打撃・走塁能力を持つだけに、平均程度の守備力を発揮することができれば一躍リーグ屈指のCFに名乗りを上げることになるでしょう。
今年はMLB The Show 23のカバーアスリートにも選ばれ、名実ともにスターダムを駆け上がります。
Washington Nationals
マッケンジー・ゴア(24)
昨季途中ソトをも放出して文字通りの完全解体に至ったナショナルズが目指すべきはとにかく若手の育成。グレイ、ゴア、カバーリというデビュー済の若手投手3人が今後のローテーションの軸となります。
ソトのトレードでナショナルズにやってきたゴアは故障のため移籍後はまだ一度も登板していませんが、昨季前半はポテンシャルの高さをみせていました。
チームは再建期ということでまず今季の目標はカバーリとともに1年ローテーションを守ることになりそうです。
CJ・エイブラムス(22)
ナショナルズは昨年のトレードとドラフトによりハッセル、ウッド、グリーン、バケロと外野のトッププロスペクトが充実してきましたが内野が手薄な状態。そのため現有戦力ではエイブラムス、ガルシアの二遊間の育成が目標になりそうです。
しかしエイブラムスはメジャー昇格後はまだまだ打撃に苦しんでおり、ナショナルズ移籍後は打率こそ向上させましたがBB%が0.6%というとんでもない低さ。パワーのないリードオフタイプだけにせめて出塁率は向上させたいところ。
NL中地区
St. Louis Cardinals
ジャック・フラハティ(27)
フラハティは2019年にエース級の活躍をみせたものの、翌年以降は故障なども多く満足いくパフォーマンスが出来ているとは言い難い状況。
チームはフラハティ不在でもプレーオフを狙える戦力を擁しているものの、直近3年間は全てワイルドカードシリーズで敗退しているだけに、エースとなり得る彼の復活がカギを握ります。
ウィルソン・コントレラス(30)
カージナルスは史上最高の守備型捕手の一人であるモリーナが昨季限りで引退。つまり、彼がデビューした2004年以来初めてモリーナのいないシーズンを過ごすことになります。
現役屈指の強打の捕手であるコントレラスが加入したことで、数字上はモリーナからむしろグレードアップに成功していますが、クラブハウス内での影響力という意味ではまた異なります。
偉大な捕手の後釜としてやってきたコントレラスがどのように存在感を発揮するのかが楽しみなポイントです。
Milwaukee Brewers
フレディ・ペラルタ(26)
非常に高い奪三振力を持ちながらも毎年故障離脱が絶えないペラルタ。バーンズ、ウッドラフとの三本柱はメジャー屈指のものであるだけに、とにかくペラルタの目標は故障しないこと。
結局未だに規定投球回到達は一度もありませんが、180回ほど投げることができれば悠々奪三振のタイトルを獲得するくらいのポテンシャルはあります。
ケストン・ヒウラ(26)
本当ならイエリッチのMVP級の復活に期待!と言いたいところなのですが、ここ2年を限りを見る限りもうあの頃のパフォーマンスを戻すことは難しいのかなと感じています。
ブルワーズは昨季29HRを放ったレンフローの穴を埋めるべくコントレラス、ウィンカーらを獲得していますが、これに加えて期待したいのはヒウラのブレイク。
センセーショナルな打撃を見せたデビューイヤーから一転してこれまでの3年間の打撃成績は物足りないものですがフルシーズン使えば25-30本が期待できるパワーの持ち主ではあります。ただ年々K%が悪化しているのは気になる点で、アプローチの改善が求められます。
Chicago Cubs
ジャスティン・スティール(27)
昨季は終盤の故障により2年目のシーズンを全うすることができませんでしたが、スティールのパフォーマンスは予想外に素晴らしいものでした。
カブスはオフにタイオンを獲得し、今季はストローマン、タイオン、スティールが三本柱になるでしょう。スティールが昨季の活躍はまぐれではないと証明し三本柱が機能すれば、カブスのポストシーズン進出もあり得るかもしれません。
コディ・ベリンジャー(27)
今オフはスワンソン、ホズマー、マンシーニ、バーンハートら積極的な野手の補強を行ったカブスですが、中でも最もギャンブル性が高かったのがベリンジャー獲得。
1年契約ながら$17.5Mという昨今のパフォーマンスからは割高とも思える契約を出してまで彼を獲得した理由は、やはりバウンスバックに期待してということでしょう。
代理人のボラスは彼の復活に自信を持っており、複数年オファーがあったにも関わらず1年契約を選択。まだ27歳と比較的若い彼はここで好成績を取り戻して大型契約を狙いにいくつもりです。
Cincinnati Reds
ハンター・グリーン(23)
再建期のレッズが今後確立していきたい若手投手の柱はグリーンとロドロの二人。
昨季ある程度安定した活躍を見せたロドロに対してポテンシャルは高いもののまだまだ粗削りな印象があるグリーンですが、後半戦のパフォーマンスは35.1回で防御率1.02、FIP1.70という極めてハイレベルなものでした。
もちろん短期的なパフォーマンスに過ぎないわけですが、100mph台を連発したことも含めてとてつもないロマンを感じますよね。私は彼が数年以内にサイ・ヤング賞を獲得するのではないかとワクワクしています。
エリー・デラクルーズ(21)
プロスペクトランキングトップ100で10位にランクインするなど評価を上げ続けているデラクルーズですが、順調なら今季デビューが見られるはず。それがシーズン中盤か終盤になるかはわかりませんが、身長196cmでハイレベルな5ツールプレイヤーという規格外のポテンシャルを秘めたこの21歳がフリオのように世間を騒がせる存在になる可能性は十分にあると思っています。
Pittsburgh Pirates
ロアンジー・コントレラス(23)
野手はスター候補が出てきている中で若手先発投手の育成に苦労しているパイレーツ。数年後に勝負に打って出るにはこのあたりで軸となる若手投手に台頭してきて欲しいところ。
現状最もエースになる可能性が高そうなのがコントレラスで、今季は彼のフルシーズン通しての活躍に期待です。
アンドリュー・マカッチェン(36)
再建の真っ最中であるパイレーツでは本来1年契約のベテランに注目が集まることはないのですが、マカッチェンとなると話は別。長きに渡りチームを支えたフランチャイズプレイヤーが2018年以来の帰還を果たすということでピッツバーグは沸き立っています。
マカッチェンはオーナーに「ピッツバーグに戻りキャリアを終えたい」と連絡するなど、ここからは彼の引退までの花道になります。まだ現役でやれる実力はあるだけに今季がラストイヤーになるかどうかはわかりませんが、彼の存在がパイレーツにもたらす影響は小さくないはず。
NL西地区
Los Angeles Dodgers
ノア・シンダーガード(30)
昨季防御率全体1位の先発ローテーションを誇ったドジャースですが、カーショウ、ウリアスら既存のスター投手の他にアンダーソン、ヒーニーら1年契約で拾ってきた投手が思いの他活躍したのが大きな要因になりました。
今季の1年契約枠はシンダーガード。
全盛期はリーグ屈指の剛腕でしたが、故障から復帰してフルシーズン1年目となった昨季は奪三振率が大幅に悪化し、球速も3mph以上低下。それでもある程度計算できる投手ではありますが、ドジャースが再び改造に成功して彼をリーグ有数の先発へと変貌させることができるのか注目です。
ジェームズ・アウトマン(25)
ベリンジャーが抜けたCFを誰が守るのか。昨季ドジャース移籍後に特に打撃で活躍したトンプソンが第一候補ではありますが彼は開幕時32歳と年齢的にはベテランの域に入っており、これまでの実績を考えても1年通して昨季と同等のパフォーマンスを発揮することは難しいでしょう。
しかしそこはプロスペクト豊富なドジャースのこと。外野には昨季デビューしたアウトマンが控えています。
走攻守全てにおいて評価の高いアウトマンは25歳とプロスペクトとしては若くありませんが、CFの守備を任せるのにも申し分なく、最終的には彼がレギュラーとして定着するのではないでしょうか。
ここ2年のベリンジャーを超える打撃成績を残す可能性は高く、fWAR2.5-3.5程度の活躍を期待していいかもしれません。
San Diego Padres
エイドリアン・モレホン(24)
今季に全てを賭けたと言っても過言ではないパドレスですが、最も大きな不安があるのは先発4番手以降の投手。
昨季のポストシーズンでは4番手投手のクオリティに苦しんだ印象があり、ここはある程度の補強があるかと思われていましたが、今季の4, 5番手候補としてチームが用意したのは再契約のマルティネスとFAで獲得したルーゴ。彼らはともに30代のベテランであり、元々先発候補として獲得したマルティネスはともかく、ルーゴは直近2年間完全にリリーフ専門でした。この2人はまず先発として試すことを確約しており、先発としてのパフォーマンスが思わしくなければブルペンに回ってもらうことになります。彼らがともに先発として成功すればチームとしてはこの上ないのですが、実際のところそううまくいく可能性は低いですし、スネルなど例年通りの離脱も想定しておかなければなりません。
そうなってくると重要になってくるのがパドレスで数少ない若手投手のモレホンです。
昨季のトレードデッドラインでソトらと引き換えにゴア含む多数のプロスペクトを放出した中で残った唯一のハイシーリングな投手がモレホンですが、TJ手術明けの昨季は全てリリーフとしての登板で防御率4.24の数字に終わりました。
FIPは3.94とそこまで悪かったわけではありませんし、そもそもTJ手術からの復帰1年目なので投げられただけ良しとしなければならないのかもしれません。しかし、彼のポテンシャルの高さとパドレスの高齢化事情を考えると彼の成長は必要不可欠。今のパドレスにはモレホンに続く投手のトッププロスペクトがレスコ、スネリング、メイザー、リザラーガらデビューに3, 4年はかかりそうな選手しかいません。
Steamerによる今季の成績予測は、95.0回で防御率3.77、51登板中10先発と比較的好意的なものになっています。実はモレホンはこれまで66.0回しか投げていないにも関わらず既にサービスタイムは3年を超えており、このオフも年俸調停権を有していました。パドレスが彼を保有できる期間は今季含め3年間しかないものの、FA市場での好投手の価値が高騰している現状を考えると、モレホンが結果を出して早めに契約延長する流れに持っていきたいところです。
ザンダー・ボガーツ(30)
今季はMVPの最有力候補とも目されるソト、出場停止と故障明けからの復活が注目のタティスなど気になる野手は多数いるパドレスですが、やはり一番気になるのがボガーツはどこまでやれるのか?というところです。
これまでボストンのフランチャイズプレイヤーとして輝かしい実績を残してきてはいますが、他球団でプレーするのは初めてで、しかも30歳からの11年という非常にリスキーな契約を交わしました。
ボガーツに関して気になるポイントの一つがBarrel%の低下。近年9%前後を維持してきたBarrel%が2022年には6.5%に低下し、その影響か本塁打数が15本にとどまりました。これを一時的なものと捉えるべきか衰えと考えるべきなのかはまだわかりませんが、Steamerでは.266/.343/.426という厳しい予想がされています。11年契約の1年目からいきなり成績を大きく落とすようだと今季だけでなく今後10年間の先行きが不安になるため、ここは不安説を払拭するためボストン時代と同等の成績を残してもらいたいところ。
また、もう一つ気になるのが守備面。これまで守備力の低いSSとして認知されてきたボガーツは、定着した2014年から2021年まで常にDRSでマイナスを出してきましたが2022年に初めてプラスに転じました。タティスをOFに、キムを2Bに押しのけてまで彼をSSに据えるわけですから、2022年の守備がまぐれではないと証明してもらわなければなりません。マチャドの残留がかなわない場合は3B転向も視野に入りますが、今季に関しては彼がフルタイムSSとして守備につくはずです。
San Francisco Giants
テイラー・ロジャース(32)
昨季序盤にパドレスで絶対的守護神たる活躍を見せていたものの中盤には凋落。キャリアワーストの乱調ぶりでしたがジャイアンツは3年$33Mをオファーしました。
ロドンを失ったジャイアンツはロジャース以外にもマナイアとストリップリングを獲得しましたが、彼らはともに2年$25Mのオプトアウト付きという契約で、最短1年で出ていく可能性もあります。それに対してオプションもオプトアウトもないロジャースは1年目からコケてしまうと3年間の不良債権化は避けられません。
昨季は三振や空振りはとれていたものの後半に入ってからの四球及び被弾増加が問題でした。昨季前半は出来すぎでしたが、実績ある投手だけに復活の可能性は低くありません。
マイケル・コンフォルト(30)
ジャッジの獲得に失敗し、その後コレアとも破談した後に獲得したコンフォルト。
それほど成績が良くなかった2021年オフにFAになりましたがクオリファイングオファーの対象選手だったことも影響して獲得球団が現れずに1年浪人するような形になりました。
その間に問題になっていた右肩の手術を受け、今オフ満を持してFA市場に登場しジャイアンツから2年$36Mのオプトアウト付きという好条件を引き出すことに成功。
1年以上公式戦から離れていたためどの程度出来るのか未知数ですが、もしも2017-20年頃の打撃力を取り戻せるのならスター野手獲得失敗のダメージもそれほど大きくはならないでしょう。
ジャイアンツはシーズン30HRを記録した選手が2004年のボンズ以来おらず、コンフォルトには19年ぶりの30HRへの期待もかかります。
Arizona Diamondbacks
ブランドン・ファート(25)
ギャレン、ケリーの強力なデュオが揃うダイヤモンドバックスの先発ローテーションですが、ここからプレーオフを狙うなら最低でももう一人柱となる投手が欲しいところ。ベテランのバンガーナーとデイビーズはもはや全盛期とは程遠いパフォーマンスなので、ここから期待したいのは出てきたばかりの若手たち。
昨季デビューしたネルソン、ジェイムソンに加え、今季デビューするであろうファートは非常に期待できる投手です。プロスペクトランキングでは全体59位にランクインし、制球力と奪三振力が両立しているのが特長。
できるだけ早い段階でデビューしてメジャーのローテーションに定着するのが今季の目標になります。
コルビン・キャロル(22)
言うまでもないスーパースター候補にして、今季の新人王最有力候補のキャロル。
デビューした昨季はわずか32試合でfWAR1.4を稼ぐ活躍をみせ、早々にメジャーレベルに適応してみせました。
走攻守全てを兼ね備えた逸材が今季どこまで上り詰めるのか楽しみです。
Colorad Rockies
ライアン・フェルトナー(26)
アレナド放出で再建期かと思われながらも、ストーリーをデッドラインでトレードしなかったりFAでブライアントを獲得したりと中々再建には振り切らないロッキーズは、今季もシーズン途中に主力を売ることはしないかもしれません。そうなってくると現有戦力、特に若手の底上げが重要になりますが、プロスペクトも含めて若手投手層が薄いのが今のロッキーズの最大の弱点です。
そのため、比較的若く保有期間もまだ長いフェルトナーには是非とも先発ローテーションの軸になってもらいたいところ。
エズキエル・トバー(21)
トゥロウィツキー、ストーリーと伝統的に好守強打のスター選手が守ってきたロッキーズのSSですが、ストーリーの後釜になりそうなのがトバーです。
彼の打撃は前任者たちほどではないものの、守備力に関してはかなり高い評価を受けています。
クアーズ・フィールドを味方につければ隠れた新人王候補になるかもしれません。
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