ロックアウトが明けてから続々と各選手の移籍が決まっている中で、マリナーズからFAとなっていた菊池雄星(30)のブルージェイズ加入が決定しました。
今回の菊池の契約内容は、3年総額3600万ドルで、単年あたり1200万ドルというのは先発ローテーション3,4番手相当の待遇と言えるでしょう。
今回の菊池獲得により、ブルージェイズの先発ローテーションは非常に強固なものになりました。
このオフのブルージェイズは、シーズン途中にツインズから獲得したエース格のホゼ・ベリオスと7年1億3100万ドルの契約延長し、ジャイアンツからFAとなっていたこちらもエース格のケビン・ゴーズマンを5年1億1000万ドルで獲得しています。
4年契約で今季3年目を迎えるリュ・ヒョンジン、昨季デビューしリーグ有数のポテンシャルを見せたアレック・マノアと、上記3投手で構成される先発ローテーションは、既にリーグ屈指の陣容と言えます。
2022年ブルージェイズの先発ローテ
実績あるベリオス、ゴーズマンの両右腕がダブルエースとして機能することになりそうですが、昨季の活躍ぶりから考えるとマノアが一気にエース級へと成長する可能性もあります。
ベテランのリュがここから成績を向上させるとは考えにくいですが、それでも怪我さえなければ規定投球回到達は見込めるでしょう。
菊池は序列的には彼らに続く5番手ですが、昨季はオールスターに初選出されるなど、特に前半戦はマリナーズの投手陣をよく支えていました。
また、貧打のマリナーズ打線とは違い、ブルージェイズはリーグ最高クラスの打撃力を誇ります。
ここまで毎年負け越してきている菊池ですが、ここにきて初の二けた勝利も狙えそうです。
もちろんブルージェイズがここからさらなる補強を続ける可能性もありますが、先発ローテーションに関してはこの5投手で完成とみてよさそうです。
全員二けた勝利も十分にあり得るこのローテーションは、既にリーグ最高クラスと言っていいでしょう。
強力打線はほぼかわらず
ブルージェイズと言えば、昨季本塁打数とOPSでMLB全体1位を記録するなど、その強力打線が最大のウリでした。
リーグ最高の打者ブラディミール・ゲレーロJr.を筆頭に、実に7選手が20本塁打以上を記録した恐怖の打線です。
このオフには攻守の要だったマーカス・セミエンがFAとなり、レンジャーズへと移籍しました。
その穴は昨季控え組だった27歳のサンティアゴ・エスピナルが埋めることになりそうですが、当然ながら大幅なグレードダウン。
野手はほとんど補強していないブルージェイズですが、本気でワールドシリーズを狙うのであればここにもテコ入れしてくる可能性はあります。
とは言え、ブルージェイズ打線の怖さはスター選手だけではない打線の厚みにあり、45本塁打を記録したセミエンが抜けても未だリーグ最高峰の力は維持しているとみていいでしょう。
リリーフが高水準で整備されれば地区優勝最有力候補
そもそも昨季最高の打線に加えてサイ・ヤング賞投手ロビー・レイらを擁していたブルージェイズが僅差とはいえ地区4位に終わった最大の要因は、リリーフの層の薄さでした。
リリーフ防御率は30球団中16位と、唯一の弱点となっていました。
このオフの補強でも、その部分は未だ改善されていません。
ここからさらなる補強を続けるのであれば、当然最も力をいれるのが勝ちパターンの確立でしょう。
昨季後半からクローザーとして定着したジョーダン・ロマノはそのまま守護神として、その他にも信頼できるセットアッパーが必要になります。
現有戦力ではその役目への成長が最も期待できるのはネイト・ピアソン(25)です。
2017年のドラフト1巡目全体28位でブルージェイズへ入団し、チーム有数のプロスペクトとして評価されてきましたが、メジャーでは制球難が改善されず昨季は主にリリーフとして登板しました。
先発で戦うにはまだ時間がかかりそうですが、リリーフであれば大きな成長も見込めます。
トレードなども駆使して、リリーフの整備が完成すれば、今季のブルージェイズは絶対的な優勝候補として君臨する可能性もありそうです。
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