ナ・リーグ東地区は、今季最もレベルの低い地区であり、なおかつ最もチーム間の差がない地区でもあります。
他地区の首位争いをするチームがどこも勝率6割前後を記録しているのに対して、5月に首位に立ち、そこからずっとその位置を死守し続けたメッツでさえ、勝率5割を少し超えた程度でした。
また、6月にマーリンズが最下位になってからも、首位と最下位の差は他地区に比べて大きくなく、8月8日時点では12ゲーム差でしかありません。
それでも、トレードデッドラインではしっかりと買い手と売り手に分かれ、メッツ、フィリーズ、ブレーブスは買い手に、ナショナルズ、マーリンズは売り手となりました。
メッツは5月8日に首位に立ちました。
首位のままむかえたトレードデッドラインでは、カブスからハビアー・バエズを獲得し、弱点だった打線を強化。
バエズは親友のフランシスコ・リンドーアとプレーすることを熱望しており、その願いが叶ったことで彼のモチベーションもアップしたように思えました。
実際に彼は移籍後初戦のレッズ戦で本塁打を放つ活躍をしています。
メッツとしては、ここからさらに首位を盤石にし、プレーオフへ調整していきたいところでした。
ところが8月に入ってからここまで1勝7敗の大不振に陥り、8月6日にフィリーズに首位の座を明け渡すと、さらなる連敗で8月8日にはついに3位にまで転落しました。
既にエースのジェイコブ・デグロームと、本来の遊撃手フランシスコ・リンドーアの二人を故障で欠いているメッツですが、獲得したばかりのバエズが 8月8日の試合中にスイングで負傷退場するという泣きっ面に蜂。
バエズの怪我の程度はまだ不明ですが、この試合はよりにもよって、メッツが放出し今季サイ・ヤング賞級の投球を見せているザック・ウィーラーに完封負けする始末。
大エースデグロームが故障で離脱し、先発ローテーションを強化するためにデッドラインで41歳のリッチ・ヒルを獲得したメッツにとっては皮肉な結果になってしまいました。
そのエースのデグロームは9月に復帰予定とされていますが、それも楽観的な予想で、実際は今季絶望だとする声もあります。
元々不振の打線を投手力で補っていたメッツですが、8連勝中のフィリーズと投打のかみ合い始めたブレーブスの勢いを考えると、ここからのメッツは上がり目もなく地区優勝争いからも置いて行かれそうな雰囲気があります。
順位 | チーム | 勝 | 敗 | 勝率 | ゲーム差 | 直近10試合 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | フィリーズ | 59 | 53 | .527 | – | 8-2 |
2 | ブレーブス | 57 | 55 | .509 | 2.0 | 7-3 |
3 | メッツ | 56 | 55 | .505 | 2.5 | 2-8 |
4 | ナショナルズ | 50 | 62 | .446 | 9.0 | 3-7 |
5 | マーリンズ | 47 | 65 | .420 | 12.0 | 3-7 |
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