ゴールドグラブ賞の受賞者の中から各リーグ一人ずつされるプラチナグラブ賞が発表され、カルロス・コレア(HOU)が初めて、ノーラン・アレナド(STL)は史上最多となる5年連続で受賞しました。
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プラチナグラブ賞
プラチナグラブ賞とは
2011年に創設された比較的新しい賞で、ゴールドグラブ賞の受賞者の中から、ファン投票と守備指標の総合評価で各リーグ一人ずつ選出されます。
これまでの最多受賞回数は、ヤディアー・モリーナの4度です。
2021年受賞者
カルロス・コレア(HOU)
ポジション | UZR | DRS | OAA |
---|---|---|---|
SS | +2.9 | +21 | +12 |
DRSでリーグトップとなる+21を記録するなど、守備面では圧巻だったコレアが初受賞しました。
FA市場の再注目選手でもありますから、遊撃手というポジションがらこれが追い風になることは間違いないでしょう。
ノーラン・アレナド(STL)
ポジション | UZR | DRS | OAA |
---|---|---|---|
3B | +5.7 | +6 | +10 |
これまで最多だったモリーナの4度を抜き、5年連続5度目の受賞となりました。
実は今季セイバーメトリクスの守備指標においてずば抜けた数値を残したわけではありませんでしたが、現代を代表する名手という印象も強く作用したのでしょう。
ゴールドグラブ賞よりもさらに受賞難易度が高いため、来季以降も連続受賞できるのかという点に注目したいところです。
セイバーメトリクスの守備指標
UZR
UZR(アルティメットゾーンレイティング)は、簡単に言うと「同一ポジションの平均的選手と比べてどれだけの失点を防いだか」を示す指標です。
打球の処理難易度や失策数、併殺能力や肩の影響などを考慮しており、累積式で数値化します。
例えば+5であれば平均的な選手より5点分の失点を防いだということになります。
欠点として、累積式ゆえにイニング数が多い選手ほど数値が大きくなる傾向にあり、出場イニング数の大きく異なる選手の比較には使えません。
そのため、条件をそろえて比較するため、150試合換算したUZR/150があります。
DRS
UZRと同様に、数値のプラスマイナスで「その選手が平均的な選手と比べてどれだけの失点を防いだか」を評価する指標です。
主なUZRとの違いは以下の通り。
①算出する元となるデータはUZRが数年分なのに対してDRSは1年分のみ
②DRSはゾーンをより細分化
③バント処理なども考慮されるため、UZRでは評価できなかった投手や捕手も評価できる
OAA
OAAはStatcast(MLBのデータ解析ツール)を利用して算出する「平均的な選手と比べてどれだけアウトを多くとれるか」を評価する指標です。
例えば、ある打球をアウトにできる確率が20%だった場合、アウトにできれば+0.75、できなければ-0.25といったように加減していきます。
最初は外野手用のものとして発表されました。
UZRやDRSと違い、ポジションごとではなく外野手全体の中で比較できる点が有用です。
そして、2020年には新たに内野手版のOAAが発表され、こちらは打球の捕球可能性だけではなく、走者のスピードなども考慮されています。
しかし、現時点で捕手と投手は評価対象となっていません。
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