このトレードデッドラインで最も注目されていたフアン・ソトの去就。
トレード先は最後に3チームにまで絞られ、最終日にパドレスへの移籍が決まりました。
トレード内容
パドレスが獲得：フアン・ソト、ジョシュ・ベル
ナショナルズが獲得：マッケンジー・ゴア、CJ・エイブラムス、ロバート・ハッセル三世、ジェームズ・ウッド、ヤーリン・スサナ、ルーク・ボイト
ソト獲得までの経緯
言うまでもなく今回の最大の目玉はソトでした。
23歳の若さながらメジャーで確たる実績を残し、殿堂入り選手たちとも比較されるようなメジャーを代表する若手外野手です。
本来ならチームの中心として据えるべき選手であり、再建期であってもトレード対象になることはまずありえないのですが、7月に彼がナショナルズからの15年4億4000万ドルという超巨額オファーを断ったことにより、ナショナルズは彼をトレードせざるをえない状況に陥りました。
ソトがFA権を行使できるのは2024年終了後になり、残り約2年半あるわけですが、あと2シーズンでナショナルズがプレーオフ争いをできるコンテンダーにまでチーム状況を改善されることは困難で、どうせ出ていかれるのであれば最も価値が高いうちに売る必要がありました。
そこからはトレードデッドラインに向けてどのチームがソトを獲得するのかという報道で連日もちきりになり、パドレスをはじめヤンキースやドジャースなどの地区優勝ほぼ間違いなしのチームもこぞって参戦してきました。
しかし、ナショナルズとしては今季どうしても売らなければいけないわけではないため、かなりの強気な姿勢で交渉に臨んでいたはずです。
そうやっていくうちにいくつかのチームが脱落し、デッドライン最終日時点でパドレス、ドジャース、カージナルスの3チームに候補が絞られました。
この中で最も必死だったのがパドレスだったということで、報道ではパドレスが一番手で優位であるとされていました。
しかし、実は昨季のトレードデッドラインで起こったマックス・シャーザー獲得戦線で、パドレスはトレード合意間近というところでドジャースにシャーザーを搔っ攫われた経緯があり、最後の最後までどのチームに行くか読めない状況でした。
日本のパドレスファンが徹夜覚悟で最新情報を見守る中、降ってわいたのがパドレスはソトだけでなくジョシュ・ベルの両獲りも狙っているとの報道。
ベルはこのデッドラインでソトに次ぐ好打者とみられており、ベルはトレードされること間違いなしということでその去就に注目されていました。
そうしてようやく出たパドレスがソト獲得との確定報道で、トレードのパッケージが公表されたわけです。
パドレスが獲得するのはやはりソトとベルの2選手で、ナショナルズへと放出するのはゴア、エイブラムス、ハッセル、ウッド、スサナに加えてメジャーリーガー1名とされました。
このメジャーリーガーは当初ホズマーの予定で、ナショナルズが今季残り分の年俸負担し、来季以降3年分はパドレスが全額負担するというものでした。
しかし、ホズマーには10球団に対するトレード拒否条項があり、ナショナルズはそのリストに入っているためホズマーの承認が必要で、彼はこれを拒否しました。
そのためホズマーの代わりに同じ一塁手のボイトをパッケージに入れる形で、この世紀のブロックバスターは成立しました。
総括
最終日前日まで比較的おとなしい雰囲気だった今季のトレードデッドラインですが、歴史に（少なくともパドレスの球団史に）残る世紀のビッグトレードが最終日に待っていました。
今回キーとなったのはウッドとスサナという2名のトッププロスペクトで、ウッドはトレード前にパドレスNo.3、スサナは同No.15プロスペクトという扱いでしたが、ウッドをパドレスマイナー最高の選手として評価する向きがあり、かつスサナも眠れる獅子との評価を受けていたようです。
この2選手がパッケージ入りするかどうかがトレード成立のポイントだったようですが、今に全てをかける決心をしたパドレスのプレラーGMは最後には彼らの放出を決めました。
ナショナルズはシャーザー、ターナーを放出した昨季のブロックバスターにおいて、キーバート・ルイズとジョサイア・グレイという2名のトッププロスペクトを獲得し、彼らは今季主力として活躍しています。
今回パドレスから、既にメジャーデビューしているゴア、エイブラムスに加え、数年後のメジャー昇格が期待できるウッドとスサナを獲得しました。
しっかりと将来を見据えた再建を行っており、若手の充実度が飛躍的に向上しました。
彼らがナショナルズでスター選手へと成長し、ソトらもパドレスでチームのプレーオフ進出に貢献することでWin-Winトレードになることを切に願っております。
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