今回は、前半戦終了時点でのサプライズを5個紹介しようと思います。
今シーズン開始前には予想されていなかったこと、あるいは予想以上だったことなどです。
①大谷翔平が本塁打王
2018年にメジャーデビューを果たし、104試合で22本塁打を記録する活躍を見せた大谷翔平は、打者専任となった翌2019年には18本塁打、そして2020年には44試合で7本塁打と成績を低下させていきました。
2020年は打率.190とあらゆる打撃スタッツが低下していたことで、今季の大谷の活躍は予想しづらいものとなっていました。
しかし今季のスプリングトレーニングでは13試合で打率.548 5本塁打という大活躍をみせ、レギュラーシーズンへの期待が大いに高まりました。
実際に4月から好調で安定して打っており、6月半ばから一気にギアが上がり本塁打ペースが急上昇。
6月15日から前半戦最後の7月11日までの23試合で16本塁打を放ち、2位と5本差の本塁打王になっています。
②ジャイアンツがMLB1位
開幕前からワールドシリーズ優勝候補として頻繁に名前を挙げられていたのは、ナ・リーグ西地区のドジャースとパドレスの2チームでした。
実際にMLB公式サイトが発表していた開幕前のパワーランキング(30球団の戦力ランキング)では1位ドジャース、2位パドレスとされていました。
ところが前半戦が終わってみるとMLB全体での勝率1位は上記2チームと同地区のジャイアンツでした。
ジャイアンツは上述のパワーランキングで22位。戦力的にはドジャースとパドレスに大きく引き離されていると考えられていましたが、今では堂々のパワーランキングも1位です。
③キンブレル復活
ブレーブスで一時代を築いた絶対的守護神クレイグ・キンブレルは、2019年にカブス移籍後2年連続で防御率5点台以上という酷い成績で獲得したカブスを後悔させました。
リリーフ投手というのは一部のレジェンドを除き短命なもの。
キンブレルも30歳を過ぎて終わったのかと思われていましたが、今季は別人のように復活し、見事リーグ最高のクローザーの座へと返り咲きました。
不振のカブスにとってトレードの有力候補となっており、今月中に強豪チームに移籍する公算大です。
④アストロズ打線の復権
昨季のアストロズは勝率.483。これには打線の不振が大きく影響していました。
得点数はリーグ中位で、アルトゥーベ、コレア、グリエル、ブレッグマンといった主力打者のほとんどが不振に陥りました。
もちろんこれにはサイン盗み騒動が関係しているだろうと捉えられていて、これが彼らの本来の実力なのでは?という懐疑的な目もありました。
さらに昨季チームトップの本塁打&OPSを記録したスプリンガーがブルージェイズに移籍するなど、さらなる弱体化が予想されました。
ところがふたを開けてみると昨季苦しんだ主力のほとんどが息を吹き返し、打低のシーズンにあってMLB全体1位の得点力を持つに至りました。
⑤メッツ打線の凋落
メッツは昨季リーグ3位のOPSを記録しており、主力打者の多くがOPS.900前後という強力打線を有していました。
今季は活躍していたロビンソン・カノーが禁止薬物による一年間の出場停止処分となりましたが、トレードで現役屈指の遊撃手フランシスコ・リンドーアを獲得したことによって強力打線は維持されるものと思われていました。
ところが頼みのリンドーアは開幕から大不振に悩まされた上、昨季活躍したスミス、コンフォート、マクニールらも揃って不振に。
それによって得点力がリーグ最下位をうろつくなど打力はMLB最低クラスにまで落ち込みました。
投手力リーグ最高レベル、得点力リーグ最低レベルという非常にアンバランスな状態でなんとか地区1位の座を保っています。