ロックアウトで遅れて始まった2022年シーズンも、早いもので開幕から約2ヶ月が経過しました。
まだまだ気が早いのですが、現時点でのサイ・ヤング賞有力候補を紹介します。
ア・リーグサイ・ヤング賞有力候補
アレック・マノア(TOR)
W | L | ERA | IP | SO | WHIP | K/BB | QS |
8 | 1 | 1.67 | 75.2 | 68 | 0.91 | 4.86 | 11 |
昨季新人ながら9勝をあげるなど今季の活躍も期待されていましたが、2年目のジンクスに陥ることなく進化を遂げています。
投球スタイルなど昨季と比べて大きく変わった点はありませんが、四球率が大幅に改善。
それに伴い奪三振率も低下してしまいましたが、ストライクゾーン内で勝負できているため長いイニングが投げられるようになりました。
現時点で勝数と防御率の二冠ですが、僅差なのですぐに入れ替わる可能性があります。
シェーン・マクラナハン(TB)
W | L | ERA | IP | SO | WHIP | K/BB | QS |
7 | 2 | 1.87 | 72.1 | 98 | 0.86 | 7.54 | 8 |
こちらもマノアと同様に昨季活躍しての2年目のシーズンとなっていますが、投球内容だけならマノアよりもいいかもしれません。
今季は投球割合に大きな変化を加えており、昨季は全体の約35%を占めていたスライダーの割合が15%程度に低下したのに対して、カーブとチェンジアップの割合が大きく上昇しています。
昨季は三振をとる際のウイニングショットがスライダーでしたが、今季はカーブとチェンジアップでより高い割合で三振を奪っています。
その影響でしょうか、奪三振率、四球率が共に向上しており、今のア・リーグで投球内容は最も優れています。
ジャスティン・バーランダー(HOU)
W | L | ERA | IP | SO | WHIP | K/BB | QS |
8 | 2 | 1.94 | 78.2 | 78 | 0.81 | 5.20 | 9 |
現在39歳の彼が、復帰早々にここまで活躍するとは思っていませんでした。
トミー・ジョン手術によりメジャーのマウンドから2年近く遠ざかっていましたが、球速は以前と変わらぬ水準を維持しており、投球スタイルにも大きな変化はありません。
今季のバーランダーはここまでのところ、サイ・ヤング賞に輝いた2019年と同水準の被打率を維持しており、奪三振以外は全盛期に近いパフォーマンスを発揮しています。
ナ・リーグサイ・ヤング賞有力候補
ジョー・マスグローブ(SD)
W | L | ERA | IP | SO | WHIP | K/BB | QS |
7 | 0 | 1.50 | 72.0 | 72 | 0.93 | 4.50 | 11 |
昨季トレードでパドレス加入後、球団史上初のノーヒッターを達成するなど、新しいエースとして君臨しました。
FAイヤーである今季は昨季を超えるパフォーマンスを見せており、現在開幕から11試合連続でクオリティスタートを記録しています。
この11試合は全て自責点2以下に抑えており、まさにリーグ最高峰の安定感を誇っています。
メジャーの先発投手では珍しく、スライダー、カーブなどの変化球を多投し、速球の割合は控えめです。
サンディ・アルカンタラ(MIA)
W | L | ERA | IP | SO | WHIP | K/BB | QS |
6 | 2 | 1.68 | 91.1 | 82 | 0.96 | 3.04 | 10 |
昨季は9勝15敗と勝ちに恵まれませんでしたが、初の200回を達成するなど極めて高水準のワークホースであることを証明しました。
その実力の割にこれまであまり日が当たらなかったのですが、今季はついにサイ・ヤング賞レースに絡むところまで来ています。
アルカンタラと言えばMLB最速クラスの先発投手という印象ですが、実はチェンジアップも平均92mphほどを記録しており、およそチェンジアップらしからぬ球速を誇ります。
球種ごとの球速差がそれほど大きくないせいか、奪三振はそれほど多くないのですが、反面長いイニングを投げることができます。
直近7試合で55.2回を投げており、この間防御率0.81と5月半ば頃から大きく調子を上げています。
怪我さえなければアルカンタラが今季の最多投球回になるのではないでしょうか。
コルビン・バーンズ(MIL)
W | L | ERA | IP | SO | WHIP | K/BB | QS |
3 | 4 | 2.48 | 72.2 | 92 | 0.96 | 5.41 | 8 |
昨季は非常に少ない投球回数ながらその内容の良さを評価されてサイ・ヤング賞を獲得。
今季もサイ・ヤング賞の有力候補の一人として開幕を迎えましたが、その前評判に違わぬパフォーマンスで現時点の奪三振王です。
投球割合の50%以上をカッターが占めるという投球スタイルは今季も変わらないものの、今季はカッター以外での被本塁打数が大きく増加しているのが気になります。
6月に入ってから調子を落としていますが、最近は特に奪三振率が向上しつつあります。
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