劇的サヨナラ弾でドジャースがディビジョンシリーズ進出

サヨナラ2ランを放ったドジャースのテイラー MLB
Dodgers公式Twitterより引用

昨日のア・リーグワイルドカードゲームに引き続き、ナ・リーグでも試合がポストシーズン開始しました。

106勝 vs 17連勝

ナ・リーグのワイルドカードゲームは、ドジャース対カージナルスの対戦でした。

ドジャースはレギュラーシーズン106勝56敗、勝率.654という素晴らしい成績を残したにもかかわらず、それを上回る107勝を記録したジャイアンツが同地区にいたために、たった1ゲーム差に泣いて地区優勝を逃しました。
ディビジョンシリーズからスタートできる地区優勝と、1試合限りのワイルドカードゲームに負けたら全てが水の泡になるワイルドカードではあまりにも価値に違いがあり、MLB30球団中2位の勝率を残したジャイアンツがワイルドカードになってしまったのは、あまりにも気の毒なことです。

一方で、地区優勝争いに敗れてワイルドカードになったドジャースとは違い、カージナルスは見込みの非常に小さいところから驚異的な17連勝で逆転ワイルドカードを手にしたチームです。

シーズンでの勝率だけ比較すればドジャースは.654、カージナルスは.556と非常に大きな差があいていますが、あと一歩で追いつけなかったドジャースと、ワイルドカードを勝ち取ったカージナルスは、勢いも考慮すれば互角のように思えるカードです。

ドジャースが劇的サヨナラ勝利

試合内容

チーム123456789RHE
カージナルス100000000150
ドジャース000100002371
ナ・リーグワイルドカードゲーム

試合はドジャースタジアムで行われ、カージナルス先発はアダム・ウェインライト、ドジャース先発はマックス・シャーザーでした。

40才のウェインライトは大ベテランですが、今季エース級の成績を残しており、またポストシーズンの経験も非常に豊富な投手です。
一方のシャーザーもポストシーズンの経験豊富な上、今季途中にドジャースに移籍してから11試合に先発登板して7勝0敗と無敗が続いています。

そんな両投手の投げ合いでしたが、初回にやや不安定な立ち上がりだったシャーザーがワイルドピッチで先制を許します。
その後は両投手ランナーは出しても得点は許さない膠着状態が続きましたが、4回に先頭のジャスティン・ターナーの本塁打で同点に。
5回にはまたしてもシャーザーがピンチを背負ったところで、ドジャースは早めの継投策に出ます。
昨日のヤンキースもエースのコールを早々に下ろしましたが、今回のドジャースの継投は1点勝負の展開で勝ち越しを許さないためのもの。
後を継いだジョー・ケリーが見事に後続を打ち取ります。

その後は両チームともに細かく継投していき、リリーフが奮闘したことで1-1の同点のまま9回を迎えました。
ドジャースは9回表をクローザーのケンリ・ジャンセンに託し、ピンチを迎えながらもジャンセンは見事0に抑えます。
一方のカージナルスは9回裏のマウンドにTJ・マクファーランドを送りますが、2アウトからコディ・ベリンジャーを歩かせたところで、アレックス・レイエスへ繋ぎます。
しかしこれが裏目に出て、ベリンジャーが盗塁で2アウト2塁となったところから不振のためこの試合途中出場だったクリス・テイラーが試合を終わらせるサヨナラ2ラン本塁打を放ちました。

不振の選手が活躍

この試合のスターはもちろんサヨナラ本塁打のテイラーです。
彼は内外野守れるユーティリティとして、今季あらゆるポジションを守りながらも並の選手以上の打撃力で活躍していましたが、8月からは不振に陥り、9,10月は打率1割台の深刻なスランプになっていました。
最後に本塁打を放ったのも9月7日のカージナルス戦でしたが、負ければ終わりのこの大事な試合で、サヨナラ本塁打という久しぶりの大仕事をやってのけました。

しかしこの試合のカギとなった不振選手はテイラーだけではありません。
もう一人、コディ・ベリンジャーのしぶい活躍も見逃せないでしょう。
2019年に47本塁打でシーズンMVPに輝きながら、今季は故障もあって極度の不振に陥りました。
打率.165でわずか10本塁打と、決して調子のよくなかった昨季をはるかに下回る出来でした。
もはやスタメンにふさわしくない打撃力となってしまったベリンジャーですが、今日の試合では8番を任され、1安打2四球を記録しました。
最後のテイラーの本塁打も、ベリンジャーが見極めて四球を選んだことで得られた結果です。

この試合は、極度のスランプに陥っている2人の選手が勝ちを導いたと言っていいでしょう。

シャーザーの不敗神話継続

今日の試合でピンチを招いて降板したシャーザーですが、ここでも負けなかったことで不敗神話継続です。
なんと、自身に負けがつかないのはもちろんのこと、ドジャースで登板した12試合全てでドジャースが勝利を収めているのです。
この不敗神話がどこまで続くのかみものですね。

余談ですが、この試合には今季MVP候補となっているナショナルズのフアン・ソトが観戦に来ていました。
今季途中までナショナルズでともにプレーした友人のトリー・ターナーとマックス・シャーザーが出場しているためです。
ソトはターナーのナショナルズ時代のユニフォームを着ており、試合終了後には彼らが談笑したりハイタッチする姿も見られました。

ドジャースはジャイアンツと対戦

ディビジョンシリーズにおいて、ワイルドカードはリーグの最高勝率チームと対戦します。
つまり、ドジャースはジャイアンツと対戦するのです。
ディビジョンシリーズで、MLB全体1位と2位の勝率を残したチームが激突するわけですから、もはやこれがもう一つのワールドシリーズと言ってもいいかもしれません。

また、1901年以降の近代野球において、ドジャースとジャイアンツがポストシーズンで対戦したことは一度もありません。
ヤンキースとレッドソックスに匹敵する強烈なライバル関係にある両チームですが、今回が初めての対戦となります。
どんな結末を迎えるか非常に楽しみですが、今季の対戦成績では10勝9敗とほぼ互角ながらわずかにジャイアンツがリードしています。

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