MLBではこのほど、8月8日にコロラドで行われたロッキーズ対マーリンズ戦で、ファンが打席のルイス・ブリンソンに対して”Nigger”という人種差別的な言葉を叫んだという話題でもちきりでした。
当初ロッキーズはこれに対して批判し、現在調査中であり、こういうファンはクアーズフィールドへの出入り禁止とすると表明していました。
しかし、その後の調査によってこのファンは””Nigger”ではなく”Dinger”と叫んでいたのだと判明。
Dingerはロッキーズのマスコットの名前であり、どうやらこのファンは三塁側にいたこのマスコットの気を引こうとしたようです。
運悪くその際の打席には黒人選手であるブリンソンが入っており、これがNワード(今回の差別的表現)に聞こえてしまったわけですね。
ここだけ聞くと場を収めるためにこじつけられてしまったようにも思えますが、実際にこの場面の動画を確認すると、当該ファンはしっかりとマスコットの方を向いており、そもそもブリンソンのことを見てすらいないことがわかります。
今回調査結果が出る前にロッキーズは彼を人種差別的な発言をしたファンとして糾弾したわけですが、そのことで今新たな批判が出ています。
しっかりと確認せずに、このファンが人種差別主義者であるように拡散されてしまったことで、ロッキーズはこのファンに謝罪すべき、という批判です。
確かに、この話題が出たときに関係者もファンもみな人種差別に飛びつきました。
私は確認できていないものの、ネット上では彼を特定する動きもあったかもしれません。
スポーツにおける人種差別的な発言やジェスチャーというのは近年その話題に事欠くことはありません。
例えば最近では、サッカー界でスター選手であるウスマン・デンベレとアントワーヌ・グリーズマンの2人のフランス人選手が日本人に対して差別的発言をしたということがありました。
他にもサッカー界では特に人種差別問題が多く、黒人選手、アジア人選手は苦心しています。
確かにこうした間違いない人種差別は徹底的に糾弾されるべきです。
しかし、一方で今回のケースのようにまずはしっかり確認しないといけないケースもあります。
報道でもそうですが、一度誤った形で情報が拡散されると、その後訂正したとしても最初の誤報だけ一人歩きすることはよくあります。
今回のファンはバックネット裏に座っていたくらいですから、ロッキーズの長年のファンかもしれません。
そんなファンをこんな窮地に追い込んでしまったわけですから、今後もこういうことが起こったときはまず落ち着いて事実確認をすることが最重要になりそうですね。
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