ついに2021年MLBドラフトが開幕し、再注目の1巡目が終了しました。
今年の全体1位はパイレーツが捕手のヘンリー・デイビスを指名しました。
全体1位 ヘンリー・デイビス
私が昨日投稿した「2021年MLBドラフト有力選手トップ10」では5位としていた捕手のヘンリー・デイビスが全体1位で指名されました。
捕手が全体1位指名されたのは、2019年のアドリー・ラッチマン以来2年ぶりですが、それ以前にさかのぼってみれば2001年のジョー・マウアーが最後と、非常にレアな出来事です。
事前のランキングではトップ3に入っていなかった彼が1位指名となったのには、パイレーツのチーム事情が関連しています。
今季のパイレーツはチーム得点数、チームOPSが共にMLB30球団中最下位と非常に打撃力に劣るチームです。
ブライアン・レイノルズやアダム・フレイジャーといったリーグトップクラスの活躍をする選手もいるものの、チーム全体としては層の薄さが否めません。
しかも、若手に限れば期待できそうなのは24歳の三塁手ケブライエン・ヘイズくらいです。
また、現在のパイレーツの捕手は主にジェイコブ・スターリング(31)とマイケル・ペレス(28)の二人でまわしていますが、スターリングはOPS.715、ペレスはOPS.549と非常に物足りない成績です。
そういったチーム状況から、即戦力投手や高卒の遊撃手よりも、ヘイズと一緒にチームの要になれそうなデイビスが選ばれたということでしょう。
また、実はパイレーツが彼に興味を示したのは今回はが初めてではありません。
2018年のドラフト時にも、ニューヨークで有数の高卒捕手としてパレイーツは強い関心を持っていたようです。
しかし、この時のデイビスは進学の意思が強かったために指名には至りませんでした。
そのため、パイレーツは彼を将来の自チームの正捕手候補として今ドラフトまで追いかけ続けていたのでしょう。
こういった事情を踏まえると、ヘンリー・デイビスはプロ入り後も捕手として起用される可能性は高そうです。
打撃力を買われてプロ入り後にコンバートする選手は多数いますが、彼の場合は守備面でも高く評価されています。
MLB公式サイトによる彼に対するスカウティングリポートでは、彼の肩は70(20-80の評価方法)の評価を受けています。この数値は世代最高クラスで、彼の強肩はもちろん捕手として活かされるものです。
彼が目標とするのはヤディアー・モリーナ、バスター・ポージーといった偉大な捕手とのことですから、彼にも好守においてチームの要となる活躍を期待したいところです。