そろそろ7月も半ばということで、7月末日の期限に向けて各チームの本格的な補強が始まります。
今季をあきらめたチームが売り手に、ここからもう一歩上にいくピースが欲しいチームが買い手に回ります。
今回紹介するのは、トレードによって戦力図を変える可能性のあるスター選手です。
ジョーイ・ギャロ(TEX)
地区最下位で今回は売り手に回るしかないレンジャーズにとって最も商品価値がある選手がギャロです。
先日のホームランダービーにも出場したリーグの屈指のパワーヒッターですが、オールスター直前の18試合で13本塁打を放つなど強烈なインパクトを残して前半戦を占めくくりました。
打率が高く四球も三振も本塁打も多いというタイプは、典型的な打撃だけの選手にみえますが、実は彼は守備面でも高い貢献度を誇ります。
彼は今オフにFAになるわけではないのですが、だからこそ高く売るチャンスにもなります。
レンジャーズがしばらくを再建期と割り切って有望な若手を多数得たいと考えるのならばギャロの放出もありえます。
カイル・ギブソン(TEX)
レンジャーズの先発投手陣の中で今季唯一気を吐いているのがエースのギブソンです。
彼は現在33歳なので、ギャロほどの価値はでないものの、来季までの比較的お買い得な契約が残っていることに加え、今季は防御率2.29というリーグ有数の数字を残していることから、今がまさに一番の売り時になっています。
ギャロよりもトレードの可能性は高いでしょう。
クレイグ・キンブレル(CHC)
キンブレルの所属するカブスは地区3位と一見それほど悪くはないのですが、現状は上位3チームが飛びぬけているナ・リーグ西地区が3チームともプレーオフに進出する可能性が高く、地区優勝しようにも現在首位のブルワーズとの差は8.0とそれなりにあいてしまっています。
カブスが再建モードに入った証拠として、ちょうど今日カブスは主にレフトを守っていたジョク・ピダーソンをブレーブスに放出しました。
ブレーブスとしては怪我で今季絶望となったロナルド・アクーニャJr.の穴埋めという形です。
そうなると、今季見事な復活を遂げ、現在リーグ最高ともいえる活躍をみせている守護神キンブレルの放出の可能性も非常に高まります。
彼とカブスの契約は2022年までですが、2022年に関しては2021年までに一定数の登板がなされた場合更新されるという条件付きのオプションになっています。
この条件をクリアするのは困難であるため、キンブレルは実質的には今オフFAになる可能性が高く、今月の目玉となっています。
リリーフを強化したいチームにとっては一番の注目選手です。
ハビアー・バエズ(CHC)
人気MLBゲーム「MLB The Show 20」ではカバー選手にもなったバエズですが、今オフにFAとなります。
バエズは昨季大幅に数字を落とし評価を下げましたが、今季は21本塁打でリーグ4位につけています。
打率や出塁率は相変わらず低いですが、7月に入って調子を上げており、カブスが彼との長期契約を望んでいないのであればトレードの候補となります。
クリス・ブライアント(CHC)
上記2選手と同様カブスが再建に踏み切ったことで、オフにFAになるブライアントもトレード候補になっています。
しかし、彼はチームで一番人気のフランチャイズスターでもあります。
昨季は酷かったものの今季は言って以上の数字を残しており、上記2選手と比較するとトレードの可能性は低めかもしれません。
彼は外野に加えて三塁、一塁とかなり多くのポジションを守ることができるユーティリティ性も高いため、欲しがるチームはかなり多そうです。
ネルソン・クルーズ(MIN)
41歳のDH専任選手というのは、もうトレード価値もないはずなのですが、クルーズは違います。
所属するツインズは今季開幕前は優勝争いをするだろうと見込まれていましたが、その思惑通りにはいかず現時点では首位と15ゲーム差の地区4位と絶望的です。
最も打っているクルーズは非常に高齢ですが、いまだにリーグトップクラスの打撃力を有しています。
トレード先はDHのあるア・リーグに限られますが、DHの弱いチームにとっては非常に魅力的な選手だと思われます。
エデュアルド・エスコバー(ARI)
32歳のスイッチヒッターであるエスコバーは、トレードがほぼ確実です。
今季20本塁打の打力に加え、二塁と三塁を守れるユーティリティ性もその理由の一つですが、最大の理由はダイヤモンドバックスが解体間違いなしだからです。
歴史的連敗を記録し、現時点で勝率3割を切っているダイヤモンドバックスは先日俊足外野手ティム・ロカストロをヤンキースにトレードしました。
主力には怪我なども相次いでおり、今季はもはや夢も希望もないダイヤモンドバックスに出来るのは主力を売り渡すことだけ。
その中で唯一先日のオールスターに選出されたエスコバーは、それなりの有望株を獲得することができる重要なピースです。
アダム・フレイジャー(PIT)
ダントツで地区最下位のパイレーツは今季をあきらめざるをえませんが、そのチーム状況にあってずっとリーグトップクラスの活躍を続けている選手もいます。
そのうちの一人がフレイジャーで、彼は元々打率.280前後の二塁手というイメージでしたが、今季は打率.330の大ブレイク。
長打力には欠けるものの首位打者も狙える活躍ぶりです。
おそらくこれ以上の活躍をすることは今後ないでしょう。
パイレーツは彼をもう一年保有することができますが、今を絶好の売り時と判断する可能性は高くなっています。
パイレーツは先日のドラフトで全体1位で捕手のヘンリー・デイビスを指名し、三塁手の有望株ケブライアン・ヘイズと共にチームの主軸として育てていきたい意向があります。
彼らが全盛期を迎える3,4年後をめどにチームを再建するのであれば、29歳のフレイジャーを20歳前後の若手有望株とトレードしたいところです。