まだ正式発表には至っていませんが、ドジャースとナショナルズが今季最大の大型トレードを断行するようです。
ナショナルズの主力マックス・シャーザーとトレイ・ターナーが動きました。
マックス・シャーザー(37)
試合 | 勝 | 敗 | 防御率 | 投球回 | 奪三振 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|
396 | 183 | 97 | 3.19 | 2468.1 | 2931 | 1.09 |
シャーザーについては「MLBスタープロファイル vol.2〈マックス・シャーザー〉」にて詳しく解説していますのでご覧ください。
今季も例年通りのエース級の働きでしたが、前回の先発登板を回避したことでその健康状態が危ぶまれていました。
しかし今日のダブルヘッダーにて6回1失点の好投を見せたことでその不安説を払しょくしました。
試合 | 勝 | 敗 | 防御率 | 投球回 | 奪三振 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|
19 | 8 | 4 | 2.76 | 111.0 | 147 | 0.89 |
トレイ・ターナー(28)
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | OPS | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
637 | .300 | 93 | 306 | .356 | .842 | 192 |
ターナーは好打好走塁のリーグ屈指の遊撃手です。
打率3割超えに二桁本塁打を記録するパンチ力、加えてリーグ最高速を誇る足と、非常に万能な選手です。
欠点と言えるのは早打ちで出塁率はそれほど高くないことと、怪我が多いこと。
特に怪我の多さは悩みどころで、100試合以上出場したのは2018年と2019年の2年しかありません。
今季は健康で、打率、盗塁でタイトルをとる可能性もあります。
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | OPS | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
96 | .322 | 18 | 49 | .369 | .890 | 21 |
トレードの内容
ドジャースが獲得した選手:マックス・シャーザー、トレイ・ターナー
ナショナルズが獲得した選手:キーバート・ルイズ、ジョシア・グレイ、ジェラルド・カリーロ、ドノバン・ケイシー
ナショナルズの獲得した選手のドジャース内でのプロスペクトランキングは、ルイズが1位、グレイが2位、カリーロは17位、ケイシーはランク外です。
中でも捕手のルイズと右投手グレイはMLB全体でもそれぞれ41位と42位にランクインする逸材です。
23歳の両者は既にメジャーデビューしており、近いうちにメジャーでレギュラーになることも期待できます。
ドジャースの思惑
やりすぎではないかと思うくらいの超大型補強です。
元々シャーザーはドジャース、パドレス、ジャイアンツのどこかに行くのではないかと見込まれていましたが、直前にパドレス有力となったところをひっくり返してのドジャース獲得です。
同地区のライバルから奪い取っての補強ですから、ただ獲得する以上の価値があります。
そしてターナーの方には、現在リハビリ中のコーリー・シーガーの穴を埋める活躍が期待できます。
シーガー復帰後に守備位置をどうするかは少し考え物ですが、ターナーはコンバート可能な選手なので大きな問題にはならないでしょう。
一方で、今回の大補強には非常に大きな出血を伴いました。
ただプロスペクトを放出しただけでなく、傘下のトッププロスペクト1位と2位を手放したわけですから、ドジャースの今季にかける思いがわかります。
また、シーガーとターナーは両者ともに今オフFAとなりますが、これほどの交換要員を支払ったわけですから、おそらくターナーと長期契約を結びシーガーはFAとなるのではないでしょうか。
余談ですが、これでドジャースの内野手はジャスティン・ターナーとトレイ・ターナーが揃ってターナーが2人になりましたね。
ナショナルズの思惑
「ブルージェイズがナショナルズの守護神ハンドを獲得」や「レッドソックスが6月月間MVPシュワーバーを獲得」でも解説した通り、ナショナルズは絶賛ファイアーセール中です。
今季で契約が切れるスター選手を多数抱えていたため、シャーザーもターナーもご多分に漏れずトレード候補となりました。
よほどのビッグネームでないとトッププロスペクトは獲得できないのですが、流石にシャーザーとターナーを同時に放出したことでドジャース傘下の最高のプロスペクトを獲得することができました。
今後フアン・ソト中心にチームを作っていくにあたり、彼と年の近いルイズやグレイのような選手を獲得できたことは僥倖と言えるでしょう。
ただし、これによって今のナショナルズの魅力は大幅に減ってしまいました。
ナショナルズファンをこれをどう捉えるでしょうか。