このオフ一番の大物カルロス・コレアを含む、有力選手3人の契約がきまりました。
コレアは予想外のツインズへの移籍です。
カルロス・コレアの契約内容
3年1億530万ドル
ヤンキースらビッグマーケットのチームの名前が多くあがる中、獲得球団はまさのツインズとなりました。
ツインズはこのオフトレードを駆使して精力的に補強に動いており、その最後の一矢が今回のコレア獲得となったようです。
今回のコレア獲得には伏線があり、先日ツインズはヤンキースへジョシュ・ドナルドソンをトレードしました。
高給とりであったドナルドソンをヤンキース側に年俸負担を押し付けた上で放出できたことで、ツインズには補強にまわす資金ができたというわけです。
元々ツインズはもう一人の大物内野手のトレバー・ストーリー獲得の有力候補とされていましたが、ストーリー以上の大物を射止めてみせました。
当初は10年3億ドル相当の超大型契約が必要とされていましたが、ロックアウトの影響もあってか交渉が難航し、コレアは1年又は短期契約に落ち着くのではないかと言われていました。
結果として、その通りの3年という短い期間の契約を交わし、また今回の契約には2年目終了後のオプトアウト条項が含まれています。
コレアはまだ27歳ですから、ここからの2年間で好成績をあげれば、まだ29歳という年齢でオプトアウトし、そこから再び10年3億ドル相当も狙えるという寸法です。
これはツインズにとってもいい条件で、単年あたり約3500万ドルという年俸負担は非常に大きいものではありますが、コレアの全盛期3年間のみのいいところどりができるため、リスクは少なく抑えることができています。
また、ツインズにはロイス・ルイスとオースティン・マーティンという二人のトッププロスペクトがいます。
ルイスは2017年ドラフト1巡目全体1位指名、マーティンは2020年ドラフト1巡目全体5位指名とその将来が嘱望される選手であり、先日発表されたプロスペクトランキングでもルイスが全体46位、マーティンが全体52位に入っています。
両選手ともにショートを守ることができ(マーティンは外野も守る)、ここから2,3年の間にメジャー定着を目指すことになるため、コレアがオプトアウトした際に彼らが成長していればスムーズに世代交代できます。
上記の面から、コレアにとってもツインズにとっても利点がある非常にいい契約になったのではないかと思います。
ニック・カステヤノスの契約内容
5年1億ドル
強打の外野手カステヤノスは、予想されていた通りフィリーズとの契約となりました。
先日既にカイル・シュワーバーとも契約しているフィリーズは、カステヤノスも追加したことでこのオフに打線を大幅強化したことになります。
シュワーバーもカステヤノスも守備位置としてはレフトで、どちらか片方がDHにまわることになります。
両選手ともに守備のうまい選手ではないため、おそらくは交代でDH枠を使うことになるのではないでしょうか。
しかし、カステヤノスは守備がうまくないものの守りたがりという話なので、もしかしたら基本線はレフトがカステヤノス、DHがシュワーバーとなるかもしれません。
1 2B ジーン・セグラ
2 RF ブライス・ハーパー
3 LF ニック・カステヤノス
4 DH カイル・シュワーバー
5 1B リース・ホスキンス
6 C JT・リアルミュート
7 SS ディディ・グレゴリアス
8 3B アレック・ボーム
9 CF オデュベル・ヘレーラ
予想される打線は上記のようになりそうですが、同地区のブレーブスに負けず劣らずの強力打線です。
懸念材料としては、シュワーバー、ホスキンスらが怪我の多い選手ということ。
彼らが健康であれば2番から5番まで30本塁打以上を記録してもおかしくありません。
2021年MVPのハーパーの負担も減るのではないでしょうか。
ホルヘ・ソレアの契約内容
3年3600万ドル
2021年ワールドシリーズMVPのソレアは、比較的格安の内容でマーリンズと契約しました。
ソレアにはパドレスやブレーブスが噂されていました。
マーリンズのターゲットはカイル・シュワーバーやニック・カステヤノスでしたが、上述の通り両選手ともにフィリーズが獲得したため、同じ強打の外野手ということでソレア獲得に切り替えたのでしょう。
マーリンズは昨季OPSが全体29位、本塁打数全体28位と長打力不足に苦しんでおり、ロックアウト前には同じく強打の外野手アビサイル・ガルシアを4年契約で獲得していました。
若い先発投手が充実しているマーリンズは、打撃力が向上すれば上位進出もあり得るポテンシャルを秘めたチームですが、昨季あわせて56本塁打を記録したこの2選手の加入により、打線の迫力が大きく増すことになります。
それでもまだこのオフ大きく補強したブレーブス、フィリーズ、メッツらを凌駕するような戦力ではありませんが、将来性はナ・リーグ東地区で最も高いかもしれません。
残る大物FA選手はトレーバー・ストーリーのみ
コレアら大物選手がようやく契約をまとめたことにより、残る大物はトレバー・ストーリーとマイケル・コンフォートのみとなりました。
中でも注目なのはストーリーの行く先。
経歴だけみればリーグ最高クラスの打撃力を持つストーリーですが、彼は打者天国クアーズ・フィールドの恩恵を受けてきた典型的な”クアーズヒッター”でもあります。
ショートとしてリーグ屈指の守備力の持ち主でもあり、あとはこの内弁慶な打撃面がどう評価されるか。
その実力を証明するため、コレアのように新天地で短期契約を結び、数年後の大型契約を狙うという選択肢もあります。
ストーリーに興味を示しているチームは未だ数多くあり、最新情報ではツインズのコレア獲得を受けてレンジャーズ、レッドソックス、ヤンキース、ジャイアンツらがストーリー獲得を狙っているとのこと。
レンジャーズは先日、引退したばかりのカイル・シーガーに対して「弟コリーの隣でプレーしないか」と勧誘したものの断られたという情報が出ていました。
この勧誘がどれほど本気だったかはわかりませんが、まだまだ内野手補強を考えている様子であり、そのなりふり構わなさを考えると、レンジャーズの線も十分あり得るのではないでしょうか。
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