サイ・ヤング賞はレイとバーンズが受賞

サイ・ヤング賞を受賞したロビー・レイとコルビン・バーンズ MLB
MLB.comより引用

2021年サイ・ヤング賞の受賞者が発表されました。
ア・リーグは予想通りのロビー・レイ、ナ・リーグは少し予想外のコルビン・バーンズでした。

ア・リーグのサイ・ヤング賞

ロビー・レイ(TOR)
試合防御率投球回奪三振WHIP
321372.84193.12481.04
2021年シーズン成績

事前に予想されていた通り、レイが受賞しました。
防御率、奪三振の投手二冠に加えて、投球回、WHIPでもリーグ1位。
勝利数こそやや伸び悩みましたが、それでもリーグ5位タイの13勝をあげています。
13勝での受賞は、ア・リーグでは2010年のフェリックス・ヘルナンデス以来の少なさです。

投票内訳
順位選手1位票2位票3位票4位票5位票合計
1ロビー・レイ291207
2ゲリット・コール129123
3ランス・リン115548
4ネイサン・イオバルディ86541
5カルロス・ロドン48634
6フランキー・モンタス26321
7ランス・マッカラーズJr.14314
8リアム・ヘンドリクス3110
9ホゼ・ベリオス1138
10クリス・バシット22
11ルーカス・ジオリト11
12ライセル・イグレシアス11
総評

完全に予想通りの結果と言っていいでしょう。
近年のMLBにおいては勝利数より内容が重視されており、防御率、投球回、奪三振でリーグ1位の投手二冠だったレイが受賞するのは予定通りです。
コールに1位票が1票だけ入りましたが、この1票は勝利数やFIPなどを重視した結果でしょう。
どちらにしても、レイとコールの完全な二強でした。

ナ・リーグのサイ・ヤング賞

コルビン・バーンズ(MIL)

試合防御率投球回奪三振WHIP
281152.43167.02340.94
2021年シーズン成績

少し予想外でしたがバーンズが受賞しました。
彼は僅差ではあるものの最優秀防御率のタイトルを獲得し、FIP1.63という歴史的にも非常にずば抜けたセイバーメトリクスの数字も記録しています。
リーグ有数の制球力に、MLB1位の奪三振力、被本塁打も極めて少ないという投手の理想像のような成績を残していますが、投球回は辛うじて規定投球回に到達する167.0回でしかありません。

投票内訳
順位選手1位票2位票3位票4位票5位票合計
1コルビン・バーンズ121431151
2ザック・ウィーラー129441141
3マックス・シャーザー65136113
4ウォーカー・ビューラー2917170
5ブランドン・ウッドラフ21721
6ケビン・ゴースマン147
7アダム・ウェインライト33
8フリオ・ウリアス33
9ジェイコブ・デグローム11
総評

かなりの接戦を制してバーンズが受賞しましたが、この結果は正直予想外でした。
確かにバーンズは最優秀防御率のタイトルを獲得しており、投球内容が最高クラスだったことには疑いありませんが、投球回数が規定投球回ギリギリという最大の問題がありました。
今回バーンズが受賞したことで、167回でのサイ・ヤング賞というのは、短縮シーズンを除けば先発投手として最小となりました。
これまでの最小は2018年ブレイク・スネルの180.2回でした。
オープナーという役割が登場するなど投手の分業化が進む現代のMLBにおいては、先発投手の投球回が減少傾向にあり、投球回自体もそれほど重視されなくなってきているのかもしれません。
それでも投球回と奪三振でリーグ1位だったウィーラーは1位票でバーンズに並びましたが、2位票で後れを取ったことが響きました。

また、個人的にもう一つ予想外だったのはビューラーがトップ3に入れなかったことです。
タイトルの獲得こそなかったものの、全ての数字が高水準でした。
やはり飛びぬけたスタッツがなかったことが、上位票をとれなかった要因になったのでしょう。

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