MLB公式サイトで30球団のマイナー充実度ランキングの記事が掲載されていましたので、私の意見も交えて紹介します。
ランク | チーム | 主なプロスペクト | TOP100プロスペクトの人数 |
---|---|---|---|
1 | オリオールズ | アドリー・ラッチマン | 5 |
2 | マリナーズ | フリオ・ロドリゲス | 4 |
3 | マーリンズ | カリル・ワトソン | 6 |
4 | パイレーツ | ヘンリー・デイビス | 5 |
5 | ロイヤルズ | ボビー・ウィットJr. | 6 |
6 | レイズ | シェーン・バズ | 5 |
7 | タイガース | スペンサー・トーケルソン | 3 |
8 | ジャイアンツ | マルコ・ルシアーノ | 4 |
9 | ダイヤモンドバックス | ジョーダン・ロウラー | 3 |
10 | レッズ | ハンター・グリーン | 4 |
11 | レンジャーズ | ジャック・ライター | 5 |
12 | レッドソックス | マルセロ・メイヤー | 3 |
13 | インディアンズ | タイラー・フリーマン | 5 |
14 | ブルージェイズ | ガブリエル・モレノ | 4 |
15 | ツインズ | ロイス・ルイス | 3 |
16 | ドジャース | ディエゴ・カルタヤ | 4 |
17 | パドレス | CJ・エイブラムス | 4 |
18 | カブス | ブレナン・デイビス | 2 |
19 | ヤンキース | アンソニー・ヴォルプ | 3 |
20 | ナショナルズ | キーバート・ルイズ | 4 |
21 | カージナルス | ノーラン・ゴーマン | 3 |
22 | メッツ | フランシスコ・アルバレス | 3 |
23 | ブレーブス | クリスチャン・パチェ | 4 |
24 | エンジェルス | リード・デトマーズ | 3 |
25 | ブルワーズ | ギャレット・ミッチェル | 2 |
26 | ロッキーズ | ザック・ヴィーン | 1 |
27 | フィリーズ | ミック・アベル | 1 |
28 | アスレチックス | タイラー・ソダーストローム | 1 |
29 | アストロズ | 0 | |
30 | ホワイトソックス | 0 |
1位 オリオールズ
今季2000年代最多記録タイとなる19連敗を喫したオリオールズは、ア・リーグ東地区の弱小チームという印象が強いのではないでしょうか?
しかし、ドラフト上位指名でしっかりと選手を集めてきたことで、MLB屈指のマイナー充実度となっています。
何よりその筆頭はアドリー・ラッチマン。
2019年全体1位指名の捕手であり、ジョー・マウアーのようなチームの屋台骨になることを期待されている選手です。
今季はAAで十分な活躍を見せて最近AAAに昇格しましたが、こちらでも素晴らしい活躍をしています。
9月の昇格に期待です。
2位 マリナーズ
今季予想外のワイルドカード争いを繰り広げているマリナーズは、最も将来性のあるチームの一つです。
今のところ結果は出ていないものの既にメジャーに定着したジャレッド・ケレニックと、MLB全体2位のプロスペクトであるフリオ・ロドリゲスの外野手デュオは今後数年間のうちにメジャー最強の外野陣を形成するかもしれません。
投手にもエース級プロスペクトがおり、攻守ともに充実しています。
4位 パイレーツ
2021年ドラフトで全体1位指名でヘンリー・デイビスを指名したパイレーツは、今季も戦力的には最低クラス。
ただ、オリオールズと同様にこの弱い期間にしっかりと若手を集めています。
オリオールズに比べると特Aクラスのプロスペクトは不在ですが、数年後が楽しみな素材が揃っています。
5位 ロイヤルズ
ロイヤルズと言えば昔からプロスペクトが揃っているイメージなのですが、中々大成する選手が少なく苦しんでいます。
しかし、2019年全体2位指名で獲得したボビー・ウィットJr.は個人的に最も注目している逸材です。
今季はAAとAAA合わせて94試合で27本塁打を放っており、走攻守全てがハイレベルなのも魅力的で、おそらく将来的にMVP争いをするような選手に成長するのではないでしょうか。
ウィットだけではなく、ロイヤルズにはマーリンズと並んで最多となる6人がプロスペクトランキングトップ100にランクインしています。
6位 レイズ
レイズの組織運営のうまさには恐れ入ります。
今季地区首位に立つ強さがありながら、毎度のごとくマイナー組織も充実しています。
もう既にメジャーに定着して活躍しているワンダー・フランコは開幕前のプロスペクトランキングで全体1位でしたし、どうやったらここまでバランスのいい組織を作れるのか。
現在レイズで最高のプロスペクトのシェーン・バズは東京オリンピックの日本戦で先発した投手です。
16位 ドジャース
MLBで最も巨大な戦力を持ち、トレードデッドラインではチームのNo.1とNo.2のプロスペクトを放出したマックス・シャーザーとトレイ・ターナーを獲得したドジャースですが、それだけのことをしながらもまだこの順位にとどまっています。
ドラフト上位指名選手だけでなく、外国人選手の獲得もうまく使って戦力を充実させています。
ただ、あまりにもメジャーの戦力が充実しすぎているため、中々若手にチャンスが回ってこないのがたまに瑕です。
18位 カブス
今季のトレードデッドラインでチームの大解体を試みたカブスですが、元々のマイナー充実度が低かったために、あまり上積みはできませんでした。
それもそのはずで、放出したのは今季で契約が切れる選手ばかりで、そういう選手と引き換えではなかなかトッププロスペクトはとれません。
今回の解体が正解だったのかどうかは、まだなんとも言えないところです。
20位 ナショナルズ
カブスと同様にトレードデッドラインで大解体しました。
しかし、そもそもマイナー充実度は30球団最下位というレベルだったので、ようやく並に近づけたというところです。
ドジャースから獲得したキーバート・ルイズとジョサイア・グレイは、来季フルでメジャーに定着するでしょうから、カブスよりはすぐに結果が出やすいかもしれません。
26位 ロッキーズ
ロッキーズはチームで一番のスター選手ノーラン・アレナードを開幕前にカージナルスへトレード。
しかし今季のトレードデッドラインでは主力を放出することなく終わりました。
そのためプロスペクトは増えず、マイナー充実度は低下しました。
来季プレーオフ進出を目指すのか、一転再建期に入るのか、現時点では中途半端です。
29位 アストロズ
弱小球団の頃は毎年のように全体1位指名を獲得していたアストロズですが、その頃獲得した若手が育って今の強いチームになりました。
こうなると当然マイナー組織は枯渇してきて、アストロズもその例外ではありません。
トップ100に入るプロスペクトはおらず、現在の主力が衰えた頃が心配です。
30位 ホワイトソックス
最下位となってしまったホワイトソックスですが、これは将来性が絶望的というわけではありません。
何故ならホワイトソックスは近年獲得したドラフト1巡目指名選手が立て続けにメジャーに定着しており、その影響でマイナー充実度が下がっているだけだからです。
これは素材型ではなく即戦力を優先して指名してきた影響ですね。
しかし、それらの選手が活躍して今の地区首位の座がありますから、チームの作り方としては間違っていません。