ホームランダービーに出場すると調子を崩すという説があります。
普段はしないような本塁打だけを狙うような打撃をすることで、打撃フォームが崩れる、あるいは疲れが溜まるという理屈のようです。
MLBの2021年シーズン後半戦が始まり1週間ほどがたちましたが、面白いことに今年のホームランダービー出場者8名のうち6名の後半戦成績が二極化しています。
そこで今回は、調子を極端に上げた選手と極端に下げた選手をそれぞれ紹介していきます。
調子を上げた選手
ピート・アロンゾ(NYM)
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | OPS | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
7 | .367 | 4 | 7 | .441 | 1.241 | 0 |
抜群の安定感でホームランダービーを制し、史上3人目の大会連覇を果たしたアロンゾ。
2019年に53本塁打で新人王を獲得しましたが、その時を思い出したかのように量産体制に入りつつあります。
フアン・ソト(WSH)
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | OPS | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
7 | .462 | 5 | 12 | .576 | 1.691 | 1 |
「やはり後半戦の主役はフアン・ソトか」でお伝えした通り、ソトは後半戦最も活躍している選手です。
「ホームランダービーで打撃を修正したい」と臨んだ1回戦では大谷との激闘を制しましたが、その時にはもう長打を打つ感覚がしっかり戻っているようでした。
ダービー出場者は打撃を崩すと言われる中で、出場したことで打撃を修正できたという選手は珍しいのではないでしょうか。
マット・オルソン(OAK)
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | OPS | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
7 | .360 | 3 | 6 | .433 | 1.273 | 0 |
今季は特に安定感のある打撃をみせているのですが、オールスター明けからマルチ安打を記録する日が多くなりました。
もちろん本塁打もでていますし、三振も滅多にしません。
打ち取るのが非常に難しい打者になっていて、今日もマリナーズ戦で菊池から一発を打ちました。
調子を下げた選手
大谷翔平(LAA)
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | OPS | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
6 | .167 | 1 | 4 | .259 | .593 | 0 |
日本人初ということで優勝候補として臨んだホームランダービーは再延長の末にソトに敗れました。
ここから調子を大きく上げたソトとは対照的に、大谷は後半戦三振の山を築くなどかなり調子を落としています。
ホームランダービー中からバテてスイングを崩してしまっているように見えていましたが、果たしてそのせいなのか、単純に二刀流の疲れのせいなのか。
投手としてはオールスター後初の登板でアスレチックス相手に6回無失点と抑え込んだだけに、やはりスイングに問題が生じているのでしょうか。
今日の試合ではついに完全休養となったので、これで少しでもよくなればいいのですが…
ジョーイ・ギャロ(TEX)
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | OPS | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
8 | .080 | 0 | 0 | .179 | .339 | 0 |
今月のトレードデッドラインでの移籍候補として各チームが彼に興味を持っているのは「今月トレードされそうなスター選手8選」でお伝えした通り。
しかし、ここにきて調子は今季最低レベルにまで悪化。
元々もう一年契約が残っていますし、この状態ではトレード価値が落ちてしまうので今回は残留することになるかもしれません。
オールスター直前の試合でも本塁打を打っていたのに、本当にホームランダービーの影響で調子を崩してしまったのでしょうか。
トレバー・ストーリー(COL)
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | OPS | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
5 | .150 | 0 | 1 | .217 | .367 | 0 |
ギャロと同じく今回のトレードデッドラインの目玉選手になっているストーリー。
毎年リーグ有数の打撃成績をたたき出していましたが、今季はキャリアワーストの出来。
オールスター明けからはヒットが出ないだけでなく、1試合で4三振や3三振を立て続けに喫するなどバットに当たりません。
ギャロとは違い今季で契約が切れるので、ロッキーズとしては長期契約かトレードかの二択しかありませんが、おそらくトレードになるのではないでしょうか。