優勝争いの展望〈ナ・リーグ中地区〉

前回のナ・リーグ東地区に引き続き、今回はナ・リーグ中地区の優勝争いの展望について解説していきます。

ナ・リーグ中地区のこれまで

序盤やや混戦気味の中で、早々に定位置についたのはパイレーツでした。
昨年MLB全体で最低勝率だったパイレーツは、今季も5月頃には最下位に。
そのまま今に至るまで浮上することなく勝率3割台で低迷しています。

パイレーツ以外のチームの順位が中々定まらない中で、ようやく安定しつつあった6月頃に首位争いをしていたのがブルワーズとカブスでした。
しかしこの2チームはその後明暗がくっきり分かれました。
カブスは6月の終盤ごろから負けが続き、ブルワーズに首位の座を明け渡すと、そのまままさかの11連敗。
この大型連敗によって首位争いに敗れたばかりか3位争いにまで転落し、7月終盤には4位に転落しました。
わずか一ヶ月足らずの間に、首位から4位にまで一気に転げ落ち、トレードデッドラインではナショナルズと同様に主力を大放出するファイアーセールを行いました。
しかしナショナルズと異なっていたのは、クリス・ブライアントやハビアー・バエズといった、生え抜きのフランチャイズスターを複数放出せざるを得なかったことです。
特にブライアントはMVPも獲得したチームの功労者であり、最も人気のある選手だっただけにカブスは大変なダメージを負いました。

そして、そのカブスを尻目に首位の座を確実なものにしたのがブルワーズです。
カブスの凋落と同時にブルワーズも一段階ギアを上げ、トレードで補強したこともあってその座は安泰なものになりました。
今季のブルワーズには、ウッドラフ、バーンズ、ペラルタというそれぞれサイ・ヤング賞級のパフォーマンスを見せている先発投手陣がおり、その盤石さ故にブルワーズの首位がゆるぎないものになっています。

また、ブルワーズの独走、カブスの凋落により2位争いに転じたのがレッズとカージナルス。
毎年安定して強いチームを作り上げてくる試合巧者のカージナルスは、5月には一時首位にたったものの、その後はずるずる負けがこみ勝率5割前後をうろうろするようになりました。

それに対してレッズは、序盤こそ中々ピリッとしませんでしたが、その強力打線を武器に徐々に勝率を上げていき、最終的にはカージナルスをやや上回る2位につけています。

現時点での順位

ブルワーズが大差をつけての首位。
2位のレッズはナ・リーグのワイルドカード争いをしていますが最近不調で、すぐ後ろにカージナルスが迫っています。
カブスとパイレーツの順位に関しては、もう変わることはないでしょう。

優勝争いの展望

ブルワーズの優勝は間違いありません。
この地区の順位は7月以降全く変わっておらず、今後入れ替わりがあるとすればレッズとカージナルスくらいです。
今後の見どころは、この地区の2位チームがワイルドカード争いに勝てるか、という部分だけですね。