MLBスタープロファイル vol.4〈ジェイコブ・デグローム〉

ジェイコブ・デグローム MLB
引用:https://twitter.com/Mets/status/1502344100028174342

MLBスタープロファイルvol.4は、史上最高の投手の一人とも評される ジェイコブ・デグロームです。

ジェイコブ・デグローム

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経歴

2010年のMLBドラフトで9巡目全体272位でメッツから指名され入団。
大卒だったため、メジャー昇格した2014年には既に25歳とやや遅咲きでしたが、この年デビューイヤーながらその実力を遺憾無く発揮し、見事新人王に輝きました。

初のフルシーズンとなった二年目も、前年から続くハイクオリティな投球を維持し、初の二桁勝利に加え、200奪三振超えも達成するなど二年目のジンクスを吹き飛ばして見せました。
このままスターダムを駆け上がるかと思われたところでしたが、2016年は故障離脱もあって初の負け越しを喫しました。
2017年にはエースとして躍動し、防御率こそキャリアワーストだったものの、勝利数、投球回数、奪三振でキャリアハイを記録。

2018年及び2019年には二年連続サイ・ヤング賞を獲得するなど、メッツのエースからリーグ最高の投手へと成長。
また、防御率1.70という特に飛び抜けた活躍を見せた2018年は、10勝9敗であったため、10勝でのササイ・ヤング賞獲得は史上最小でした。
この二年間での彼の投球内容はサイ・ヤング賞にふさわしいものでしたが、合計で21勝17敗と打線の援護に恵まれず、この頃からデグロームと言えば無援護の代名詞となります。

短縮シーズンとなった2020年には、最多奪三振のタイトルを獲得するなどリーグトップクラスの活躍で、2021年はそれ以上の好調ぶりに磨きがかかり、シーズン中盤までに15試合に登板し防御率1.08という歴史的な快投をみせました。
ところが、以前にも手術している右肘の故障により長期離脱し、9月には復帰することができると思われていたものの、結局シーズン終了まで戻ってくることはありませんでした。

獲得タイトル・記録

サイ・ヤング賞 2回(2018-19)
新人王 (2014)
オールスター 4回(2015, 2018-19, 2021)
最優秀防御率 1回(2018)
最多奪三振 2回(2019-20)

通算成績
投球

デビュー当初は平均95mph(約153km)前後の速球がウリの投手でした。
こういう投手は20代後半から30代にかけて平均球速が低下し、それに伴い投球術で抑えていく傾向にありますが、デグロームは全くの逆で、30代になってから右肩上がりに球速を上げていきました。
FanGraphsのデータによると、2018年からの4シームの平均球速は以下のように推移しています。

2018年 96.3mph
2019年 97.1mph
2020年 98.7mph
2021年 99.1mph

異次元の成績を残した2021年に至っては、平均球速は99.1mph(約160km)という先発投手として飛び抜けた領域に突入しています。
これに伴い変化球の平均球速も上昇傾向にあり、2021年はスライダーが91.5mph(約147km)、チェンジアップは91.2mph(約147km)となっています。
これらの変化球割合は近年偏ったものになっており、2021年は投球の90%を4シームとスライダーが占めていました。
チェンジアップは10%に満たない程度で、ごく稀にカーブも投げますが、実質的にはほとんど4シームとスライダーの二択で勝負している稀有な投手です。

コースも非常に徹底しており、4シームは主に高めかアウトロー、スライダーは右投手のアウトローに投げ込みます。
ほとんどこの使い分けのみでメジャーの打者が手も足も出ないのですから、その精度と威力に脱帽するしかありません。

契約

2019年にメッツの投手として史上最高額となる5年1億3750万ドルで契約延長。
2022年シーズン終了後に行使可能なオプトアウト権、また2024年シーズンの球団オプションがあり、オプション行使された場合は6年1億7000万ドルになる大型契約です。

今後の展望

2021年シーズンは歴史に残る快投を見せながらも、シーズン半ばに故障離脱しその後戻ってくることができませんでした。
100mph(約161km)の豪速球を中心とした投球スタイルで、なおかつ既に30代半ばに差し掛かっているということもあり、来季以降もこれまでと同じ支配的な投球が維持できるのかは疑問符がつきます。
しかし、健康さえ維持することができれば毎年サイ・ヤング賞を獲得しても何らおかしくない力があり、一体どれほどの健康状態でマウンドに戻ってくることができるのかが鍵になりそうです。

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