2021年レギュラーシーズン終了に伴い、両リーグの新人王有力候補を紹介します。
参考記事:2021年新人王候補10選
ア・リーグ新人王候補
ランディ・アロザレーナ(TB)
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | OPS | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
141 | .274 | 20 | 69 | .356 | .815 | 20 |
昨季終盤にメジャーデビューを果たし、ポストシーズンでは新人記録をつくる大暴れをみせました。
昨季ポストシーズン20試合で10本塁打を放ったような驚異的な爆発力こそなかったものの、シーズン通して安定した活躍をみせ、チームの地区優勝に大きく貢献しました。
特に後半戦に大きく数字を向上させた点と、新人では唯一の20本塁打20盗塁を記録したことが好印象です。
また、OPS.815という数字はア・リーグの新人選手の中でトップで、派手さには欠けるものの全ての数字がバランスよくまとまっていることから、最有力候補と言っていいでしょう。
同僚のワンダー・フランコの活躍がレイズでは印象的だったのですが、フランコの出場試合数はアロザレーナの半分に過ぎませんから、流石にそこで票が割れることはないと思われます。
ライアン・マウントキャッスル(BAL)
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | OPS | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
144 | .255 | 33 | 89 | .309 | .796 | 4 |
マウントキャッスルも2年目の選手ですが、新人資格を持っています。
前半戦終了時点ではそれほど数字が伸びていなかったのですが、後半戦に入って本塁打が急増し、最終的に記録した33本塁打は今季の新人ではトップの数字です。
ただ、打率、出塁率ともに高くないためOPSでは上述のアロザレーナを少し下回っています。
打点は前半戦で有力だったアドリス・ガルシアに1歩届かず新人で2位。
しかし、飛びぬけた数字のないアロザレーナに対して本塁打1位、打点2位のマウントキャッスルの方を評価する方もいるでしょう。
主に一塁手として出場していたため、守備貢献度はあまり高くありません。
エマニュエル・クラッセ(CLE)
試合 | 勝 | セーブ | 防御率 | 投球回 | 奪三振 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|
71 | 4 | 24 | 1.29 | 69.2 | 74 | 0.96 |
新人の枠を飛び越えて非常に優秀な成績を残したのがこのクラッセ。
8月は防御率0.00で最優秀リリーバーに選ばれるなど、後半戦は防御率0.82という驚異的な活躍ぶり。
ただチーム状況もあってセーブ数がそれほど伸びなかったのが悔やまれます。
リリーバーとしては飛びぬけた数字を残したと言っていいクラッセですが、そもそもア・リーグでリリーバーの新人王となると2010年のネフタリ・フェリース、2009年のアンドリュー・ベイリーあたりまでさかのぼります。
2010年も2009年も、野手にそれほどいい成績の選手がいなかったので、アロザレーナ、マウントキャッスルがいる今回は難しいかもしれません。
ルイス・ガルシア(HOU)
試合 | 勝 | 敗 | 防御率 | 投球回 | 奪三振 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|
30 | 11 | 8 | 3.48 | 155.1 | 167 | 1.18 |
11勝、155.1回、167奪三振は新人トップの成績で、新人先発投手としては間違いなく一番の成績でした。
しかし、規定投球回には届かなかったことで、他の新人野手に比べて見劣りしてしまいます。
2016年のア・リーグでは、規定未到達のマイケル・フルマーが今回のガルシアと似た成績で受賞しましたが、この時の野手有力候補だったゲイリー・サンチェスとタイラー・ネイキンもそれぞれ規定未到達でした。
ナ・リーグ新人王候補
ジョナサン・インディア(CIN)
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | OPS | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
150 | .269 | 21 | 69 | .376 | .835 | 12 |
前半戦終了時点では後述のロジャースに次ぐ存在でしたが、後半戦に長打を量産し一気に大本命に躍り出ました。
本塁打は新人2位となる21本塁打を記録し、打点は新人1位の69打点でした。
最大の特長はその出塁能力の高さで、それに伴いOPSも高水準です。
打撃成績は派手さはないもののハイレベルにまとまっており、最大のライバルであったロジャースが長期離脱したこともあって新人王最有力です。
既に、ベースボールアメリカが選出する新人王に選ばれています。
トレバー・ロジャース(MIA)
試合 | 勝 | 敗 | 防御率 | 投球回 | 奪三振 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|
25 | 7 | 8 | 2.64 | 133.0 | 157 | 1.15 |
前半戦終了時点ではロジャースが新人王大本命でした。
しかし後半戦は、怪我に悩まされ、長期離脱したこともあって1勝もすることができませんでした。
後半戦は一度も6回を投げきることができず、結局規定投球回にも全く到達しませんでした。
それでも新人投手の中では最も好成績であることは間違いありません。
パトリック・ウィズダム(CHC)
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | OPS | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
106 | .231 | 28 | 61 | .305 | .823 | 4 |
シーズン中に30歳になったかなりの遅咲きですが、新人選手の中ではトップの28本塁打を記録しました。
今季メジャー昇格したのも遅かったため試合数こそあまり多くありませんが、パワーに関しては今季の新人ではずば抜けた存在だったと言っていいでしょう。
今季開幕から出場していれば、もしかしたらインディアではなくウィズダムが最有力だったかもしれません。