2022年ポジション別ランキング〈先発投手編〉

ジェイコブ・デグローム MLB
引用:https://twitter.com/MLB/status/1408887112716455937

ポジションごとのトップ10選手をランキング形式で紹介します。
今回は、先発投手編です。
順位をつけるにあたって、基本的には現在の実力を重視していますが、直近2年程度までの実績は考慮しています。

先発投手ランキング

10位 マックス・フリード(ATL)

元々は全体7位でドラフト指名されてパドレスに所属していましたが、ジャスティン・アップトン獲得のトレードでブレーブスへ移籍。
その後23歳でメジャーデビューを果たしました。
2019年に初の規定投球回到達に加えて17勝を記録したことで、ローテーションの要の一人となり、2020年には短縮シーズンながら無敗。
エースとして臨んだ昨季は、前半戦は防御率4.71という不調ながらも、後半戦は防御率1.74と手がつけられない状態になりました。

速球の平均球速は93mph前後で特別速いわけではありませんが、投球の4分の1を占める縦に割れるカーブが一番の武器です。

9位 フリオ・ウリアス(LAD)

メキシコ出身左腕のウリアスは10代半ばから高く評価されており、メジャーデビューを果たしたのはなんと19歳の頃でした。
しかしその期待とは裏腹になかなか先発ローテーションに定着するに至りませんでしたが、2020年には一定の安定感を見せると、昨季はいきなり20勝をあげて最多勝に輝きました。
昨季は平均94mph前後の速球に加え、カーブとチェンジアップを操りました。
好成績の要因はカーブの進化にあったようで、その被打率はわずか.157でした。

8位 ケビン・ゴーズマン(TOR)

2012年のドラフトで全体4位という高評価でオリオールズ入りし、高い期待を受けていましたがオリオールズ時代は3番手クラスの投手でしかありませんでした。
その後トレードを二度繰り返し、成績が悪化し苦しんでいたところで獲得したのがジャイアンツでした。
ジャイアンツでの2年間は予想外にエース級の働きを見せ、昨季のジャイアンツの躍進に大きく貢献しました。
投球のほとんどを速球とスプリッターが占めており、現役有数のスプリッターの使い手です。

7位 ウォーカー・ビューラー(LAD)

ドラフト全体24位でドジャース入りした生え抜き投手で、初の規定投球回に到達した2019年には勝率1位を記録しました。
2020年シーズンはIL入りする期間がありながらも好投をみせ、昨季はキャリアハイの活躍でサイ・ヤング賞投票4位に入りました。
平均96mph前後の速球に加え、カッター、カーブ、スライダー、シンカー、チェンジアップなど多彩な変化球を操る本格派で、制球もいいという弱点のない投手です。

6位 ブランドン・ウッドラフ(MIL)

プロ入り時は11巡目と高く評価されておらず、デビューも24歳と遅咲きの投手です。
先発ローテーションに定着した2019年にはオールスターに初選出されるなど、その当時から投球内容の質の高さは際立っていました。
奪三振力と制球力がともにハイレベルで、最大の武器は平均96mphほどのスピードで動くシンカーで、これまでキャリア通算でシンカーを本塁打されたの4度だけです。
昨季からカーブを多投するようになり、極めて有効的なウィニングショットになっていました。
これだけの投球の質を持っており、昨季はチームも地区優勝を果たしたにも関わらず、ウッドラフ自身は二年連続で負け越しています。
しかし、9勝10敗で負け越しながらも昨季はサイ・ヤング賞投票で5位にランクインするなど投球内容は高く評価されています。

5位 ゲリット・コール(NYY)

ドラフト全体1位指名投手であり、アマチュア時代から世代最高の投手として評価されてきました。
プロ入り後もその実力を遺憾なく発揮しており、2015年には19勝、2019年には20勝を記録するなど、現役屈指の勝てる投手として君臨してきました。
2019年オフには、投手史上最高額となる9年総額3億2400万ドルの契約を締結しヤンキースへ加入。
2018年から毎年サイ・ヤング賞投票5位以内に入っており、近年の安定感はMLB最高といえます。
アマチュア時代から100mphの速球がウリでしたが、昨季は最速101.5mphを記録しました。
平均球速は97mphに到達しますが、それだけの剛速球を投げながらもリーグトップクラスの制球力を持ち合わせています。
弱点はないように見えますが、近年は被本塁打がやや多い傾向にあります。

4位 ザック・ウィーラー(PHI)

全体6位の高評価でジャイアンツに指名され、その後メジャーデビュー前にカルロス・ベルトランとのトレードでメッツへと移籍しました。
デビューしてからの最初の2年間は若手投手として申し分ない活躍でしたが、2015年にトミー・ジョン手術を受け、そこから約2年間を全休し、復帰した2017年も怪我が多発するなど思うように生きませんでした。
しかし翌2018年からは本来の力を取り戻し、フィリーズへと移籍した2020年にはエース級の活躍。
昨季はエースのアーロン・ノラを押しのけてサイ・ヤング賞争いに顔を出し、投票では惜しくも2位に終わったものの、最多投球回と最多奪三振に輝きました。
実は昨季のrWAR7.6はMLBの投手全体で1位でした。
若い頃から速球投手としてならしていましたが、トミー・ジョン手術明けから徐々に球速が上昇し、フィリーズ加入後の平均球速は97mphを超えています。
同時に制球難も克服しており、制球力も年々向上しています。
また、平均91mphを超える高速スライダーも大きな武器としています。

3位 マックス・シャーザー(NYM)

サイ・ヤング賞3回という現役最高の実績を持つ投手であり、いまや37歳ですがまだサイ・ヤング賞を狙える活躍を見せています。
タイガース時代にジャスティン・バーランダーとの最強の二枚看板として活躍し、7年2億1000万ドルという大型契約でナショナルズに加入。
タイガース時代を超える活躍を見せ続け、昨季チーム解体を決めたナショナルズからトレードでドジャースへ移籍しました。
優勝争いをしているチームへ移籍したことでモチベーションアップにつながったのか、ドジャースでは7勝0敗 防御率1.98という非の打ち所がない活躍をみせました。
その実績を引っさげてFAになったことでメッツと3年1億3000万円という契約を結び、単年あたり約4333万ドルというのはMLB市場最高額となりました。
30代後半という年齢は、普通の投手であれば軟投派へスタイルチェンジしていてもおかしくないのですが、シャーザーはほとんど衰えを見せておらず、速球の平均球速は95mph近くを維持したままです。
流石に若い頃のように100mphは無理ですが、ここ数年の投球スタイルはほとんど変わっていません。
シャーザーがナショナルズと結んだ7年契約は、史上最高の大型契約の一つと評価されてもおかしくないものでした。
今回メッツと結んだ契約も、この高水準の投球を維持したまま全うしてもおかしくありません。

2位 コルビン・バーンズ(MIL)

ほとんど無名に近い投手だったバーンズは、メジャーデビューした2018から2019年にかけては主にリリーフ登板でした。
しかし本格的に先発投手として投げ始めた2020年に防御率2.11という好成績を残していきなりサイ・ヤング賞投票6位に入り、その勢いのまま昨季は最優秀防御率とサイ・ヤング賞を勝ち取りました。
昨季のバーンズは投手として必要なものを全て持ち合わせていると言っても過言ではありませんでした。
驚異的な奪三振力、抜群の制球力に加え、なによりすごいのはその被本塁打の少なさです。
2020年の被本塁打率0.302021年の被本塁打率0.38は、他の好投手と比較しても圧倒的といえる数値。
その最大の武器はカッターで、4シームをほとんど投げず、カッターを軸にカーブ、スライダー、チェンジアップ、シンカーを使い分けます。
カッターは2020年から投げ始めたものですが、昨季は最速99mph以上も記録しています。
また、カッターの次に強みとなっているカーブは比較的高速で、なんと2021年の被打率は.069というとんでもない数値を叩き出しています。
この2球種を軸にして今季も圧倒的な投球を披露してくれるはずです。

1位 ジェイコブ・デグローム(NYM)

25歳とメジャーデビューは遅かったものの、デビューイヤーから好成績を出し新人王に輝きました。
それからも毎年好投を続け、2018年から2年連続でサイ・ヤング賞を獲得したことで現役最高の投手と評価されるようになりました。
昨季はそこからさらにレベルアップを果たし、シーズン途中に故障離脱するまでの投球は史上最高と言っても差し支えないようなものでした。
防御率1.08FIP1.24WHIP0.554といった数字は、規定投球回には遠く及ばないものの、今のデグロームを史上最高の投手の一人と評価させる要因の一つとなっています。
若い頃の彼は十分速球派投手ではあったものの、歳を重ねるごとに球速が上がっており、昨季はついに平均球速99mph超えを達成してしまいました。
もちろん先発投手としてはあまりにも規格外な数字です。
投球内容は至ってシンプルで、投球の9割以上を平均99mphの速球と平均92mph程のスライダーの2球種で占めています。
どちらも打者がヒットすら打つのが困難なほどの一級品で、メジャーの一流打者たちもこの二択を攻略できていません。
100mph近い速球と93mph近いスライダーを、狙ったところに投げておけば打たれることはない、という投手の究極系ともいえる存在です。
懸念されるのは唯一健康状態だけです。
フルシーズンを故障なく過ごすことができればもはやサイ・ヤング賞は間違いないと言っていいかもしれません。
デグロームと言えば好投しても援護がないことで有名でしたが、昨季は7勝2敗と例年に比べて勝ててはいました。
未だ獲得したことのない最多勝のタイトルをとれるかどうかも注目です。

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