今季6月22日にメジャーデビューを果たしたワンダー・フランコは、当時MLB公式のプロスペクトランキングで全体1位という誰もが認める最高の若手有望株でした。
デビュー戦でいきなり本塁打を放つ活躍を見せましたが、そこからしばらくはメジャーに適応するのに時間がかかっていました。
あのマイク・トラウトでも初年度は打率2割前半に終わったわけですから、20歳の若さで昇格したフランコも今季は苦しむのは想定内でした。
ところが現在、フランコは絶賛ブレイク中。
完全に適応したように見えます。
今季の月別成績
月 | 試合 | 打率 | 本塁打 | 出塁率 | OPS |
---|---|---|---|---|---|
6 | 8 | .194 | 1 | .306 | .628 |
7 | 21 | .256 | 2 | .293 | .724 |
8 | 18 | .310 | 3 | .380 | .901 |
全体 | 47 | .266 | 6 | .329 | .775 |
6月はデビュー試合以外では長打が出ず、7月は打率こそ向上したものの選球眼に苦しみました。
しかし、8月に入るとコンスタントにヒットが出るようになり、BB/Kも大きく改善されました。
7月は5四球、20三振だったのに対して、8月は6四球7三振で、選球眼とコンタクト力の面で本来の実力が出せるようになっています。
直近7試合の成績
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | OPS | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
7 | .429 | 1 | 7 | .484 | 1.198 | 0 |
フランコは現在24試合連続出塁を記録しています。
また、上表のとおりここ7試合の数字が非常にホットで、この期間中フランコはわずか1三振しかしていません。
ルーキーという枠を超えて、現在彼はMLBで最も打ち取るのが難しい打者であり、特に三振を奪うことは非常に困難になっています。
彼の見込まれていたポテンシャルを考えれば、これが単なるまぐれと考えるわけにはいかないでしょう。
優勝争いをしているチームの主力に
順位 | チーム | 勝 | 敗 | 勝率 |
---|---|---|---|---|
1 | レイズ | 77 | 48 | .616 |
2 | ヤンキース | 73 | 52 | .584 |
2 | レッドソックス | 71 | 55 | .563 |
4 | ブルージェイズ | 65 | 58 | .528 |
5 | オリオールズ | 38 | 85 | .309 |
フランコの所属するレイズは、現在超激戦区のア・リーグ東地区で首位にたっています。
レッドソックスとレイズの間で繰り広げられていた熾烈な首位争いは、絶賛10連勝中のヤンキースの猛追によってヤンキースとレイズの争いへと移行しつつあります。
フランコが昇格した6月からレイズは優勝を目指す戦いをしており、そこにフランコが十分な戦力として参加しているという事実が驚愕です。
通常彼のような超有望株が所属するチームは弱いことが多く、あまり優勝のプレッシャーのない状態で昇格するパターンがよく見られます。
しかしフランコは、優勝争いの真っただ中で昇格し、そのまま戦力として定着。
さらに3番遊撃手としてチームを勝利に導いています。
昨季終盤に昇格しポストシーズンでも大暴れした同僚のランディ・アロザレナと同様に、フランコもレイズがワールドシリーズ制覇を目指すうえでの最重要ピースとして活躍することは間違いないでしょう。