トレード確実ということで注目されていたカブスの守護神キンブレルですが、同じシカゴにあるホワイトソックスへのトレードが決まりました。
クレイグ・キンブレル(33)
試合 | 勝 | 敗 | セーブ | 防御率 | 奪三振 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|
622 | 33 | 27 | 371 | 2.07 | 990 | 0.94 |
現役でも屈指のキャリアを誇るキンブレルは、デビュー以来常にリーグ最高峰のクローザーとして活躍を続けてきました。
しかしカブスと3年契約を結んだ2019年に突如成績が急落し、2020年も同様の不振に陥りました。
リリーフ投手の選手寿命は短く、30歳を過ぎたキンブレルももう終わったかと思われましたが契約最終年の今季は全盛期を超えるような活躍で現時点ではキャリアハイと言ってもいい成績を収めています。
試合 | 勝 | 敗 | セーブ | 防御率 | 奪三振 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|
39 | 2 | 3 | 23 | 0.49 | 64 | 0.71 |
トレードの内容
ホワイトソックスが獲得した選手:クレイグ・キンブレル
カブスが獲得した選手:ニック・マドリガル、コディ・ハウアー
この交換要員はかなり驚きました。
マドリガルは2018年のドラフトで全体4位指名され、昨年デビューを果たした二塁手です。
新人だった昨季は打率.340、今季も打率.305としっかり結果を残していました。
6月に手術で今季絶望となりましたが、来季以降も活躍できる選手でした。
ハウアーも25歳の右投手で、既に今季メジャーで40試合投げている選手です。
ホワイトソックスの思惑
はっきり言って、今回ホワイトソックスが支払った代償は非常に高くつきました。
ハウアーはともかくマドリガルは今後数年にわたってチームを支える選手になる可能性が高かっただけに非常に惜しいです。
一方で、とにかく今季ワールドシリーズ制覇をしたいということならこの選択もありです。
マドリガルは今季復帰できない選手であり、その選手と引き換えにリーグ最高のリリーフ投手を2か月だけ手に入れたわけです。
ホワイトソックスには今季オールスターでセーブを挙げた守護神リアム・ヘンドリックスがいます。
彼とキンブレルのデュオは、MLB全体でも最高の組み合わせと言っていいでしょう。
ホワイトソックスはとにかく先発投手が非常に充実している反面、リリーフがやや弱点になっていました。
ポストシーズンでは絶対的な先発投手の存在と、確実にゲームを終わらせることができるリリーフの存在が不可欠です。
ホワイトソックスは将来性と引き換えに今季に全てを賭けます。
カブスの思惑
キンブレル移籍はもうほとんど決まっていたことでした。
後はどこがとることになるか。
同じシカゴのチームになるとは思いませんでしたが、ホワイトソックスの今季ワールドシリーズ制覇への思いが非常に強かったため、カブスにとってはかなり割のいい取引になりました。
今季契約が切れるキンブレルと引き換えに、来季から主力として活躍してくれること間違いなしの二塁手マドリガルの獲得です。
四球をあまり選ばずに長打力にも欠ける好打者というのは現代では評価されづらい選手ですが、こういう選手も一人いると助かります。
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