日本人メジャーリーガーの2021年シーズン総括【後編】

パイレーツの筒香嘉智 MLB
Pirates公式Twitterより引用

今回は後編です。

5位 前田健太 C⁺

試合防御率投球回奪三振四球被本塁打WHIP
21654.66106.111332161.30
FIPxERA投手fWAR投手rWAR
4.103.731.70.4
「fWARはFangraphsによるWAR」「rWARはBaseball ReferenceによるWAR」

昨季サイ・ヤング賞投票2位の大活躍をみせた前田ですが、今季は昨季の好調を取り戻せないまま故障でシーズン終了。
トミー・ジョン手術を受けたため、復帰は早くても来季終盤、もしくは来季全休となる可能性もあります。
粘着物質取り締まり強化の影響を受けている様子はありませんでしたが、球速はやや低下していました。
33歳でのトミー・ジョン手術というのはかなりリスキーではあるのですが、幸い契約期間は2023年まで残っており、来季全休したとしても2023年シーズンに完全復活することができれば、またそこから契約延長を狙えます。

6位 筒香嘉智 C

試合打率本塁打打点出塁率長打率OPS盗塁
81.217832.307.383.6890
wOBABABIP野手fWAR野手rWAR
.302.2780.2-0.6
「fWARはFangraphsによるWAR」「rWARはBaseball ReferenceによるWAR」

昨季は短縮シーズンながら8本塁打を放ち、その長打力の片りんをみせましたが、今季は地区優勝争いをするレイズにあって、打率1割台に加えて自慢の本塁打が一本も出ずに苦しみ、5月にはDFAとなりました。
その後、格安でとれるということで当時野手にけが人続出だったドジャースが獲得しましたが、新天地で打撃成績はさらに悪化し、長打どころかヒットもほとんど出ないありさまでした。
ドジャースでマイナー落ちしながらも、マイナーでは徐々に調子を上げていたところ、今度はパイレーツが獲得。
するとまるで別人のようによく打ち、パイレーツでは43試合で8本塁打 OPS.883という好成績を残しました。

最終盤には一時期の勢いを失っていたものの、この活躍のおかげでまだ来季もメジャー契約を獲得できる可能性がでてきています。
一応両翼と一三塁を守れるというユーティリティ性も評価されているため、パイレーツに残留することができるかもしれません。

7位 秋山翔吾 C⁻

試合打率本塁打打点出塁率長打率OPS盗塁
88.204012.282.253.5352
wOBABABIP野手fWAR野手rWAR
.243.268-0.5-1.1
「fWARはFangraphsによるWAR」「rWARはBaseball ReferenceによるWAR」

2年目で外野の定位置をつかみたい秋山でしたが、今季のレッズは外野手が非常に充実しており、打撃力に乏しい秋山はチャンスをものにすることができませんでした。
守備では魅せるシーンもあったものの、打者有利のグレートアメリカンボールパークを本拠地にしながら未だにメジャーでの本塁打は0本と、長打力はメジャー最低クラスです。
日本での実績から考えると異常なほど数字が悪く、2年目にして四球率、三振率がともに悪化。
年齢的な衰えもあるのか、打者としてのクオリティがどんどん劣化しています。
3年2100万ドルと、来季まで契約は残っていますが、年齢と数字を考えるといつリリースされてもおかしくありません。

8位 有原航平 C⁻

試合防御率投球回奪三振四球被本塁打WHIP
10246.6440.22413111.43
FIPxERA投手fWAR投手rWAR
6.768.02-0.6-0.7
「fWARはFangraphsによるWAR」「rWARはBaseball ReferenceによるWAR」

日本人投手史上でも最悪クラスの出来でした。
故障のため5月からIL入りし、9月に復帰。
チームは地区最下位でプレッシャーの少ない中で、復帰後も悲惨な投球でした。
10試合に登板してQSは一度も達成できず、最長でも5.2回しか投げることができませんでした。
また、奪三振力の低さと被本塁打の多さは深刻な問題で、現時点では改善の傾向もありません。
2年契約を結んでいるものの、9月には40人枠から外れてウェーバーにかけられました。
結局獲得を狙うチームはなく、レンジャーズのマイナーに落ちたわけですが、来季メジャーのロースターに復帰できるかどうかはこのオフシーズン次第です。
再建期のレンジャーズは有原にとって最もチャンスのあるチームですが、来季そこでも戦力になれないとなれば、シーズン途中で帰国という可能性もありそうです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました