ポジションごとのトップ10選手をランキング形式で紹介します。
今回は、一塁手編です。
順位をつけるにあたって、基本的には現在の実力を重視していますが、直近2年程度までの実績は考慮しています。
一塁手ランキング
10位 ユリ・グリエル(HOU)
キューバに至宝として長年活躍し、一時はNPBの横浜DeNAベイスターズでもプレーしていましたが紆余曲折ありMLB挑戦。
アストロズに入団後は2019年に31本塁打を記録するなど強打者として活躍していました。
しかし2020年には毎年.290程度を記録していた打率も急降下するなど打撃成績が悪化。
年齢的にももう終わりかと思われましたが、昨季は初の首位打者に加えゴールドグラブ賞にも輝くなど攻守に渡りチームをけん引しました。
9位 ブランドン・ベルト(SF)
常にジャイアンツの一塁を守ってきたベルトですが、一塁手でありながらこれまでのキャリアハイは18本塁打と、パワーヒッターではありませんでした。
どちらかという出塁タイプだったのですが、2020年にOPS1.015と打撃面でブレイク。
昨季は故障で97試合の出場に終わりましたが、29本塁打とキャリアハイを大幅に超える長打力を見せつけました。
昨季の本塁打率はあのゲレーロJr.をも上回っており、今季フルシーズン健康でプレーできるなら思わぬMVP候補になるかもしれません。
8位 ジョーイ・ボットー(CIN)
現代では少なくなってしまった生粋のフランチャイズプレイヤーで、レッズの伝説になりつつあります。
2010年にMVPを獲得するなど、全盛期はリーグ最高の一塁手として活躍していました。
その最大の魅力は出塁能力で、極めて高い選球眼とコンタクト力でこれまでに7度最高出塁率に輝いています。
その出塁能力は、チャンスでも打たずに出塁することで批判されたこともあるほど。
2014年から2023年まで10年2億2500万ドル(2024年は球団オプション)という巨額契約を結んでいますが、近年は流石に衰えが隠せずやや不良債権化しつつありました。
ところが37歳になった昨季は突然全盛期の長打力を取り戻し、OPSは4年ぶりとなる.900越えを記録しました。
中でも圧巻だったのは7月にみせた7試合連続本塁打で、これはMLB歴代2位の記録でした。
果たして昨季の活躍はベテランの一時的な狂い咲きだったのか、今季の活躍ぶりで推し量れるでしょう。
7位 マックス・マンシー(LAD)
現役有数の選球眼と、毎年30本塁打以上を記録するパワーを兼ね備えた現代的なパワーヒッターです。
2020年には打率1割台を記録するなど、コンタクト面での安定感はありませんが、四球で出塁することが多いため頼りになります。
それでいて三振が極端に多いわけでもありません。
実はユーティリティプレイヤーであり、昨季は主に一塁でプレーしたためこのカテゴリで紹介しましたが、今季は後述のフリーマンの加入によりDHや他の内野ポジションを守ることになりそうです。
ドジャースのような豊富な人材を次々獲得するチームにとって、彼のような複数ポジションを守れる選手は貴重な存在です。
6位 ホゼ・アブレイユ(CWS)
キューバで圧倒的な活躍をみせホワイトソックスに加入後、これまで常に一線級の一塁手として活躍し続けてきました。
2014年には新人王、2020年にはMVPにも輝きました。
打点を稼ぐことに定評があり、短縮シーズンの2020年を除けば8シーズンのうち7シーズンで100打点以上を記録し、2019年と2020年には打点王も獲得しています。
既に35歳ですが、現在結んでいる契約が今季で終了するため、最後の大型契約を得るためにも今季は発奮するはずです。
5位 ピート・アロンゾ(NYM)
2019年に新人ながら53本塁打を記録するなど、現役では3人しかいない50本塁打クラブの一人。
昨季は史上3人目となるホームランダービー連覇も果たすなど、パワーに関してはMLB最高級です。
一方で、現代野球で非常に重視されている選球眼についてはそれほど良くありません。
本塁打の量産ペースは歴史に残るペースであるだけに、再び彼が本塁打王の座につく活躍をみせれば、おのずとメッツもワールドシリーズ制覇に近づくはずです。
メジャーに定着してから今のところ長期離脱をしたこともないのも好印象です。
クマのような見た目から、ポーラーベアのあだ名で親しまれています。
4位 マット・オルソン(ATL)
2019年に初の36本塁打を記録しながら、2020年には打率1割台の大不振。
不振ながらも本塁打は60試合で14本塁打と生粋のパワーは発揮してみせました。
昨季は初のフルシーズンOPS.900超えで、オールスターに選出されるなどついにMLBを代表する一塁手として台頭しました。
最大の特徴はパワーで、高打率は残せないものの選球眼が良く出塁能力の高さもウリです。
フリーマンの代わりとして、ブレーブスがトレードで獲得後8年1億6800万ドルで契約延長したことも納得の選手です。
3位 ポール・ゴールドシュミット(STL)
MVPクラスの成績とまでは言えませんが、毎年安定して好成績を残しています。
昨季は3割30本100打点に近い数字で、ゴールドグラブ賞を受賞するなど全てにおいてハイレベル。
2016年には32盗塁を記録するなど、俊足ではないものの盗塁技術も高いものがあります。
昨季も12盗塁を記録しながら盗塁死は0。
一塁手としては珍しく走攻守全てにおいて貢献できる選手です。
直近7年連続でMVP投票に登場しており、ベテランの域に入りましたが今季も一定の活躍が期待できます。
2位 フレディ・フリーマン(LAD)
ブレーブスのプロスペクトとして2010年にメジャーデビューを果たして以来、常に安定感のある成績でチームを支えてきました。
2020年には短縮シーズンながら驚異的な打撃でMVPを獲得。
昨季も3割30本を達成する活躍で初のチャンピオンリングを手にすることに貢献しました。
引退までブレーブスのフランチャイズプレイヤーとしてプレーするかと思われましたが、ブレーブスが前述のオルソンをトレードで獲得したことで、ドジャースと6年1億6200万ドルで契約しました。
フリーマン自身は、ブレーブスが連絡なくオルソンを獲得したことを非常に残念がっていました。
1位 ブラディミール・ゲレーロJr.(TOR)
名外野手ブラディミール・ゲレーロの息子が、MLB全体No.1プロスペクトとして2019年にデビューしてからはや3年でMLB最高の打者へと上り詰めました。
2020年時点ではまだ時間がかかりそうという感じでしたが、昨季は序盤から一気に大ブレイク。
あわや三冠王かという活躍で、最終的には本塁打王に輝きました。
規格外の二刀流大谷翔平という存在がなければ間違いなくMVPを獲得していたであろう成績で、今季はチームが大補強を進めたこともあってMVPの最有力候補の一人です。