2021年のMLBドラフト会議が現地時間7月11日より三日間かけて開催されます。
開始前に、ドラフトの順位と有力候補選手についておさらいしておきたいと思います。
2021MLBドラフト1巡目
1巡目 | チーム |
---|---|
1 | ピッツバーグ・パイレーツ |
2 | テキサス・レンジャーズ |
3 | デトロイト・タイガース |
4 | ボストン・レッドソックス |
5 | ボルティモア・オリオールズ |
6 | アリゾン・ダイヤモンドバックス |
7 | カンザスシティ・ロイヤルズ |
8 | コロラド・ロッキーズ |
9 | ロサンゼルス・エンジェルス |
10 | ニューヨーク・メッツ |
11 | ワシントン・ナショナルズ |
12 | シアトル・マリナーズ |
13 | フィラデルフィア・フィリーズ |
14 | サンフランシスコ・ジャイアンツ |
15 | ミルウォーキー・ブルワーズ |
16 | マイアミ・マーリンズ |
17 | シンシナティ・レッズ |
18 | セントルイス・カーディナルス |
19 | トロント・ブルージェイズ |
20 | ニューヨーク・ヤンキース |
21 | シカゴ・カブス |
22 | シカゴ・ホワイトソックス |
23 | クリーブランド・インディアンス |
24 | アトランタ・ブレーブス |
25 | オークランド・アスレチックス |
26 | ミネソタ・ツインズ |
27 | サンディエゴ・パドレス |
28 | タンパベイ・レイズ |
29 | ロサンゼルス・ドジャース |
1巡目は抽選形式のNPB(日本のプロ野球)と異なり、MLBは戦力均衡化のために完全ウェーバー制を採用しています。
そのため、前年勝率が低かったチームから順にドラフト指名権が与えられることになります。
今回の場合は、前年勝率.317でMLB全体で最も勝率の低かったパイレーツが全体1位指名権を持っています。
前回パイレーツが全体1位指名権を持っていたのは2011年ドラフトの時で、その際は今やヤンキースのエースとして君臨しているゲリット・コールを指名しました。
また、本来ならば1巡目指名は30チームとなるところですが、アストロズはサイン盗みに関するペナルティにより今年の1巡目および2巡目指名権をはく奪されているため、今回は1巡目は29チームです。
過去10年の主な全体1位指名選手
ゲリット・コール(2011年全体1位)
2008年のドラフトでヤンキースから1巡目全体28位で指名を受けたものの、大学進学の意思が強く契約はせず。
大学では、こちらも2011年全体3位指名を受けたトレバー・バウアーと二枚看板として活躍し、ドラフト前から1位指名の最有力候補として話題になりました。
前評判通りパイレーツが1位指名し、2013年にメジャー昇格。
トレードで移籍したアストロズでは、2019年に20勝 326奪三振の圧倒的な活躍をみせ、FAとなったオフには投手史上最高額でヤンキースに移籍しました。
カルロス・コレア(2012年全体1位)
プエルトリコ出身選手初の全体1位指名を受け、アストロズに入団。
遊撃手でありながら高い打力を持ち、2017年はチームのワールドシリーズ優勝に大きく貢献。
今オフにFAとなる見込みで、FA市場の目玉選手として注目されています。
ケイシー・マイズ(2018年全体1位)
タイガースからの全体1位指名を受け入団。
2020年にメジャーデビューを果たしたものの、7試合で防御率6.99と散々なデビューイヤーとなりました。
全体1位というのは彼には荷が重すぎたかと思われていましたが、今季は貧弱なタイガース先発ローテーションの軸となりエース級の活躍を見せています。
アドリー・ラッチマン(2019年全体1位)
2001年のジョー・マウアー以来の捕手の全体1位指名選手としてオリオールズに入団。
オリオールズ再建のキープレイヤーとなっており、今季はMLB公式サイトのプロスペクトランキングで全体2位の評価を受けています。
足以外の全てのツールの評価が高く、バスター・ポージー以来の打てる捕手として期待が高まっています。
スペンサー・トーケルソン(2020年全体1位)
近年常に最下位付近をうろついているタイガースがコロナ禍の昨年またしても得た全体1位指名権で獲得したのがトーケルソン。
ドラフト前から全体1位の呼び声高く、とにかく打撃が高評価な選手。
今季はMLB公式サイトのプロスペクトランキングで、上述のラッチマンに次いで全体3位となっています。
2021年ドラフト有力選手トップ10(MLB公式選出)
1位:マルセロ・メイヤー(18) 遊撃手
右投左打
コーリー・シーガーやブランドン・クロフォードと比較される、将来のスター遊撃手。
2位:ジャック・ライター(21) 投手
右投右打
2019年ドラフト時にもトップ選手として評価されていたものの、大学進学の意思が強かったため指名されたのはヤンキースからの20巡目。
当然契約はせず大学進学し、今回のドラフトでは投手として最高の逸材と評価されています。
常時93mph(約150km)前後の速球に、縦に割れるカーブ、鋭いスライダーを主に投げ分ける本格派投手です。
3位:ジョーダン・ロウラー(18) 遊撃手
右投右打
上述のメイヤーと評価を二分する選手で、2019年全体2位指名のボビー・ウィットJr.と比較される逸材。
4位:カリル・ワトソン(18) 遊撃手
右投左打
高打率を残せる打撃力と、足がウリの遊撃手。
5位:ヘンリー・デイビス(21) 捕手
右投右打
毎年20本塁打を残せるであろう打撃力に加え、随一の強肩を誇る捕手。
6位:クマール・ロッカー(21) 投手
右投右打
2018年のドラフト時に高い評価を受けていたものの進学希望のため、ロッキーズから38巡目指名となり、契約せずに大学へ進学。
大学では19奪三振ノーヒットノーランを達成するなど1年生時から大活躍しました。
元NFL選手の父を持ち、その恵まれた体格から最速99mph(約160km)の速球がウリですが、最大の武器は三振の山を築くスライダー。
*8月2日追記
メッツから全体10位指名を受けましたが契約合意に至りませんでした。
詳細は≪ドラフト全体10位指名クマール・ロッカーは契約合意せず≫でご覧ください。
7位:ジャクソン・ジョーブ(18) 投手
右投右打
今ドラフトにおいて、ロッカーと並び最高のスライダーの使い手と言われている投手。
8位:ブレイディ・ハウス(18) 遊撃手
右投右打
恵まれた体格を持つ強肩強打の遊撃手。
9位:タイ・マッデン(21) 投手
右投右打
2018年にロイヤルズから34巡目指名されるものの、契約せずに進学。
大学で大きく成長し、ストライクゾーン内で勝負できる完成度の高い投手と評価されています。
10位:コルトン・カウザー(21) 外野手
右投左打
走攻守揃った外野手で、特に打撃が高評価。
メッツのブランドン・ニモと比較されています。