大谷翔平、ダルビッシュ有、菊池雄星の日本人3選手が選出され、大谷のホームランダービー出場もあって日本でも大いに盛り上がっています。
なにより注目されているのが大谷の起用法ですが、このほど大谷が二刀流起用されることが明言されました。
投手としてどのタイミングで起用されるかという部分はまだ検討中ではあるものの、試合会場はロサンゼルスと(アメリカ基準で)比較的近いクアーズフィールドですから、大谷が登板した場合の盛り上がりはすごいことになりそうです。
さて、今回はそんなオールスターのロースターが発表されたことで見えてきた、MLBの国際化について話をしていきたいと思います。
MLBの国際化は進んでいるのか?
2011年オールスターロースター
上記画像は、ちょうど10年前の2011年オールスターに選出された選手の出身地割合をグラフ化したものです。
この年のオールスターは怪我や辞退などで選出者は過去最多の84名となりました。
そのおよそ4分の3にあたる62人がアメリカ人で、それにドミニカ、ベネズエラが順当に続きます。
選出国数としては、アメリカ、ドミニカ、ベネズエラ、プエルトリコ、カナダ、オランダ、パナマの7か国でした。
2021年オールスターロースター
こちらは今年のオールスターのグラフですが、選出者は現時点で70名ですから、2011年と比べると母数は少なくなってしまいます。
このグラフを比較してみると、アメリカ人の割合が10%低下し、選出国数も9か国に増えました。
選出国はアメリカ、ドミニカ、ベネズエラ、日本、キューバ、オランダ、カナダ、プエルトリコ、オーストラリアです。
2021年開幕ロースターの出身国割合
こちらは2021年の開幕ロースターの出身国割合のデータです。
やはりほとんどを占めているのは例年通りアメリカですが、21もの国が名を連ねています。
私が作成した上述の円グラフではキュラソーやアルーバを全てオランダ扱いにしていますが、今回引用させてもらったこちらのリストではそれぞれ別の国としてカウントしています。
日本はおよそ1%の選手でオールスターの4%を占めているのですから、よくやっていると言っていいのではないでしょうか。
すそ野が広がっている
こうしてデータを見ると、アメリカ、ドミニカ、ベネズエラの3強は変わらずですが、それ以外の国で野球人口が増えている、あるいはMLBがより身近な存在になっていることがうかがえます。
最も急速にMLBが身近になった例としてはやはりキューバでしょうか。
亡命してMLB入りした選手がトップクラスの活躍をすることが珍しくなくなってきました。
世界最速の左腕アロルディス・チャプマンの活躍は語るまでもありませんし、昨季のア・リーグMVPホセ・アブレイユや、昨季のプレーオフで大暴れした新人のランディ・アロザレーナもキューバからの亡命組です。
一時は融和が見えていたキューバとMLBの関係ですが、トランプ政権下で一度白紙に戻り、今のバイデン政権下で再び融和がもたらされることが期待されています。
キューバ人選手は今後も活躍が増えてくるはずです。
近年ついにアフリカ人メジャーリーガーが誕生したニュースもありましたし、野球が盛んではない国出身のメジャーリーガーが増えていくのはMLBの目指すところです。
また、今季のMLBを賑わせている選手というと、大谷翔平、ブラディミール・ゲレーロJr.、フェルナンド・タティスJr.、ロナルド・アクーニャJr.らがいますが、彼らはそれぞれ日本、カナダ(父はドミニカ)、ドミニカ、ベネズエラと外国出身選手ばかりです。
アメリカでは野球人気が低下していると言われていますが、今後より外国人選手の人材流入が増え、いずれスター選手は外国人ばかりという日が来るのかもしれません。