大谷翔平が独走するア・リーグの本塁打王争いですが、ここにきてロイヤルズのサルバドール・ペレスが猛追しています。
ア・リーグHR王レース
順位 | 選手 | 本塁打数 |
---|---|---|
1 | 大谷翔平 | 41 |
2 | サルバドール・ペレス | 38 |
3 | ブラディミール・ゲレーロJr. | 36 |
4 | ラファエル・デバース | 32 |
4 | マット・オルソン | 32 |
4 | マーカス・セミエン | 32 |
ア・リーグの本塁打王は大谷翔平とブラディミール・ゲレーロJr.の二人の争いという印象が強く、オールスター前に本塁打を量産した大谷が2位に5本差をつける独走態勢に入りました。
オールスター後からは以前ほどは打てなくなった大谷ですが、それでも8本塁打を記録して41本と本塁打王の地位を維持しています。
2位のゲレーロにとっては大谷の本塁打ペースが落ちたことはチャンスだったわけですが、ゲレーロもチームが7月末に本拠地が解禁された影響か打撃成績が降下しており、後半戦の本塁打数は大谷と同じ8本にとどまっています。
一方で上位2選手が足踏みしている中量産体制に入りつつあるのがロイヤルズの捕手サルバドール・ペレスです。
本来打撃タイトル、特に本塁打に関しては不利な側面のある捕手ですが、ペレスは前半戦終了時点でもリーグ9位となる21本塁打を記録しており、大谷と同様にホームランダービーやオールスターにも出場していました。
前半戦終了時点で大谷33本、ペレス21本と覆すことは困難な差がひらいていたわけですが、後半戦から本塁打のペースが急激に上がり、後半戦だけでリーグトップとなる17本塁打を記録しています。
特に、現在5試合連続本塁打を記録しており、一時期の大谷やカイル・シュワーバーのような量産体制に入りつつあります。
ゲレーロが停滞している間に、この数試合でペレスはゲレーロを抜き去り、大谷と数本差まで到達しました。
両者の本塁打ペースを考えると、ペレスが大谷を捉えるのは時間の問題かもしれません。
サルバドール・ペレス
現在31歳のサルバドール・ペレスは、ロイヤルズ一筋のフランチャイズプレイヤーです。
球界屈指の”打てる捕手”として名をはせており、本塁打数のキャリアハイは2017年と2018年に記録した27本塁打です。
しかし、今季本塁打量産の予兆は昨季見せていました。
昨季わずか37試合の出場でありながらリーグ16位の11本塁打を記録し、OPSはキャリアハイの.986を記録しました。
元々捕手としてはそれなりの打率を残すものの、四球を選ばない打撃スタイルのため出塁率が2割台ということも少なくなかったペレスは、これまではデビューイヤー以外にOPS.800を超えた年がありませんでした。
しかし昨季長打力を大きく向上させて臨んだ今季、捕手として大きな記録を残すことになりそうです。
捕手としての記録
ペレスが今季達成するかもしれない本塁打にまつわる記録は「捕手が40本塁打以上」「捕手が本塁打王」の二つです。
捕手が40本塁打以上
シーズン出場試合の75%以上を捕手として出場し、本塁打を40本以上記録した選手は過去に5人います。
そのうちジョニー・ベンチとマイク・ピアッツァは2度ずつ記録しています。
ペレスはここに6人目として名を連ねる可能性があります。
また、捕手が記録したこれまでの最多本塁打数はジョニー・ベンチが1970年に記録した45本塁打です。
ちなみに、ア・リーグの捕手のシーズン最多本塁打数は1985年のカールトン・フィスクが記録した37本塁打。
つまり、ペレスは本日38号本塁打を打ったことで、ア・リーグの捕手本塁打数の記録を更新しました。
8月時点で38本塁打を記録したペレスにとっては、ベンチの持つ45本塁打も十分射程圏内です。
捕手が本塁打王
シーズン出場試合の75%以上を捕手として出場し、本塁打王を獲得した選手は、これまでジョニー・ベンチしかいません。
ベンチは1970年と1972年にそれぞれ本塁打王に輝いていますが、こちらはナ・リーグの話。
ペレスが本塁打王を獲得すれば、ア・リーグにおいては初めて捕手が本塁打王ということになります。