今夏のトレードデッドラインで移籍した選手は、そろそろ新チームに加入してから一か月が経ちます。
彼らを獲得したチームは、当然ここから順位をさらに上へと引き上げるためのピースとしてプロスペクトを引き換えにしたわけですが、その期待通りの活躍が出来ている選手もいれば、できていない選手もいます。
今回は、トレードデッドラインで動いた主な選手の移籍後の活躍ぶりを確認し、A~Cの3段階で評価点をつけていきたいと思います。
活躍度A(移籍前よりパフォーマンスが向上)
マックス・シャーザー(LAD)
試合 | 勝 | 敗 | 防御率 | 投球回 | 奪三振 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|
5 | 4 | 0 | 1.55 | 29.0 | 41 | 0.83 |
元々サイ・ヤング賞候補となる活躍をしていたシャーザーですが、ドジャース移籍後は獅子奮迅の活躍で4勝をあげています。
先発ローテーションが崩壊気味のドジャースにとっては、彼がいなければ窮地に追い込まれていたかもしれません。
カイル・シュワーバー(BOS)
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | OPS | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
15 | .340 | 3 | 5 | .492 | 1.092 | 0 |
6月に歴史に残る活躍ぶりを見せたシュワーバーは、7月に入ると故障。
そこからナショナルズも低迷し、トレードデッドラインでの大解体につながりました。
シュワーバーはIL入りしている身ながら首位争いをするレッドソックスへトレードされ、復帰後は主にDHとしてその打棒をふるっています。
左の強打者であるシュワーバーと、レッドソックス本拠地フェンウェイパークは相性がいいため、まだまだ活躍が期待できます。
スターリング・マルテ(OAK)
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | OPS | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
29 | .344 | 2 | 14 | .376 | .840 | 20 |
マーリンズではチームで一番の好打者だったことでマークがきつかったのですが、アスレチックス移籍後は本来のプレースタイルで活躍しています。
打率が上がったことはもちろん、何より29試合で20盗塁という驚異的なペースは驚きです。
1シーズンのうちに両リーグで20盗塁ずつを達成するというのは極めて異例で、しかも移籍後の盗塁失敗は0です。
参考記事:マルテはアスレチックスへトレード
活躍度B(移籍前と同等のパフォーマンス)
カイル・ギブソン(PHI)
試合 | 勝 | 敗 | 防御率 | 投球回 | 奪三振 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|
6 | 4 | 2 | 3.16 | 37.0 | 22 | 1.19 |
移籍前の地区最下位レンジャーズでは、防御率2点台の好投をしながらも19試合に先発して6勝しかあげられませんでした。
しかし、フィリーズ移籍後は6試合(先発登板は5試合)で4勝と、期待通りの活躍をみせて、今季10勝目に到達しました。
アンソニー・リゾー(NYY)
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | OPS | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
20 | .250 | 4 | 12 | .341 | .800 | 2 |
右打者偏重のヤンキースが打線今日のために獲得したリゾー。
同様に移籍したギャロがヤンキースにとってメインでしたが、どちらかというとリゾーの方が活躍しています。
参考記事:ヤンキースがアンソニー・リゾーを獲得
トレイ・ターナー(LAD)
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | OPS | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
23 | .319 | 2 | 7 | .357 | .830 | 5 |
シャーザーと同時に移籍したターナーは、移籍後は主に二塁手として活躍しています。
移籍前と比べて本塁打はペースが落ちているものの、打率はリーグ1位を維持しています。
クリス・ブライアント(SF)
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | OPS | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
24 | .281 | 6 | 13 | .333 | .884 | 3 |
ジャイアンツへの移籍が決まって、慣れ親しんだシカゴを離れることに涙する場面もあったブライアントですが、移籍後すぐに活躍。
今季最強のジャイアンツをさらに強力なチームへと押し上げています。
エデュアルド・エスコバー(MIL)
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | OPS | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
21 | .280 | 2 | 8 | .337 | .788 | 0 |
強力な先発投手陣を擁しながら打線は物足りなかったブルワーズが、プレーオフへ向けた打線強化のために獲得したのがエスコバーでした。
移籍前22本を記録していた本塁打は激減しましたが、打率が向上しまずまずのパフォーマンスです。
ホゼ・ベリオス(TOR)
試合 | 勝 | 敗 | 防御率 | 投球回 | 奪三振 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|
6 | 2 | 2 | 3.73 | 31.1 | 36 | 1.47 |
ブルージェイズがプレーオフを狙う切り札としてトッププロスペクトを放出してまで獲得したベリオスですが、移籍後2試合で好投したものの、その後の3試合中2試合で5回もたずに炎上。
しかし、最後に投げたタイガース戦では移籍後初めて7回を投げるなど好投しました。
日によって波はあるものの、いい時はかなりの好投をみせてくれるため頼もしい存在のはずです。
ハビアー・バエズ(NYM)
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | OPS | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
19 | .227 | 4 | 8 | .282 | .736 | 0 |
それほど数字は低下していませんが、彼の移籍後にチームは急激に不振に陥り、優勝争いから脱落。
バエズのせいではないのですが、最近ではブーイングに苦言を呈してチームが謝罪する羽目になるなどプレー以外の面で悪目立ちしてしまっています。
参考記事:カブスはバエズをメッツにトレード
活躍度C(移籍前より大幅にパフォーマンスが低下)
ジョーイ・ギャロ(NYY)
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | OPS | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
30 | .144 | 5 | 11 | .310 | .656 | 0 |
このトレードデッドラインの一番の目玉であったギャロは、左打者有利のヤンキース移籍で本塁打ペースが加速するかとも思われましたが、バットに全く当たらない状態に陥っています。
しかし、実はこの不振は移籍前の7月から始まっていたものなので、ニューヨークのプレッシャーで不調になったというわけでもなさそうです。
参考記事:ヤンキースがジョーイ・ギャロを獲得か
アダム・フレイジャー(SD)
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | OPS | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
29 | .223 | 0 | 3 | .279 | .541 | 1 |
移籍時点では最多安打を記録していましたが、移籍後のフレイジャーは並以下のパフォーマンスで、パドレス低迷の一因になってしまっています。
最大の強みであった高打率は見る影もありません。
ネルソン・クルーズ(TB)
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | OPS | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
29 | .200 | 7 | 21 | .262 | .688 | 0 |
地区首位を走るレイズへ加入したクルーズですが、本塁打は出てているものの打率が大幅に低下してしまっています。
クルーズは41歳の大ベテランながらまだまだ一線級です。
この不振は一時的なものなのか、衰えによるものなのかが気になるところです。
参考記事:ネルソン・クルーズ レイズへトレード
クレイグ・キンブレル(CWS)
試合 | 勝 | セーブ | 防御率 | 投球回 | 奪三振 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|
13 | 0 | 1 | 6.57 | 12.1 | 18 | 1.30 |
カブスでは今季圧倒的だったものの、同じシカゴのホワイトソックス移籍後は登板13試合中5試合で失点。
ホワイトソックスにとってはプレーオフに向けての切り札だったはずで、キンブレルが期待通りの活躍をできないのは誤算です。
参考記事:注目のキンブレルはホワイトソックスへ
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