ワンダー・フランコ 衝撃のデビュー 全打席を解説

MLB

現地時間6/22日のレイズ対レッドソックスの試合は、レイズファン、プロスペクトファンにとって非常に衝撃的なものになりました。

先日の記事「ワンダー・フランコがやってくる!」で紹介した通り、フランコは全球団でNO.1とされる20歳のトッププロスペクトです。今季もAAAで好成績を残していた彼は、先日このレッドソックス戦でメジャーデビューすることが発表されていました。

二年連続で全体NO.1プロスペクトであると各主要媒体が手放しで評価していた彼の注目度は非常に高く、MLB公式サイトではデビュー前に特集が組まれ、この日のデビュー戦は無料で配信する大盤振る舞いでした。

そんなルーキーにとって過剰ともいえる期待と重圧を背負ってデビューを果たしたフランコは、この日既にチーム最高の選手であるかのような活躍を見せます。
本職は遊撃手ですが、この日は2番三塁でラインナップされた彼は、まず初回に新人らしからぬ選球眼を披露します。
レッドソックスの先発投手は左のエデュアルド・ロドリゲス。彼は2019年には200イニングを投げた好投手ですが、今季は防御率6点台で直近7登板で勝ち星がないなど苦しんでいる状態でした。それでもBB/9は2点台であり、コントロールが悪い投手ではありません。

そんなロドリゲスに対して右打席にたったスイッチヒッターのフランコは、メジャー初打席にしてボールをしっかり見極めます。外角のボール球には一切手を出さず、ストライクゾーンに入ってきたボールだけをスイングします。全くボールを振ってもらえない中ロドリゲスは四球を出し、初回からノーアウト1,2塁とピンチを広げます。
その後フランシスコ・メヒアのタイムリーヒットでフランコは初得点を記録します。

フランコの第一打席

フランコの第一打席

続く第二打席は3回でした。
3回表には三塁線を破るJD・マルティネスの打球をフランコがグローブにかすらせながらも捕球することができず同点にされてしまいます。その後も本塁打などでこの回一気に5得点を奪われ、逆転されてしまいます。
そんな中3回裏にリベンジしたいフランコの打席が回ってきます。
ここでもフランコはボール球には一切手を出さず、ストライクゾーン内のボールだけをスイングします。6球目のやや内角よりの真ん中のボールを打ちますが、これはセンター深くのフライとなり初アウトを喫します。

フランコの第二打席

フランコの第二打席

そして5回に衝撃の第三打席を迎えます。
「ワンダー・フランコ デビュー戦で本塁打」でも紹介した通り、この打席で彼は同点3点本塁打を放ちます。
9番のキアマイヤーが死球、1番のディアズがヒットで続いたノーアウト1,2塁の場面。試合は2対5でリードされており、ここで本塁打が出れば同点になります。
こういうところで回ってくるのはスター故でしょうか。なんとフランコは初球低めのスライダーをレフト後方のスタンドに運びます。これが彼がスイングしたこの日初めてのボール球でしたが、デビュー戦で初本塁打がチームを救う同点弾となりました。

フランコの第三打席

フランコの第三打席

続いての第四打席は7回。
早々に前の打者二人が三振となる中で、フランコは3球目をいとも簡単にハードヒットしレフトに運びます。快速も披露して初二塁打となりましたが、後続は続かず得点はならず。

フランコの第四打席

フランコの第四打席

第五打席は9回裏のサヨナラのチャンスで回ってきました。
同点の1アウト1塁で、ここで打てばデビュー戦で初本塁打に加えて初サヨナラ打となるところでしたが、力みが出たのか5球目のカーブをひっかけてピッチャーゴロでアウト。後続も三振し試合は延長戦に入ります。

フランコの第五打席

フランコの第五打席

試合はその後11回にレッドソックスが集中打で4点を奪い、レイズはその裏三者凡退に終わって5対9で敗れました。これでレイズは泥沼の7連敗となっています。

とうことでソトのデビュー戦の結果は以下のようになっています。

4打数2安打3打点1四球(1本塁打1二塁打)

デビュー戦で本塁打は近年で言えばフアン・ソトを思い起こさせます。ソトの本塁打は厳密にはデビュー戦ではなく、初のスタメン出場した試合でしたが、19歳の彼が第一打席に本塁打を放った試合はファンに衝撃を与えました。彼は現在若くしてリーグを代表する外野手であり、また抜群の選球眼を披露していることやドミニカ出身であることもフランコとの共通点です。
フランコもソトのようなトッププレイヤーになることは間違いないだろうと思わせてくれるデビュー戦でした。
いずれ彼がMVPレースの常連になる日も遠くないかもしれません。

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