2022年のMLBドラフトが現地時間7月17日より三日間かけて開催されます。
開始前に、ドラフトの順位と有力候補選手についておさらいしておきたいと思います。
2022MLBドラフト1巡目
1巡目 | チーム |
---|---|
1 | ボルティモア・オリオールズ |
2 | アリゾン・ダイヤモンドバックス |
3 | テキサス・レンジャーズ |
4 | ピッツバーグ・パイレーツ |
5 | ワシントン・ナショナルズ |
6 | マイアミ・マーリンズ |
7 | シカゴ・カブス |
8 | ミネソタ・ツインズ |
9 | カンザスシティ・ロイヤルズ |
10 | コロラド・ロッキーズ |
11 | ニューヨーク・メッツ |
12 | デトロイト・タイガース |
13 | ロサンゼルス・エンジェルス |
14 | ニューヨーク・メッツ |
15 | サンディエゴ・パドレス |
16 | クリーブランド・ガーディアンズ |
17 | フィラデルフィア・フィリーズ |
18 | シンシナティ・レッズ |
19 | オークランド・アスレチックス |
20 | アトランタ・ブレーブス |
21 | シアトル・マリナーズ |
22 | セントルイス・カージナルス |
23 | トロント・ブルージェイズ |
24 | ボストン・レッドソックス |
25 | ニューヨーク・ヤンキース |
26 | シカゴ・ホワイトソックス |
27 | ミルウォーキー・ブルワーズ |
28 | ヒューストン・アストロズ |
29 | タンパベイ・レイズ |
30 | サンフランシスコ・ジャイアンツ |
1巡目は抽選形式のNPB(日本のプロ野球)と異なり、MLBは戦力均衡化のために完全ウェーバー制を採用しています。
そのため、前年勝率が低かったチームから順にドラフト指名権が与えられることになります。
今回の場合は、前年勝率.321でMLB全体で最も勝率の低かったオリオールズが全体1位指名権を持っています。
ダイヤモンドバックスもオリオールズと同じ勝率でしたが、2019年の勝率でオリオールズが下回っていたことで1位指名権はオリオールズのものとなりました。
また、前年に全体10位でクマール・ロッカーを指名しながらも契約合意に至らなかったメッツは、その代わりに今回のドラフトで11位指名権を獲得しています。
そのため、メッツのみ11位と14位の二つの指名権を持っています。
ドジャースのみ今回のトップ30に入っていませんが、これはぜいたく税に関する処置で、ボーダーラインを4000万ドル以上超過したため、本来なら30位指名権を持っていましたが10位ランクダウンとなり、ドジャースの最初の指名権は40位となっています。
加えて、昨年までサイン盗みに関する処分で指名権をはく奪されていたアストロズが今回から1巡目指名に復帰しています。
過去10年の主な全体1位指名選手
カルロス・コレア(2012年全体1位)
プエルトリコ出身選手初の全体1位指名を受け、アストロズに入団。
遊撃手でありながら高い打力を持ち、2017年はチームのワールドシリーズ優勝に大きく貢献。
ケイシー・マイズ(2018年全体1位)
タイガースからの全体1位指名を受け入団。
昨季は新人王候補として先発ローテーション入りし防御率3.71のまずまずのパフォーマンスも、今季はTJ手術により全休。
アドリー・ラッチマン(2019年全体1位)
2001年のジョー・マウアー以来の捕手の全体1位指名選手としてオリオールズに入団。
オリオールズ再建のキープレイヤーとして、今季ついにメジャーデビュー。
スペンサー・トーケルソン(2020年全体1位)
近年常に最下位付近をうろついているタイガースがコロナ禍の2020年またしても得た全体1位指名権で獲得したのがトーケルソン。
極めて高い打撃力から期待度が高かったのですが、メジャーデビューを果たした今季は低調なパフォーマンスで苦しんでいます。
2022年ドラフト有力選手トップ10(MLB公式選出)
1位 ドリュー・ジョーンズ(18) OF
右投右打
MLBで10度のGG賞を獲得し、キャリア晩年は日本でもプレーしたアンドリュー・ジョーンズの息子。
父親より長身で細身ながら、守備力の高さは父親譲り。
走攻守全てが揃った5ツールプレイヤーで、今ドラフト最高の外野手です。
2位 ジャクソン・ホリデイ(18) SS
右投左打
こちらもMLBで2000安打を達成したオールスター選手マット・ホリデイの息子。
5ツール揃った遊撃手ですが、最も大きな強みは打撃。
JT・リアルミュートの持っていた高校記録を塗り替えるなど、打撃力は高校最高峰です。
3位 イライジャ・グリーン(18) OF
右投右打
またまた二世選手ですが、グリーンの父親はMLBではなくNFLのプロボウル(オールスター)選手であるエリック・グリーン。
守備走塁は非常にレベルが高く、打撃面でもパワーを兼ね備えるアスリートです。
4位 タマール・ジョンソン(18) 2B
右投左打
打撃に関しては高校最高峰で、ウェイド・ボッグスの選球眼とブラディミール・ゲレーロのバットコントロールを兼ね備えているとまで評されています。
守備面においては高校レベルでは遊撃手ですが、プロでは二塁手へ転向すると見込まれています。
5位 ブルックス・リー(21) SS
右投両打
2019年ドラフトで35巡目指名を受けましたが、プロ入りせず父親がコーチを務める大学に進学。
大学最高クラスのバットコントロールがウリで、プロでは三塁手転向の可能性も。
6位 ケビン・パラダ(20) C
右投右打
2020年時点で高校最高峰の捕手の一人と評されていましたが大学へ進学。
送球を含む守備面には多くの課題があるものの、打撃力は非常に高く、将来的には打率.280-.300、20-25本塁打クラスの選手になれると見込まれています。
7位 ジェイコブ・ベリー(21) 3B/OF
右投両打
2019年ドラフト全体3位指名で既にメジャーで活躍しているアンドリュー・ボーンのスイッチヒッターバージョンと言われる打撃力を持っており、コンタクトとパワーの両面に優れています。
大学では主に三塁を守っていましたが、守備には難がありプロ入り後はコンバートの可能性があります。
8位 キャム・コリアー(17) 3B
右投左打
元メジャーリーガーであるルー・コリアーの息子。
ルーは前述のジョーンズやホリデイのようなスター選手ではありませんでしたが、息子キャムは父親を超える可能性が高そうです。
打撃力の高さがウリですが、守備面では投手として90mph前半を投げ込む強肩が光ります。
9位 ジェイス・ヤン(21) 2B
右投左打
レンジャーズのトッププロスペクト、ジョシュ・ヤンの弟でジョシュが2019年ドラフトで全体8位指名された後、同じ大学に入った弟ジェイスがその空いた三塁に入りました。
ジェイスはジョシュよりもパワーがあり、打撃特化のタイプで守備面は低評価。
2021年からは二塁手としての出場が多かったのですが、守備力が低い為将来的にはコンバートの可能性があります。
10位 ギャビン・クロス(21) OF
左投左打
打撃面での評価が高く、守備は両翼が適正。
クロスが1巡目指名されれば、バージニア工科大学出身選手としては1982年以来の1巡目ということになります。
ドラフト全体1位予想
上述の有力選手トップ10を見てもわかる通り、今年のドラフトは投手よりも野手に高評価の選手が多くなっています。
特に気になるのは往年のオールスターの二世選手であるドリュー・ジョーンズとジャクソン・ホリデイの二人です。
この二人のどちらかが全体1位指名されそうなところですが、そこはチーム事情の絡んでくるところなのでわかりません。
昨年はドラフト前評価が最も高かったマルセロ・マイヤーが実際には全体4位で指名され、5位の評価だったヘンリー・デイビスが全体1位で指名されました。
今回の1位指名権を持つオリオールズは、2020年にヘストン・カースタッド、2021年にコルトン・カウザーと2年連続で外野手を指名しています。
オリオールズの外野陣には昨季ブレイクしたセドリック・マリンズもおり、チーム状況を考えるなら内野手が欲しいところ。
そうなってくるとジョーンズよりもむしろホリデイや打撃評価の高いジョンソンを指名する可能性が十分にあります。
個人的にはタマール・ジョンソンを1位指名するのではないかと予想しています。
結果がどうなるのか楽しみですね。