2021年のアワードが発表される時期がきました。
第一弾はゴールドグラブ賞です。
2021年ゴールドグラブ賞
ア・リーグ
ポジション | 受賞者 | チーム | 受賞回数 |
---|---|---|---|
P | ダラス・カイケル | ホワイトソックス | 5 |
C | ショーン・マーフィ | アスレチックス | 初 |
1B | ユリ・グリエル | アストロズ | 初 |
2B | マーカス・セミエン | ブルージェイズ | 初 |
3B | マット・チャプマン | アスレチックス | 3 |
SS | カルロス・コレア | アストロズ | 初 |
LF | アンドリュー・ベニンテンディ | ロイヤルズ | 初 |
CF | マイケル・A・テイラー | ロイヤルズ | 初 |
RF | ジョーイ・ギャロ | ヤンキース | 2 |
ナ・リーグ
ポジション | 受賞者 | チーム | 受賞回数 |
---|---|---|---|
P | マックス・フリード | ブレーブス | 2 |
C | ジェイコブ・スターリングス | パイレーツ | 初 |
1B | ポール・ゴールドシュミット | カージナルス | 4 |
2B | トミー・エドマン | カージナルス | 初 |
3B | ノーラン・アレナド | カージナルス | 9 |
SS | ブランドン・クロフォード | ジャイアンツ | 4 |
LF | タイラー・オニール | カージナルス | 2 |
CF | ハリソン・ベイダー | カージナルス | 初 |
RF | アダム・デュバル | ブレーブス | 初 |
カージナルスが最多の5選手
ア・リーグは初受賞が多く並んだのに対して、ナ・リーグは常連の顔がちらほら。
また、最も驚きなのはカージナルスから5選手も受賞したことでしょう。
ゴールドグラブ賞と言えば守備の賞でありながら実は打撃成績も関係しており、印象が優先されてビッグネームが並んでいた時代もありました。
今では守備貢献度の低さが明らかになっているデレク・ジーターが何度も受賞していたのは有名な話です。
しかし近年はセイバーメトリクスの発展に伴い、打撃成績や印象に関係なく、純粋に安定して好守備を見せた選手が受賞する傾向が強くなっています。
例えば今季中堅手として初受賞したロイヤルズのテイラーは、打撃力は平凡ですが今季記録したDRS+19は全ポジションでコレアとスターリングスに次ぐ3位です。
こういう選手は昔の基準では選ばれることがなかったでしょうが、セイバーメトリクスの発展で候補に入れるようになりました。
そう考えると、5人もの受賞者を出したカージナルスは終盤の連勝も納得の堅実さです。
9年連続のアレナド、4度目のゴールドシュミット、2年連続のオニールに加え、エドマン、ベイダーが初受賞しました。
気になる点がないわけではありません。
例えばアレナドは今季守備面で不調で、DRS+6に過ぎませんが、パイレーツのケブライアン・ヘイズはDRS+16と大きく差をつけてトップの数字を出しています。
ただ、ヘイズは766.1回しか出場していないのに対してアレナドは1312.0回も出場しており、クオリティよりも仕事量を優先したということなのでしょう。
これはあくまで名手同士でどちらが上かという話なので、今回選ばれた選手はみな今季は守備の名手だったことに間違いはありません。
そういう点で、カージナルスの5人受賞は偉業です。
今回は受賞していないものの捕手のヤディアー・モリーナは言うまでもなく好守備の代表格であり、守備に関して今季のカージナルスの右に出るものはいないというレベルです。