レギュラーシーズンは残り約一ヶ月となりました。
この時期になると、ある程度順位が固まってきますが、まだ優勝チームがどこになるか二転三転しそうな地区もあります。
今回からは、各地区の優勝争いの展望について解説していきます。
ア・リーグ東地区のこれまで
例年最激戦区と言われるア・リーグ東地区ですが、今季は序盤早々に抜け出したレッドソックスを除いてはやや低調なスタートでした。
それでもレイズ、ヤンキース、ブルージェイズは徐々に調子を上げ、5月にはオリオールズ以外の4チームが勝率5割以上のポジションにつきました。
一方でオリオールズは地区最弱の前評判通りに5月時点で最下位の座を不動のものとし、そのまま右肩下がりで勝率を落としていきました。
5月下旬頃からレイズとレッドソックスによる熾烈な首位争いが始まり、6月頃にはレイズ、レッドソックスの上位グループ、ヤンキース、ブルージェイズの中位グループ、そして一人負けのオリオールズという状態が形成されました。
そこからしばらくはその状態が続いていましたが、トレードデッドラインをきっかけに潮目が変わりました。
首位争いをしていた2強はもちろんのこと、中位でワイルドカード争いを狙いたいヤンキースとブルージェイズもトレードデッドラインの買い手にまわり、各チームが精力的に補強。
特にどうしてもプレーオフ圏内に食い込みたいヤンキースとブルージェイズはトッププロスペクトを放出する出血を伴って大きく補強をしました。
そうして8月に入ると、レッドソックスの順位は急落する一方で、ヤンキースはどんどん勝ちを積み重ね驚異の13連勝を達成し、その時にはレッドソックスを追い抜いていました。
首位争いをしていたレッドソックスが転落していくのを横目に見ながら、レイズは盤石の態勢で首位をキープ。
ヤンキースのような派手な補強はなかったものの、非常に安定して勝ち続けました。
現時点での順位
順位 | チーム | 勝 | 敗 | 勝率 | ゲーム差 | 直近10試合 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | レイズ | 85 | 50 | .630 | – | 8-2 |
2 | ヤンキース | 78 | 56 | .582 | 6.5 | 6-4 |
3 | レッドソックス | 78 | 59 | .569 | 8.0 | 6-4 |
4 | ブルージェイズ | 71 | 62 | .534 | 13.0 | 6-4 |
5 | オリオールズ | 41 | 92 | .308 | 43.0 | 3-7 |
現時点での順位は、レイズが大差をつけてリードしています。
ヤンキースが13連勝している間にもレイズはかなりの勝率で維持していたため、急落したレッドソックスとは違いレイズとヤンキースの差はまだ追いつくほどには縮まりませんでした。
しかしヤンキースはすぐ後ろにいるレッドソックスを引き離すためにも、優勝を目指して勝ち進めていく姿勢です。
一方のレッドソックスは地区2位の座こそ明け渡したものの、ワイルドカード圏内には残っているため、優勝は難しくても今の勝率は維持したいところです。
ヤンキースと同様にトレードデッドラインで大きく補強をしたブルージェイズは、主砲のブラディミール・ゲレーロJr.の不振もあって、ヤンキースのように勝ちを伸ばすことができず、未だ4位にとどまっています。
なんとか3位レッドソックスの足元に迫りたいところですが、中々差は縮まりません。
最下位オリオールズは8月に2000年代最多タイ記録となる19連敗を喫するなど、リーグ最低勝率となっています。
連敗をとめた今でも、またすぐに大型連敗が始まりそうな雰囲気が漂っているため、今季の目標は勝率3割の維持ということになりそうです。
優勝争いの展望
上述の通り、首位レイズと2位ヤンキースとの間には大きなゲーム差が空いているため、一ヶ月で逆転というのは困難な状況です。
なにより恐ろしいのは、5月からここまで常に勝率6割前後を維持してきたレイズが、未だに右肩上がりで勝率を上げている点です。
8月のヤンキースは本来上位2チームともを追い抜いてもおかしくない勢いがあったのですが、そうさせなかったレイズが凄かったというべきでしょう。
しかし、ヤンキースの逆転優勝の可能性がないわけではありません。
レイズの9月日程は、レッドソックスやブルージェイズら手ごわい同地区の敵や西地区首位のアストロズとあたるやや厳しいものです。
それに対してヤンキースの9月日程は、勝率リーグワースト1,2位のオリオールズ、レンジャーズと合計9試合あたる上、地区首位クラスのチームとあたることはない楽な日程です。
またその日程上ブルージェイズがカギを握るのではないかと思います。
ブルージェイズは9/13-15、9/20-22の6試合をレイズと、9/6-9、9/28-30の7試合をヤンキースとそれぞれ対戦します。
現在地区4位と思ったほど勝てていないブルージェイズではありますが、前述のゲレーロJr.に復調の気配が漂っていることや、エースのロビー・レイがサイ・ヤング賞を本気で狙うパフォーマンスをみせていることなど、9月に大きく勝ちを上げてもおかしくない戦力を擁しています。
彼らが同地区の上位チームに対してどれくらいあがのかによって、上位の順位にも影響を及ぼしそうな予感があります。