シーズンも残り二か月となったことで、ある程度賞レースも有力候補が見えてきました。
今回は現時点での2021年新人王候補を各リーグ5選手ずつ紹介します。
ア・リーグは混戦模様で最後まで誰になるのかわからないのに対して、ナ・リーグには大本命がいます。
ア・リーグ新人王候補
アドリス・ガルシア(TEX)
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | OPS | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
103 | .250 | 25 | 68 | .295 | .785 | 8 |
キューバ出身で2016年に日本の読売ジャイアンツでプレーしたものの、途中で契約解除となった上キューバへ帰国せずにフランスへ亡命。
その後FAでメジャーリーグ入りを目指し、2018年、2020年にそれぞれメジャーで出場したものの結果は出ていませんでした。
28歳ながら新人資格を持っていた今季は、4月からメジャーでプレーし、5月には11本塁打で月間最優秀新人を受賞。
一時は本塁打王レースにも名前が挙がっていたものの5月以降は徐々に調子を落としており、8月は打率1割台と低迷しています。
それでも25本塁打は新人野手の中ではダントツです。
ルイス・ガルシア(HOU)
試合 | 勝 | 敗 | 防御率 | 投球回 | 奪三振 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|
21 | 8 | 6 | 3.29 | 106.2 | 129 | 1.09 |
メジャーデビューは2020年で、今季は開幕からローテーション入りしました。
4月はリリーフ起用もありましたが、5月からは先発一本で定着。
チームが強いため勝ち数は伸びやすく、10勝はほぼ確実でしょう。
内容も伴っており、投球回数以外は特に欠点らしい欠点がありません。
ケイシー・マイズ(DET)
試合 | 勝 | 敗 | 防御率 | 投球回 | 奪三振 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|
22 | 6 | 6 | 3.66 | 120.1 | 94 | 1.14 |
2018年のドラフト全体1位指名選手であり、昨季デビューしたものの7試合で防御率6.99と散々なデビューイヤーとなりました。
全体1位にしては小粒で、それほどのポテンシャルは持っていないという評価で固まりつつありましたが、今季は開幕からローテーション入りすると5月には防御率1.74の好投をみせるなど一気に安定感がでるようになりました。
奪三振の少なさ、被本塁打の多さなど課題はあるものの、既にタイガースのエース格になっています。
エマニュエル・クラッセ(CLE)
試合 | 勝 | 敗 | 防御率 | 投球回 | 奪三振 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|
49 | 3 | 5 | 1.71 | 47.1 | 50 | 1.16 |
メジャーデビューは2019年に経験したものの、2020年には薬物による80試合の出場停止処分となりました。
ようやく本格的なデビューとなった今季は、シーズン序盤からもう一人の守護神候補カリンチャックとセーブ機会をわけあう形に。
そのためセーブ数は他のチームのクローザーに比べると少な目ですが、防御率1点台と抜群の好成績を残しています。
今回紹介した中ではア・リーグで最も若い23歳です。
ランディ・アロザレーナ(TB)
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | OPS | 盗塁 |
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101 | .271 | 16 | 52 | .346 | .808 | 11 |
キューバ出身で、2015年に母とボートでメキシコへと渡る壮絶な亡命を経験しました。
2016年にカージナルスと契約し、2019年にメジャーデビュー。
2020年からはトレードでレイズへと移籍し、8月に昇格すると23試合で7本塁打の大活躍をみせてそのままポストシーズンでもスタメン起用されました。
ポストシーズンでは本塁打数の新人記録を更新するなどの活躍で史上初となる新人でのチャンピオンシップシリーズMVPに輝きました。
今季は新人王の最有力候補に挙げられていましたが、流石に昨季終盤ほどの活躍はできていません。
しかし8月は打率.526と非常にホットで、彼が昨季みせた爆発力を考えればここから数字を大きく上げてくる可能性は十分にあります。
ナ・リーグ新人王候補
トレバー・ロジャース(MIA)
試合 | 勝 | 敗 | 防御率 | 投球回 | 奪三振 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|
20 | 7 | 6 | 2.45 | 110.0 | 129 | 1.13 |
2017年ドラフト全体13位指名の左腕で、今季の新人王大本命です。
本来ならマーリンズ同僚のシクスト・サンチェスが開幕前の新人王候補だったのですが、手術のため今季は全休。
サンチェス同様昨季メジャーデビューしたプロスペクトであるロジャースは、4月から大暴れで4,5月の二カ月連続で月間最優秀新人を受賞しました。
その後も大きく調子を落とすことなく、ここまでエースといって差し支えない活躍を披露してくれています。
ジョナサン・インディア(CIN)
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | OPS | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
104 | .279 | 13 | 48 | .398 | .851 | 8 |
2018年全体5位指名の二塁手で、今季が完全なデビューイヤーです。
シーズン最初の二カ月は中々好結果が出ていなかったものの、6月に月間打率3割超えを記録すると、7月はさらにギアをあげて月間最優秀新人を受賞しました。
本塁打のペースが上がってきており、8月に入ってからも4試合で3本塁打を記録するなど相変わらず打撃好調です。
その打力もさることながら4割前後を記録している出塁率の高さが最大の魅力になっています。
イアン・アンダーソン(ATL)
試合 | 勝 | 敗 | 防御率 | 投球回 | 奪三振 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|
18 | 5 | 5 | 3.56 | 96.0 | 98 | 1.25 |
2016年の全体3位指名投手で、デビューした昨季好投を見せたため、今季は開幕前から新人王候補に挙げられていました。
ロジャースの成績が優秀すぎるため陰に隠れていますが、アンダーソンも新人としては十分な活躍を見せています。
ただし現在リハビリ中で1か月近く出場していないため、ロジャースと比べるとその点が不利になります。
パトリック・ウィズダム(CHC)
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | OPS | 盗塁 |
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67 | .267 | 17 | 35 | .335 | .899 | 3 |
今月30歳になるかなり遅咲きの新人三塁手です。
2018年から毎年メジャー昇格しており、出場試合数が少ないため今季はまだ新人資格を保持しています。
今季は5月の終盤にメジャー昇格し、6月には8本塁打を記録して月間最優秀新人に選ばれました。
試合数は少ないものの、ナ・リーグの新人野手の中ではトップの17本塁打を放っています。
ディラン・カールソン(STL)
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | OPS | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|
111 | .260 | 12 | 46 | .341 | .760 | 1 |
地味ながら開幕からずっとカージナルスの主力として活躍しています。
2016年のドラフト全体33位指名の外野手ですが、まだ22歳で今回紹介した候補の中では一番若い選手です。
数字のインパクトがないため正直新人王はかなり難しいのですが、2019年はマイナーで26本塁打を記録しており、パワーもあります。
昨季のアロザレーナのような終盤のブレイクに期待です。