守護神ハンド、エースのシャーザー、チーム内二冠王ターナー、主砲シュワーバーを放出したナショナルズが、最後の総仕上げとしてセットアッパーのダニエル・ハドソンをパドレスへトレードしました。
ダニエル・ハドソン(34)
試合 | 勝 | 敗 | セーブ | 防御率 | 奪三振 | WHIP |
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431 | 56 | 38 | 27 | 3.82 | 692 | 1.24 |
ハドソンはデビューからダイヤモンドバックス移籍後しばらくまで先発投手を務めていました。
特に2011年は16勝&防御率3.49という大活躍でエース級投手だった時期もありました。
しかし翌年は結果を残せず、2014年からはリリーフ専任となります。
そこから数年はそれほど大した投手ではありませんでした、2019年のシーズン途中にナショナルズへ移籍するとリリーフエースとして好投を続け、この年のワールドシリーズ制覇に大きく貢献しました。
2020年はクローザーを任されながら再び並以下のパフォーマンスに終始しましたが、今季はセットアッパーとしてチームで最も信頼できる投手として活躍していました。
試合 | 勝 | 敗 | セーブ | 防御率 | 奪三振 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|
31 | 4 | 1 | 0 | 2.20 | 48 | 0.92 |
トレードの内容
パドレスが獲得した選手:ダニエル・ハドソン
ナショナルズが獲得した選手:メイソン・トンプソン、ジョーディ・バーレイ
トンプソンはパドレスのプロスペクトランキングで9位の23歳右投手で、今季既にメジャーデビューを果たしています。
バーレイはランク外で期待度の低い内野手なので、実質的にはハドソンとトンプソンのトレードという側面が強くなります。
パドレスの思惑
パドレスにとって最大の補強ポイントであった先発投手にシャーザー獲得を見込んでいましたが、ギリギリのところで同地区ドジャースに奪われた形になりました。
パドレスのリリーフは非常に強力で、防御率はリーグ1位を誇る反面先発投手陣はリーグ中位とかなり格落ちです。
本来ならエース級投手がずらりとなるはずだった先発ローテーションは怪我や不振によってあまり機能していません。
ハドソン獲得は弱点の補強ではなく長所の強化となるわけですが、投手陣強化という意味では物足りなさを感じます。
先日のアダム・フレイジャー獲得といい、やや後手に回っている印象があります。
おそらくその理由は長期的なチーム作りを見据えているからでしょう。
パドレスのプレラーGMは今後3年でワールドシリーズを獲りにいくと宣言しており、そのためにもドジャースのように割り切って球団最高の有望株を放出するような真似は避けたいと考えているはずです。
そういったところでの有望株の出し渋りが、今回のシャーザーのトレード破談に繋がったのかもしれません。
ナショナルズの思惑
解体作業はもう終わりでしょうか。
出せる主力はほぼ出し尽くしたと言っていいでしょう。
MLBで戦うには割り切りも必要です。
元々有望株の少なかったナショナルズは今回のファイアーセールで大きく状況を改善させました。
幸いチーム最高のスターであるソトはまだ若く、数年後を見据えて戦っていくことは十分可能です。
手術で今季絶望となってしまったストラスバーグの存在は痛いですが、来季以降で彼が健康になり、今回獲得した若手がある程度主力になる時が勝負所です。